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ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調 Op.68 第1,2楽章 [2023] / Johannes Brahms:Symphony No.1 in C minor, Op.68 1. Un poco sostenute - Allegro, 2. Andante sostenuto
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♪第27話:【トワ子の窓 第4回】トワの父親・安藤京太郎と妹・アンドウミワが再登場… 「ブラ1」談義に花が咲く Part1
こんにちは。
CMSLシンフォニックオーケストラの主席指揮者アンドウトワです、コンマスの風華レアです。
そして「トワ子の窓」には早くも二度目の登場です。
こんにちは、アンドウトワの父親の安藤京太郎です。妹のアンドウミワです、よろしくお願いします。
トワ:さて、今回はいよいよ待望のブラームス「交響曲第1番」です。私がずっと演奏したかった曲で、オケの立ち上げから数か月を経て、ようやくみなさんにお聴かせできることになりました。
レア:やっとですね、本当はオケの最初のプログラムでやりたがってましたからね、トワさんは。
トワ:そう。だのにガロ理事長は第4番のほうが私に合っていると言って、初っ端から短調で締めくくるという、私としては不本意な形になっていました。
京太郎:ブラ1と聞いたら黙っていられなくて、図々しくもまた来てしまいました。
トワ:パパは私と同じでかなり熱心なブラ1のフリークだもんね。
京太郎:そう、多分、所有してるCDの数も最も多いはずだよ。カラヤンだけでも5,6枚は持っている。もっとかな。カラヤン以外にも聴いた実演の数やDVD、FM、テレビ放送などを合わせれば数えきれないほどだ。
トワ:そんなパパでも特にお気に入りの演奏があるんでしょ?
京太郎:そうだな、まずはやっぱりカラヤンだな。カラヤンはこの曲が特に好きなようで、何度も録音を重ねている。中でもベルリンフィルとの最後の録音は定番だろう。亡くなる前のサントリーホールでの最後の日本公演も名演だ。カラヤンにしてはめずらしく、第4楽章の最後の一振りの前にうなり声まで入っている。おそらく自身最後のブラ1と感じていたんだろう。
トワ:ミュンシュとパリ管の録音のこともよく話すよね?
京太郎:あれはカラヤンと並ぶ二大定番だな。いや、ミュンシュが最高だと言っても誰も文句は言えないだろう。
トワ:どちらも巨匠が亡くなる寸前に残した録音なのが興味深いよね。
京太郎:人間、これが最後かもしれないと思えば、火事場の馬鹿力じゃないけど、なにか普段とは別の力が出るものなんだろう。シェルヘンのベートーヴェン交響曲全集も同じようなものだと思う。
トワ:カール・ベームがウィーンフィルを振った最後の「第九」も素晴らしいからね。人類の至宝みたいなものでしょ。
京太郎:あれほどに完璧な「第九」を私は他に知らない。美しい、造形としてとても美しい。
トワ:でもU.K先生は晩年のベームは職人になってしまったと言ってたけど。
京太郎:そこだけは先生とは意見がわかれるところだ。あの至芸をただの職人技と評するのは解せない。むしろ巨匠が何年もかけて培ってきた指揮者としての技術、知識、経験などが理想的な形で一曲に表現された至芸だと思う。
トワ:先生はカラヤンのこともあまりよく言わなかったよね。とかくきれいごとに堕するとか…
京太郎:これもまた意見の分かれるところだ。私はカラヤンほどの音の天才、サウンドの天才はいないと思う。事実かは知らないがフルトヴェングラーはカラヤンの才能を恐れて、早くから芽が出ないように阻止したとも聞くが、本当だとしたら誰よりカラヤンの才能を見抜いていていたんだと思う。結果、フルトヴェングラーの死後、ベルリンフィルを長年にわたり率いたのは他ならぬカラヤンだった。
トワ:ブラ1と言えばU.K先生もアンサンブルSAKURAと怪演を残してるよね。最初にパパのCDを借りて聴いた時、かなり衝撃を受けたのを覚えてるよ。
京太郎:第4楽章コーダの突然のピアニッシモだな。あれは私も一瞬「???」が止まらなかった。でも少し経って「先生らしいなぁ」とニンマリしたよ。あんな演奏は後にも先にも先生だけだろう。
トワ:関係者の方に直接電話して、プライベートなCD-Rを分けていただいたんでしょ? レアも言ってたけど、パパはほんとに先生の熱心なフォロワーだよね。
京太郎:そうだな。評論家としてより、もっと演奏家として愛していたのかもしれない。「切れば血が出るような」演奏を自ら実践されていた方だった。
トワ:パパがこんなだから、私も知らずにU.K先生の影響を受けてる気がするんだよね。ベートーヴェンの「英雄」とか、先生のスタイルが自分の中のスタンダードになってたかもしれないって、この前歩きながらふと思ったんだ。
京太郎:トワも私と同じように、あの「英雄」を目の前で観て聴いていたら、指揮者としての在り方も違っていたかもしれない。トワが聴いていたCDの録音には、あの日の凄さの十分の一も収まっていない、くどいようだが。
トワ:音楽はやっぱりライブだよね。クラシックに限らずロックでもポップスでもみんな一緒だと思う。その場の空気とか振動とかはCDには収まらないよね。
京太郎:振動っていうのはたしかにあるな。そしてとても大事なことだ。多分、音楽は耳だけで聴くものではないと思う。体全身で感じるものだ。客席でもたれた椅子からも確実に振動は伝わっているはずだ。
トワ:やっとコロナも明けたことだし、今は暑くて大変だけどできるだけコンサートの会場に足を運んで、生の演奏の響きを体感してほしいよね。
京太郎:その通り。そうすれば、その日、その時だけの演奏と感動が、アーティストとオーディエンスの間に生まれるはずだから。
(次回へ続く)
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ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68 第1楽章 [2023]
Johannes Brahms:Symphony No.1 in C minor, Op.68
1. Un poco sostenute - Allegro [15:06]
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Brahms-Symphony-No1-1st-2023.mp3
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ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68 第2楽章 [2023]
Johannes Brahms:Symphony No.1 in C minor, Op.68
2. Andante sostenuto [9:14]
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▼オーケストラに新加入した楽団員たち
129 つのエピソード
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こんにちは。
CMSLシンフォニックオーケストラの主席指揮者アンドウトワです、コンマスの風華レアです。
そして「トワ子の窓」には早くも二度目の登場です。
こんにちは、アンドウトワの父親の安藤京太郎です。妹のアンドウミワです、よろしくお願いします。
トワ:さて、今回はいよいよ待望のブラームス「交響曲第1番」です。私がずっと演奏したかった曲で、オケの立ち上げから数か月を経て、ようやくみなさんにお聴かせできることになりました。
レア:やっとですね、本当はオケの最初のプログラムでやりたがってましたからね、トワさんは。
トワ:そう。だのにガロ理事長は第4番のほうが私に合っていると言って、初っ端から短調で締めくくるという、私としては不本意な形になっていました。
京太郎:ブラ1と聞いたら黙っていられなくて、図々しくもまた来てしまいました。
トワ:パパは私と同じでかなり熱心なブラ1のフリークだもんね。
京太郎:そう、多分、所有してるCDの数も最も多いはずだよ。カラヤンだけでも5,6枚は持っている。もっとかな。カラヤン以外にも聴いた実演の数やDVD、FM、テレビ放送などを合わせれば数えきれないほどだ。
トワ:そんなパパでも特にお気に入りの演奏があるんでしょ?
京太郎:そうだな、まずはやっぱりカラヤンだな。カラヤンはこの曲が特に好きなようで、何度も録音を重ねている。中でもベルリンフィルとの最後の録音は定番だろう。亡くなる前のサントリーホールでの最後の日本公演も名演だ。カラヤンにしてはめずらしく、第4楽章の最後の一振りの前にうなり声まで入っている。おそらく自身最後のブラ1と感じていたんだろう。
トワ:ミュンシュとパリ管の録音のこともよく話すよね?
京太郎:あれはカラヤンと並ぶ二大定番だな。いや、ミュンシュが最高だと言っても誰も文句は言えないだろう。
トワ:どちらも巨匠が亡くなる寸前に残した録音なのが興味深いよね。
京太郎:人間、これが最後かもしれないと思えば、火事場の馬鹿力じゃないけど、なにか普段とは別の力が出るものなんだろう。シェルヘンのベートーヴェン交響曲全集も同じようなものだと思う。
トワ:カール・ベームがウィーンフィルを振った最後の「第九」も素晴らしいからね。人類の至宝みたいなものでしょ。
京太郎:あれほどに完璧な「第九」を私は他に知らない。美しい、造形としてとても美しい。
トワ:でもU.K先生は晩年のベームは職人になってしまったと言ってたけど。
京太郎:そこだけは先生とは意見がわかれるところだ。あの至芸をただの職人技と評するのは解せない。むしろ巨匠が何年もかけて培ってきた指揮者としての技術、知識、経験などが理想的な形で一曲に表現された至芸だと思う。
トワ:先生はカラヤンのこともあまりよく言わなかったよね。とかくきれいごとに堕するとか…
京太郎:これもまた意見の分かれるところだ。私はカラヤンほどの音の天才、サウンドの天才はいないと思う。事実かは知らないがフルトヴェングラーはカラヤンの才能を恐れて、早くから芽が出ないように阻止したとも聞くが、本当だとしたら誰よりカラヤンの才能を見抜いていていたんだと思う。結果、フルトヴェングラーの死後、ベルリンフィルを長年にわたり率いたのは他ならぬカラヤンだった。
トワ:ブラ1と言えばU.K先生もアンサンブルSAKURAと怪演を残してるよね。最初にパパのCDを借りて聴いた時、かなり衝撃を受けたのを覚えてるよ。
京太郎:第4楽章コーダの突然のピアニッシモだな。あれは私も一瞬「???」が止まらなかった。でも少し経って「先生らしいなぁ」とニンマリしたよ。あんな演奏は後にも先にも先生だけだろう。
トワ:関係者の方に直接電話して、プライベートなCD-Rを分けていただいたんでしょ? レアも言ってたけど、パパはほんとに先生の熱心なフォロワーだよね。
京太郎:そうだな。評論家としてより、もっと演奏家として愛していたのかもしれない。「切れば血が出るような」演奏を自ら実践されていた方だった。
トワ:パパがこんなだから、私も知らずにU.K先生の影響を受けてる気がするんだよね。ベートーヴェンの「英雄」とか、先生のスタイルが自分の中のスタンダードになってたかもしれないって、この前歩きながらふと思ったんだ。
京太郎:トワも私と同じように、あの「英雄」を目の前で観て聴いていたら、指揮者としての在り方も違っていたかもしれない。トワが聴いていたCDの録音には、あの日の凄さの十分の一も収まっていない、くどいようだが。
トワ:音楽はやっぱりライブだよね。クラシックに限らずロックでもポップスでもみんな一緒だと思う。その場の空気とか振動とかはCDには収まらないよね。
京太郎:振動っていうのはたしかにあるな。そしてとても大事なことだ。多分、音楽は耳だけで聴くものではないと思う。体全身で感じるものだ。客席でもたれた椅子からも確実に振動は伝わっているはずだ。
トワ:やっとコロナも明けたことだし、今は暑くて大変だけどできるだけコンサートの会場に足を運んで、生の演奏の響きを体感してほしいよね。
京太郎:その通り。そうすれば、その日、その時だけの演奏と感動が、アーティストとオーディエンスの間に生まれるはずだから。
(次回へ続く)
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ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68 第1楽章 [2023]
Johannes Brahms:Symphony No.1 in C minor, Op.68
1. Un poco sostenute - Allegro [15:06]
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ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68 第2楽章 [2023]
Johannes Brahms:Symphony No.1 in C minor, Op.68
2. Andante sostenuto [9:14]
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▼オーケストラに新加入した楽団員たち
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