第二百四話『優しさと哀しさで人生を生きる』−【千葉篇】画家 竹久夢二−

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『まてど 暮らせど 来ぬ人を
宵待草の やるせなさ
今宵は月も でぬさうな』
この有名な詩『宵待草』を書いたのは、明治末期から大正時代にかけて、独特の女性画で異彩を放った叙情画家、竹久夢二です。
千葉県の銚子にある海鹿島海岸には、この詩の一節と夢二の文学碑がひっそりと建っています。
夢二は、この海岸で恋に落ちました。
彼女との悲恋を、夕方になって可憐に咲く宵待草に重ね合わせたのです。
夏の海岸も、陽が落ちるとぱったり人影がなくなります。
そんな夕闇の中、黄色い小さな花をけなげに開く、宵待草。
夢二の心は、彼女を想う気持ちであふれます。
彼の詩に曲がつき、大正時代の流行歌として多くのひとに歌い継がれました。
たったひと夏の恋が、永遠という時間を手に入れたのです。
竹久夢二は、恋多き男、というイメージがありますが、実は一途で傷つきやすく、恋で感じた優しさと哀しさを創作の礎にしました。
「僕は、あのねえ、くれぐれも勘違いしてほしくないんだが、自分が優しいから優しい絵を画くんじゃないんです。
ひとに、優しくされたいんです。ただ、それだけなんです。
でも、自分が思うほど、ひとはそうはしてくれない。
だから、哀しい。すごく、哀しい。その哀しさを絵に込めるんです。
そうすると、絵は、途端に生き生きとしていきます。
そうです、僕は、優しさと哀しさで絵を画いているんです」
美人画を画き続け、大正の浮世絵師ともよばれた竹久夢二が、49年の人生でつかんだ明日へのyes!とは?

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