日本の夏コロナ

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今日は日本の夏コロナという話です。もう随分長いこと毎日のように新型コロナウイルスの話をしているので、いくつかの重要ポイントについて質問してみようかと思います。１つ目は、現在感染者という言葉を知っていますか？　累積感染者マイナス累積死者マイナス累積回復者を、現在感染者数といいます。現在感染者数が４月の末に１万人くらいになり、７～８月位に２番目のピークが来ました。１万４千人位になった後、９月26日時点での現在感染者数は5,500人くらいまで減っています。そういう意味で、８月のピークの半分くらいに減ってきたのです。 ２つ目の質問ですけど、日本の死者は９月26日時点で1,546人ですが、世界やアメリカではどのくらい死亡しているかご存知ですか？　あまり色々な数字が出て来るので、数字は覚えていないでしょう。日本は1,500何人というところで、世界は100万人くらい死亡していて、アメリカが20万人くらいです。 ３つ目の話として、10月１日から３ヶ月以上の長期滞在者を日本は受け入れるが、短期の観光客は受け入れないというのが現状です。2019年で３ヶ月以上の長期滞在者は59万人くらいいた一方で、短期の観光客として来る人は2,781万人と50倍くらいいるのです。今回の３ヶ月以上の長期滞在者を受け入れて一日当たり大体千人くらいまでとか言っているのですが、今ＰＣＲ検査を空港でどのくらいやっているかというと、一日当たり千件とか二千件くらい。それが長期滞在者用だとすると、短期観光客を受け入れる為にはその50倍くらいの検査を空港でできないと受け入れられないので、結構ハードルが高いという事です。 今回コロナは、日本でも欧米でも４月が最初のピークでした。日本の実質ＧＤＰ成長率はかなりやられました。この時、色々な数字が出て来るのですけれども、前期比や前年同期比があり、これはどう違うか分かりますか？　前年同期比は前の年の同じ時期と比較したもので、前期比は一つ前の期と比べてという事です。前年同期比で４月から６月にかけてプラスになったのは、中国くらいです。後はみんな前年同期比にするとあまりにひどくなるので、前期比で発表しています。元に戻るまでには数年かかるみたいなことを言いながら、とりあえず前期比でどのくらい落ちたかというと、日本の場合は４月から６月は１月から３月に比べると27.8％落ちました。何か数字が出た時に、前期比の話なのか前年同期比の話なのか、それから３ヶ月の話をしているのか年の話をしているのかということで数字が全然違ってくるので、注意が必要です。本当は前年同期比で比較するのですけど、前年同期比はあまりにみっともなくて出せないので、前期比でみんな出しているわけです。中国は前年同期比がプラスになりましたが、2020年で言うと、ざっくり言うとみんな大体５％マイナスくらいの見込みです。実質ＧＤＰ成長率の落ち込みは必ずしも感染者数の大きさに比例しているわけではなくて、感染者数がどのくらいでも同じくらいロックダウンしたり休業要請をやったりするので、結局みんな同じくらい下がるのです。 次に、企業への影響です。休業要請を出し、失業させたらいけないという事で、日本は雇用調整助成金を出して休業要請を支援するという事をやりました。しかし、アメリカは要らないと思うとすぐにクビにする国です。３月に4.4％だった失業率が４月に14.7％まで一気に上がったのです。ところが、日本は失業させないために休業させて休業手当をちゃんと払ってと言って、雇用調整助成金を出しました。ヨーロッパも日本と同じく失業させないパターンですが、ヨーロッパは日本よりも失業率は随分高く、７％台がヨーロッパの失業率です。ヨーロッパの３月は7.4％、4月は7.3％。アメリカと違って日本もヨーロッパも失業させないのですが、アメリカの場合は失業させて、失業した人に払います。 余りに毎日コロナの話が出ているので、その中で何が重要なのかという幾つかのキーポイントを眺めないと情報の渦に巻き込まれてしまって、何の話をしているのか分からなくなってしまいます。現在感染者は重要です。今どのくらいいるかによって、病院がどのくらいいっぱいになっているのかの話になってくるので、結構増えたように見えても結構回復して病院が結構空いているようだったら、そんなに危機でもないのです。そういう意味で、いつも見ている数字が一体何なのかということは結構重要です。 今日のまとめです。もう中国はＶ字回復しましたけど、中国以外はどこもＶ字回復しないでＬ字回復状況なので、経済がコロナ前に戻るまでゆっくりと廻さないといけません。日本は安倍総理が退任して菅総理が少なくとも来年の９月迄は対処することになっているという状況です。