宝島再発見 - 2020-04-25台湾、コロナ禍影響受けず枝豆・バナナ輸出好調

宝島再発見

新型コロナウイルスのパンデミック（世界的流行）の影響で今年第1四半期における台湾の農産品の輸出は衰退を見せています。幸いに枝豆、バナナ、根生姜などは、輸出先を変えることで成長を見せています。農業担当機関は、現在ライチとマンゴーも順調に輸出できるよう取り組んでいます。しかし、新型コロナウイルスの影響で輸出で大きなダメージを受けた蘭の花は、来年の春に期待するしかないということです。

新型コロナウイルスのパンデミックは世界経済に大きな影響をもたらしています。行政院農業委員会（日本の厚労省に類似）国際処が税関の輸出入統計を引用して明らかにしたところによりますと、今年第1四半期における農産品の輸出金額は11億9662.6万米ドルで、昨年の同じ時期に比べて8.6％減少しています。

農業委員会のトップである陳吉仲・主任委員の分析では、食料は必需品です。食料の生産が受けた影響は製造業ほど大きくはありませんが、食料の輸出を制限する国が増えていることから、食糧不足の問題が急浮上してきています。一部の国ではさらにパンの争奪戦が繰り広げられています。中国大陸を例に説明しますと、お米の輸入量だけが5000万ドン増えています。今年第2四半期、国際市場における食料価格がさらに上昇するだろうと予測されています。しかし、台湾ではお米の年間生産量は150万トンに達し、一部を輸出している余裕があるため、食料不足の問題は起きないでしょう。

農業委員会は今年第2四半期、台湾の農産品の輸出は衰退から成長に転じることが出来るよう期待しています。農業委員会は輸出が過度に中国大陸という単一市場に集中せず、リスクを分散させるよう取り組んでいます。

その結果、台湾の農産品の三大輸出先、中国大陸、日本、アメリカのうち、今年1月と2月の税関の統計では、日本向け輸出は1億4342.6万米ドルに達し、中国大陸の1億2838.8万米ドルを上回りました。

しかし、3月になって第1四半期における台湾の農産品の輸出統計が出てきました。それによりますと、中国大陸への輸出額は2億2601.8万米ドルで、日本向け輸出の2億1083.9万米ドルを上回りました。三位はアメリカの1億5314.6万米ドルです。中国大陸は再び一位に復帰しましたが、中国大陸への輸出額は例年ほど多くありませんでした。

今年第1四半期の統計を見てみますと、中国への輸出は台湾の農産品の輸出全体の18.9％、日本は17.6％、アメリカは12.8％を占めています。昨年通年の統計を見てみますと、中国は22.9％、日本が16.3％、アメリカが11.2％でした。

新型コロナウイルスウイルスのパンデミックは、台湾の海外販路打開を阻止したものの、いくつかの品目の輸出はかえって成長を見せています。新型コロナウイルスの防止に役立つとか、米中貿易戦争の影響などは原因のようです。

輸出が増えた冷凍の枝豆についてですが。今年1月と2月、中国大陸では都市の閉鎖（ロックダウン）が相次いで実施され、日本への枝豆の輸出が減りました。日本は、台湾から枝豆を輸入することにしました。枝豆はその影響で、マグロに次いで今年第1四半期、日本向け輸出における二番目に多い品目となりました。

今年第1四半期、冷凍の枝豆の輸出は2040.9万米ドルで、昨年の同じ時期に比べて16.6％増加しました。そのうち日本向け輸出は、1701.1万米ドルに達しています。バナナにも似たような状況があります。今年第1四半期、冷蔵の生鮮バナナの輸出は117万米ドルで、昨年の同じ時期に比べて18.3％増えました。

今年台湾バナナの日本向け輸出は、新型コロナウイルスの影響を受けていません。3月から4月まで、エクアドルとフィリピンは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で出荷できません。日本は台湾からのバナナの輸入を拡大しています。台湾バナナは現在毎週月曜日に日本に出荷しています。

5月の到来を控え、農家は日本に向けて輸出するライチの収穫を始めました。6月はマンゴーの季節です。農業委員会は、台湾の大手航空会社とタイアップして台湾産果物をどんどん日本に輸出し、日本の消費者に台湾の高品質な果物を召し上がっていただこうとすると共に、台湾の農家をもサポートします。