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GO GO台湾 - 2021-12-04_花蓮・太魯閣

 
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トーク①:太魯閣(東西橫貫公路牌樓~砂卡礑步道~長春祠) ≫

12月に入り、台湾もクリスマスイルミネーションが登場したり、年末のクリスマスから年越しイベントの話題が出始めました。

中でも話題となっているのが、女性スキャンダルで目立った活動を控えていた歌手の羅志祥(ショウ・ルオ)が、故郷である台湾東部・花蓮で12月26日から6日間行われる年越しコンサートに登場するということ。しかも、年越しコンサートのトリを務めるそうです。

日本でも活動していたことがあることから、その後どうしていたのか気になっていた日本のファンも少なくないと思います。

先月(11月)には新曲もリリースしていて、これから活動も活発になっていくようです。

ちなみに、その年越しコンサートの模様は、台湾では複数の放送局が生放送するのですが、三立電視(SET)の公式YouTubeでも同時配信されるそうですよ。気になる方は、当日、ぜひチェックしてくださいね。

そんな羅志祥登場の話題で注目を集めている花蓮ですが、年越しコンサートの時期のみならず、一年を通して人気の観光地です。

台湾の東部はどうしてもちょっと交通の便が不便なのと、花蓮自体、とても広く、自然も豊かな場所なので、泊りがけで行くのがいい…というか、あちこち見ようと思ったら泊りがけになると思います。

そんな花蓮でまず最初に思い浮かぶスポットといえば、やはり「太魯閣(タロコ)」。台湾八景の一つとされていて(*2)、川が大理石の岩盤を侵食して形成した「太魯閣渓谷」が有名です。とにかくそのスケールの大きさと、大自然が生み出した美しさに圧倒されます。

「太魯閣國家公園(タロコ国家公園)」にはこの「太魯閣渓谷」をはじめとした、様々なスポットがありますよ。

まずは「太魯閣國家公園」の入り口、「東西橫貫公路牌樓(東西横断道路ゲート)」。

“三間四柱三樓式”と呼ばれる、4本の柱で3つの屋根を支えたスタイルで、オレンジ色の琉球瓦と赤い梁の象徴的なゲートとなっています。そして、そのゲートのすぐ近くには「太魯閣國家公園東西橫貫公路入口」と書かれた大きな岩の看板がありますので、そこで多くの人が写真を撮っています。

このゲートをくぐって真っすぐ進んでいくと、大理石で作られた橋があって、そこに「砂卡礑步道」と書かれたゲートがあるのでそこを降りていくと「砂卡礑步道」に着きます。

ここは、全長4.1kmの歩道で、豊かな緑に、美しい岩肌、そしてエメラルドグリーンの水が印象的な場所です。ここで早速、太魯閣の自然の美しさを感じることができます。

ここの水は本当にきれい!吸い込まれそうなくらいに澄んだエメラルドグリーンなんですよ。そして岩壁の岩肌には何層にも重なった模様が現れていて歴史が美しさを生み出しています。

この「砂卡礑步道」は、行って帰ってこなくてはならないので、終着地点まで行くと往復で4時間くらいかかります。緑深い歩道ですので、全体的に日陰になっていて夏でも比較的涼しいのですが、距離があるので、体力と相談しながらいいポイントまで行ってみてくださいね。

そして、「砂卡礑步道」から少し歩いていくと、「長春祠」があります。ここは、「東西橫貫公路」建設工事の際に亡くなった方々の霊を弔うために建てられました。

このエリアは岩盤が脆く、何度も崩落が起きて、工事は困難を極め、「東西橫貫公路」完成までに225名の工事関係者がなくなっているそうです。「長春祠」にはその人々の名前が刻まれています。

山と一体化するかのようにその地形にはめ込まれたように作られたオレンジの屋根が目を引く中華風の建物。そして、その下からは滝が流れていて、まるで絵のようです。ちなみにこの滝は湧き水なんだそうです。

遠くから眺めるだけでなく、実際に立ち寄ることもできます。「長春祠」に向かう赤い橋があるのでそこを渡ると、トンネルがあってそこを進んでいくと「長春祠」に着きます。

ちなみに、その赤い橋を渡って、トンネルに入る手前に階段があって、そこを降りると、途中で途切れた状態で残された旧・長春橋があります。今は、途切れた先はちゃんと行き止まりに壁が作ってあって、渓谷の岩肌を間近に感じることができる景観台として、そしてフォトスポットとしても人気となっていますよ。

「長春祠」の建物まではそれほど遠くないのですが、建物の裏側には通称「天堂步道(天国への歩道)」と呼ばれている、観音洞、太魯閣楼、鐘楼を通って、禅光寺へと続く道があります。ここまで行こうと思うとちょっと頑張らないといけないので、ここも体力と相談して行ってみてくださいね。

トーク②:太魯閣(燕子口~錐麓吊橋/山月吊橋~九曲洞≫

そして、太魯閣渓谷で一番の見どころといえば「燕子口步道」。

太魯閣を紹介する映像や写真はこの「燕子口」のものが多いので、皆さんが想像する太魯閣がここです。

高さ1,000メートル以上にも切り立つ太魯閣渓谷の迫力と美しさを一番間近で感じることができるスポットです。あまりに壮大で、写真に収めようとしても画面に収まり切れず、私も後から写真を見返してみても全面岩!という何とも伝わらない写真ばかりとなっていました。ここの景色はプロの方に撮ってもらうか、やはり肉眼でその目に焼き付けるのが一番だと思います。

ちなみに、なぜ「燕子口」という名前なのかというと、ここにはよく燕が訪れ、崖の上に巣を作ったりして、“100羽の燕が谷間で鳴く”という壮観な光景が見られることから「燕子口」という名前が付けられたんだそうです。

「燕子口」の対岸の岩壁には「壺穴」といって、いくつもの穴があいているんですが、これは燕があけた…というわけではありません。

この穴ができた理由は2種類あって、1つは、地下水の出口として。地下水が飽和状態になったときに岩から染み出し、それが長い年月をかけて岩を侵食し、穴となったもの。そしてもう1つは、そこを流れる立霧溪の水の浸食によってできたもの。水流が砂や石などを動かして岩壁を侵食して、時間をかけて穴ができたというもの。そしてそれらが長い年月と共に隆起して現在の姿になったとされています。自然の歴史を感じますよね。

なお、この「燕子口」では歩いて通る際にはヘルメットの着用が義務付けられています。ヘルメットとか持ってない…という方も大丈夫!「太魯閣國家公園」内には数か所にヘルメットの貸し出し所がありますし、この「燕子口」のちかくでも借りられるようになっています。

私は車を1日チャーターして行ったので、何度も「太魯閣」を案内しているというベテランの運転手さんが知らないうちにヘルメットを準備してくれていたんですが、最初は、「え~、ちゃんと整備されているし、ヘルメットとかいるのかなぁ~」なんて言っていましたが、実際に歩いていると、落石の痕があちらこちらにあって、中には落石で鉄の柵が一部凹んでいたりしたのをみて、本当に必要性を感じました…。自然を甘く見てはいけませんね。そして本当にこのエリアの工事は相当困難を極めたんだろうなということを少しだけ肌で感じました。

皆さんも、行かれる際には、もちろんルールとして義務付けられているんですが、しっかりヘルメットをかぶって安全に気をつけながら楽しんでくださいね。

そして、「太魯閣」の人気スポットといえば、2つの大吊橋。

ちょうど「燕子口」から見えるんですが、一つは「錐麓吊橋」、もうひとつは「山月吊橋」といいます。

「錐麓吊橋」は、「太魯閣國家公園」内で唯一の史跡保存エリアの「錐麓古道」の入り口にあります。人がすれ違えないほどの幅の長い吊橋は、高い所が苦手な人にはかなり怖いかもしれません…。

なお、この「錐麓古道」は全長10.3キロあるのですが、その地理的環境などの理由から修復工事が困難で、安全のため、現在は10.3キロのうち、手前の3.1キロのみ解放しています。また、事前に入園の申請が必要で、平日は96人、休日は156人までの人数制限が掛けられています。

また入園料が必要です。大人ひとり200台湾元(日本円およそ800円)、6歳未満12歳までの子供と65歳以上は100元(およそ400円)です。

そしてもう一つの吊橋、「山月吊橋」は、日本統治時代にかけられた橋で、当時、この立霧溪流域で最長のワイヤー吊橋だったそうで、橋の上から立霧溪を見下ろすと、とても危険で、当時、太魯閣に派遣された日本の警察官はこの橋をみて辞めたくなるということから「辞職橋」とも呼ばれていたそうです。

その「山月吊橋」も現在4代目。4年をかけて修復が行われ、2020年に開放が始まりました。

橋の長さは196メートル、幅2.5メートル、渓谷の幅は152メートルと、「太魯閣國家公園」内で最も距離が長く、渓谷の距離も高さも最大の吊橋です。この橋の上からの眺めは絶景でしょうね。でもやはり高い所が苦手な人は、かなりの高さにある吊橋ですので怖いかもしれませんね。

高い所が苦手じゃない方はぜひ楽しんでください。

なお、この「山月吊橋」は無料ですが、事前に予約が必要となっています。

そして、太魯閣渓谷で一番川幅が狭い場所が「九曲洞」。手を伸ばせば対岸に届くのではないかと思うくらいに近く、太魯閣渓谷のベストスポットの一つとされています。その「九曲洞步道」は、以前、観光客が落石で怪我をする事故が起こったことから、6年をかけて安全工事が行われ、2019年に再び開放されました。

現在は、ヘルメットなしでも安全に歩いていけるようになっています。

全長は700メートルで折り返して帰って来るルート。往復30分くらいで巡れます。

トーク③:白楊步道水濂洞≫

そして最後にもう1か所。「白楊步道水濂洞」もおススメです。

ここは太魯閣の秘境スポットと言われていて、全長2.1キロの平坦な道。7つの暗いトンネルを抜けると…そこにはトンネルの中に自然の湧き水のシャワーが降り注ぐ場所が!

なんでもかつて立霧溪水力発電所計画が進んでいた際に、地下の水脈を壊してしまい、岩の裂け目から地下水が流れ出てきているんだそうです。

そのため、地質学者は、トンネル内の岩の層が地下水の強い浸食を受けて岩盤層が緩んで落下する危険性があると結論付けていますが、現在のところ、立ち入りは可能ですし、「太魯閣國家公園」のホームページでも紹介されていて、秘境として訪れる観光客も少なくありません。

でももしかしたら将来は入れなくなるかもしれませんね。

なお、この「水濂洞」に行く途中のトンネルには明かりはありませんので、懐中電灯が必須です。また、「水濂洞」の中は、大量の水が降り注いでいて、そのまま行くとびしょぬれになってしまうので、レインコートも必要です。覚えておいてくださいね。

そして、今日ご紹介したこれらのスポット、大自然の中…というとだいたい交通が不便という印象ですが、この太魯閣は、台灣好行(Taiwan Trip)バスの310番が、在来線台湾鉄道の「花蓮」駅を出発して、これらのスポットをぐるりと通ります。平日は本数が1日4本と少ないのですが、土日は朝6時半から夕方15時半までの間、1時間もしくは2時間に1本、合計8本のバスが出ています。そして1日乗り放題のチケットもあるので、それを利用してスポットを巡る旅もいいですよ。

バスの時間を気にしてゆっくりできないのはやだなぁ…という方は、1日タクシーをチャーターするといいかもしれません。

個人でチャーターするのもいいですし、乗り合いタクシーのチャーターもあります。花蓮の宿泊施設ではフロントに尋ねるといろんなオプションツアーの着いたチャーターも紹介してもらえますので参考にしてみてくださいね。

花蓮は泊りがけで行ってじっくりと楽しむのがおススメですが、どうしても行ってみたいけど時間がない!という方は、飛行機で花蓮まで飛んで、車をチャーターして巡れば日帰りも不可能ではありません!(ちょっとあわただしくなりますけどね…)

スケジュールや体力と相談しつつ、楽しんでくださいね。

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トーク①:太魯閣(東西橫貫公路牌樓~砂卡礑步道~長春祠) ≫

12月に入り、台湾もクリスマスイルミネーションが登場したり、年末のクリスマスから年越しイベントの話題が出始めました。

中でも話題となっているのが、女性スキャンダルで目立った活動を控えていた歌手の羅志祥(ショウ・ルオ)が、故郷である台湾東部・花蓮で12月26日から6日間行われる年越しコンサートに登場するということ。しかも、年越しコンサートのトリを務めるそうです。

日本でも活動していたことがあることから、その後どうしていたのか気になっていた日本のファンも少なくないと思います。

先月(11月)には新曲もリリースしていて、これから活動も活発になっていくようです。

ちなみに、その年越しコンサートの模様は、台湾では複数の放送局が生放送するのですが、三立電視(SET)の公式YouTubeでも同時配信されるそうですよ。気になる方は、当日、ぜひチェックしてくださいね。

そんな羅志祥登場の話題で注目を集めている花蓮ですが、年越しコンサートの時期のみならず、一年を通して人気の観光地です。

台湾の東部はどうしてもちょっと交通の便が不便なのと、花蓮自体、とても広く、自然も豊かな場所なので、泊りがけで行くのがいい…というか、あちこち見ようと思ったら泊りがけになると思います。

そんな花蓮でまず最初に思い浮かぶスポットといえば、やはり「太魯閣(タロコ)」。台湾八景の一つとされていて(*2)、川が大理石の岩盤を侵食して形成した「太魯閣渓谷」が有名です。とにかくそのスケールの大きさと、大自然が生み出した美しさに圧倒されます。

「太魯閣國家公園(タロコ国家公園)」にはこの「太魯閣渓谷」をはじめとした、様々なスポットがありますよ。

まずは「太魯閣國家公園」の入り口、「東西橫貫公路牌樓(東西横断道路ゲート)」。

“三間四柱三樓式”と呼ばれる、4本の柱で3つの屋根を支えたスタイルで、オレンジ色の琉球瓦と赤い梁の象徴的なゲートとなっています。そして、そのゲートのすぐ近くには「太魯閣國家公園東西橫貫公路入口」と書かれた大きな岩の看板がありますので、そこで多くの人が写真を撮っています。

このゲートをくぐって真っすぐ進んでいくと、大理石で作られた橋があって、そこに「砂卡礑步道」と書かれたゲートがあるのでそこを降りていくと「砂卡礑步道」に着きます。

ここは、全長4.1kmの歩道で、豊かな緑に、美しい岩肌、そしてエメラルドグリーンの水が印象的な場所です。ここで早速、太魯閣の自然の美しさを感じることができます。

ここの水は本当にきれい!吸い込まれそうなくらいに澄んだエメラルドグリーンなんですよ。そして岩壁の岩肌には何層にも重なった模様が現れていて歴史が美しさを生み出しています。

この「砂卡礑步道」は、行って帰ってこなくてはならないので、終着地点まで行くと往復で4時間くらいかかります。緑深い歩道ですので、全体的に日陰になっていて夏でも比較的涼しいのですが、距離があるので、体力と相談しながらいいポイントまで行ってみてくださいね。

そして、「砂卡礑步道」から少し歩いていくと、「長春祠」があります。ここは、「東西橫貫公路」建設工事の際に亡くなった方々の霊を弔うために建てられました。

このエリアは岩盤が脆く、何度も崩落が起きて、工事は困難を極め、「東西橫貫公路」完成までに225名の工事関係者がなくなっているそうです。「長春祠」にはその人々の名前が刻まれています。

山と一体化するかのようにその地形にはめ込まれたように作られたオレンジの屋根が目を引く中華風の建物。そして、その下からは滝が流れていて、まるで絵のようです。ちなみにこの滝は湧き水なんだそうです。

遠くから眺めるだけでなく、実際に立ち寄ることもできます。「長春祠」に向かう赤い橋があるのでそこを渡ると、トンネルがあってそこを進んでいくと「長春祠」に着きます。

ちなみに、その赤い橋を渡って、トンネルに入る手前に階段があって、そこを降りると、途中で途切れた状態で残された旧・長春橋があります。今は、途切れた先はちゃんと行き止まりに壁が作ってあって、渓谷の岩肌を間近に感じることができる景観台として、そしてフォトスポットとしても人気となっていますよ。

「長春祠」の建物まではそれほど遠くないのですが、建物の裏側には通称「天堂步道(天国への歩道)」と呼ばれている、観音洞、太魯閣楼、鐘楼を通って、禅光寺へと続く道があります。ここまで行こうと思うとちょっと頑張らないといけないので、ここも体力と相談して行ってみてくださいね。

トーク②:太魯閣(燕子口~錐麓吊橋/山月吊橋~九曲洞≫

そして、太魯閣渓谷で一番の見どころといえば「燕子口步道」。

太魯閣を紹介する映像や写真はこの「燕子口」のものが多いので、皆さんが想像する太魯閣がここです。

高さ1,000メートル以上にも切り立つ太魯閣渓谷の迫力と美しさを一番間近で感じることができるスポットです。あまりに壮大で、写真に収めようとしても画面に収まり切れず、私も後から写真を見返してみても全面岩!という何とも伝わらない写真ばかりとなっていました。ここの景色はプロの方に撮ってもらうか、やはり肉眼でその目に焼き付けるのが一番だと思います。

ちなみに、なぜ「燕子口」という名前なのかというと、ここにはよく燕が訪れ、崖の上に巣を作ったりして、“100羽の燕が谷間で鳴く”という壮観な光景が見られることから「燕子口」という名前が付けられたんだそうです。

「燕子口」の対岸の岩壁には「壺穴」といって、いくつもの穴があいているんですが、これは燕があけた…というわけではありません。

この穴ができた理由は2種類あって、1つは、地下水の出口として。地下水が飽和状態になったときに岩から染み出し、それが長い年月をかけて岩を侵食し、穴となったもの。そしてもう1つは、そこを流れる立霧溪の水の浸食によってできたもの。水流が砂や石などを動かして岩壁を侵食して、時間をかけて穴ができたというもの。そしてそれらが長い年月と共に隆起して現在の姿になったとされています。自然の歴史を感じますよね。

なお、この「燕子口」では歩いて通る際にはヘルメットの着用が義務付けられています。ヘルメットとか持ってない…という方も大丈夫!「太魯閣國家公園」内には数か所にヘルメットの貸し出し所がありますし、この「燕子口」のちかくでも借りられるようになっています。

私は車を1日チャーターして行ったので、何度も「太魯閣」を案内しているというベテランの運転手さんが知らないうちにヘルメットを準備してくれていたんですが、最初は、「え~、ちゃんと整備されているし、ヘルメットとかいるのかなぁ~」なんて言っていましたが、実際に歩いていると、落石の痕があちらこちらにあって、中には落石で鉄の柵が一部凹んでいたりしたのをみて、本当に必要性を感じました…。自然を甘く見てはいけませんね。そして本当にこのエリアの工事は相当困難を極めたんだろうなということを少しだけ肌で感じました。

皆さんも、行かれる際には、もちろんルールとして義務付けられているんですが、しっかりヘルメットをかぶって安全に気をつけながら楽しんでくださいね。

そして、「太魯閣」の人気スポットといえば、2つの大吊橋。

ちょうど「燕子口」から見えるんですが、一つは「錐麓吊橋」、もうひとつは「山月吊橋」といいます。

「錐麓吊橋」は、「太魯閣國家公園」内で唯一の史跡保存エリアの「錐麓古道」の入り口にあります。人がすれ違えないほどの幅の長い吊橋は、高い所が苦手な人にはかなり怖いかもしれません…。

なお、この「錐麓古道」は全長10.3キロあるのですが、その地理的環境などの理由から修復工事が困難で、安全のため、現在は10.3キロのうち、手前の3.1キロのみ解放しています。また、事前に入園の申請が必要で、平日は96人、休日は156人までの人数制限が掛けられています。

また入園料が必要です。大人ひとり200台湾元(日本円およそ800円)、6歳未満12歳までの子供と65歳以上は100元(およそ400円)です。

そしてもう一つの吊橋、「山月吊橋」は、日本統治時代にかけられた橋で、当時、この立霧溪流域で最長のワイヤー吊橋だったそうで、橋の上から立霧溪を見下ろすと、とても危険で、当時、太魯閣に派遣された日本の警察官はこの橋をみて辞めたくなるということから「辞職橋」とも呼ばれていたそうです。

その「山月吊橋」も現在4代目。4年をかけて修復が行われ、2020年に開放が始まりました。

橋の長さは196メートル、幅2.5メートル、渓谷の幅は152メートルと、「太魯閣國家公園」内で最も距離が長く、渓谷の距離も高さも最大の吊橋です。この橋の上からの眺めは絶景でしょうね。でもやはり高い所が苦手な人は、かなりの高さにある吊橋ですので怖いかもしれませんね。

高い所が苦手じゃない方はぜひ楽しんでください。

なお、この「山月吊橋」は無料ですが、事前に予約が必要となっています。

そして、太魯閣渓谷で一番川幅が狭い場所が「九曲洞」。手を伸ばせば対岸に届くのではないかと思うくらいに近く、太魯閣渓谷のベストスポットの一つとされています。その「九曲洞步道」は、以前、観光客が落石で怪我をする事故が起こったことから、6年をかけて安全工事が行われ、2019年に再び開放されました。

現在は、ヘルメットなしでも安全に歩いていけるようになっています。

全長は700メートルで折り返して帰って来るルート。往復30分くらいで巡れます。

トーク③:白楊步道水濂洞≫

そして最後にもう1か所。「白楊步道水濂洞」もおススメです。

ここは太魯閣の秘境スポットと言われていて、全長2.1キロの平坦な道。7つの暗いトンネルを抜けると…そこにはトンネルの中に自然の湧き水のシャワーが降り注ぐ場所が!

なんでもかつて立霧溪水力発電所計画が進んでいた際に、地下の水脈を壊してしまい、岩の裂け目から地下水が流れ出てきているんだそうです。

そのため、地質学者は、トンネル内の岩の層が地下水の強い浸食を受けて岩盤層が緩んで落下する危険性があると結論付けていますが、現在のところ、立ち入りは可能ですし、「太魯閣國家公園」のホームページでも紹介されていて、秘境として訪れる観光客も少なくありません。

でももしかしたら将来は入れなくなるかもしれませんね。

なお、この「水濂洞」に行く途中のトンネルには明かりはありませんので、懐中電灯が必須です。また、「水濂洞」の中は、大量の水が降り注いでいて、そのまま行くとびしょぬれになってしまうので、レインコートも必要です。覚えておいてくださいね。

そして、今日ご紹介したこれらのスポット、大自然の中…というとだいたい交通が不便という印象ですが、この太魯閣は、台灣好行(Taiwan Trip)バスの310番が、在来線台湾鉄道の「花蓮」駅を出発して、これらのスポットをぐるりと通ります。平日は本数が1日4本と少ないのですが、土日は朝6時半から夕方15時半までの間、1時間もしくは2時間に1本、合計8本のバスが出ています。そして1日乗り放題のチケットもあるので、それを利用してスポットを巡る旅もいいですよ。

バスの時間を気にしてゆっくりできないのはやだなぁ…という方は、1日タクシーをチャーターするといいかもしれません。

個人でチャーターするのもいいですし、乗り合いタクシーのチャーターもあります。花蓮の宿泊施設ではフロントに尋ねるといろんなオプションツアーの着いたチャーターも紹介してもらえますので参考にしてみてくださいね。

花蓮は泊りがけで行ってじっくりと楽しむのがおススメですが、どうしても行ってみたいけど時間がない!という方は、飛行機で花蓮まで飛んで、車をチャーターして巡れば日帰りも不可能ではありません!(ちょっとあわただしくなりますけどね…)

スケジュールや体力と相談しつつ、楽しんでくださいね。

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