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イノベーションのアネクトード(逸話)2:赤の女王

 
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「イノベーション」という現象の不思議さや面白さを反映しているような逸話をお話しするシリーズです。 今日は、「赤の女王」というエピソードを紹介します。イギリスで出版されたイノベーション論のテキストで、「マネージングイノベーション」という本があります。日本語版では「イノベーションの経営学」というタイトルで販売されています。その第一章は、ルイス・キャロルの鏡の国のアリスの引用から次のように始まります。 "赤の女王は言いました。ここでは同じ場所に留まるだけでも必死に走らなければならないの。そしてどこか他所へ行くつもりなら、せめてその倍の速さで走らないとね。" 鏡の国に迷い込んだ主人公のアリスに向かって、トランプのハートのクィーンが言うセリフですが、生き残るためには進化し続けなければならないという意味です。いつも全力で革新活動に取り組まないと今のポジションは維持できない。もし新しいこと、つまりイノベーションで成功しようと志すならば、全力のそのまた倍のスピードで走らないといけないという意味です。そうやって前のめりに走るひとが増えると、変化のスピードはさらに増してもっと前のめりに走らなくてはならない。つまり、競争はどんどん激しくなります。これがイノベーションの活発な社会の姿です。そうした熾烈な競争を経て経済は成長して、社会は豊かになっていきます。 競争がどんどん熾烈になるということは、敗者がどんどん増えるということでもありますし、また誰もが敗者になり得る状態とも言えます。こういう話をすると、若い学生の中には「イノベーションは止めにしましょう。弱い者も豊かに暮らせる社会の方が良いですよね」と言う方もいます。しかし、ここで忘れてはいけないのは、「イノベーション」とは確かに熾烈な競争を呼びますが、その成果は社会の人々、特に弱い人たちを豊かにしてきたという点です。この点については、イノベーション研究の元祖であるシュンペーター氏もはっきりと指摘しています。シュンペーター氏が生きた時代は19世紀の終わりから20世紀の前半ですが、この時代は電灯が普及したり、あるいは大量生産により物の値段が安くなり始めたりした時代でした。 "そうした時代、電灯が普及しても元々蝋燭が沢山買えて部屋が煌々と明るかったお金持ちの暮らしはそれほど変わりませんでした。むしろ、それまで蝋燭が充分に買えなかったような貧しい家庭がたった一個の電灯で明るくなりました。また、大量生産というイノベーションによって絹のストッキングの値段が下がりましたが、女王陛下の暮らしは変わりませんでした。むしろ、それまで絹のストッキングなど履いたこともないような貧しい女性たちが絹の靴下を買えるようになりました" シュンペーター氏は上記のように述べています。「赤の女王」のエピソードから分かるように、イノベーションが盛んな社会というのは競争が競争を呼ぶ熾烈な社会です。誰もが敗者になり得るような厳しい状況です。しかし、その一方でイノベーションは貧しい者、弱い者にこそ恩恵をもたらしてきたということも事実です。 では、私たちはイノベーションという一種「創造的破壊」とどのように付き合っていけば良いのでしょうか。これは私自身の個人的な考えですが、熾烈な競争の嵐が吹き荒れる様なイノベイティブな状況を作りたければ、逆説的ですが誰にでも優しいぬるい社会にするのが早道だと考えています。 失敗は誰にでもあるよ、少し羽根を休めたら良いよ、充分に休息したら失敗を糧にしてまたチャレンジしようよ、応援しているよと誰にでも言ってあげられるような社会システムがあると、若い人たちはアニマルスピリットを呼び覚まして熾烈な競争の中でも恐れずに進み、イノベーションに取り組むのではないかと考えています。 反対に、過去の実績を厳しく問う社会は問題だと感じています。若い企業家に「実績はあるのか」と問えば、イノベーションはいとも簡単に潰れてしまいます。 イノベーション自体は熾烈な競争、熾烈な社会ではありますが、その中でどういう風に導いていくかというと、厳しい社会の中で志を潰してしまうような圧力を掛けてしまっては、イノベーションは起きていかないと思っています。厳しい社会の中にいるからこそ休む家が必要で、皆が見守ってくれる状況が必要だと私は思います。「赤の女王」の逸話で分かるように、イノベーションを志す人や企業は、全力疾走のそのまた倍のスピードで走らなくてはなりません。そうした覚悟、志を持つ人達を暖かく包み込む、そんな仕組みこそがイノベイティブな社会を育むのだと私は考えています。 では、今日のまとめです。 イノベーションを志す人や企業は、全力疾走のそのまた倍のスピードで走るために競争が熾烈となります。そして敗者の数も増えていきます。だけれども、歴史的にイノベーションとは弱い者に恩恵を与えてきたことから、イノベーションの活動を止めるわけにはいきません。敗者を暖かく包み込むような仕組みを作ることで、若い人のアニマルスピリットを奮い立たせ、イノベーションが活発な社会が実現していきたいと考えています。
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