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株価は美人投票と言われる理由

 
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今日は、「株価は美人投票だ」というお話です。 これは経済学者であるケインズの言葉です。 「美人投票」は、当時優勝した候補者に投票した審査員も賞品をもらうことができたため、審査員の考える事が今とは異なります。今の審査員は、単純に自分が「美人だ」と思った候補に投票するだけですが、当時の審査員は自分が「美人だ」と思った候補ではなく、「勝ちそうな候補」に投票する方が得でした。そのため、壇上の候補者を見るよりも、他の審査員の噂話に耳を傾けていました。 「候補Cが審査員に賄賂を配っているらしいから、Cが勝つだろう」という噂を聞いたとすれば、Cに投票する方が得になります。たとえCが美人でなかったとしても、Cから賄賂をもらった審査員がCに投票するとすれば、Cが勝つわけですから、Cが美人かどうかはこの際重要ではありません。 ケインズは、「株式投資」もその「美人投票」と同じであると述べています。 例えば、「銘柄Dが値上がりしそうだ」という噂が流れているとすれば、投資家たちはDに買い注文を出すでしょうから、Dは実際に値上がりすることが見込めます。そのため、結果的に噂を信じてDを買っておいた方が得というわけです。 ここで面白いのは、「噂が間違いであっても構わない」という事です。 たとえ候補者Cが実際には賄賂を配っていなかったとしても、審査員たちが噂を信じてCに投票するならば、Cが勝つわけです。 では、仮にCの親友が審査員だとして、Cが賄賂を配っていないことを知っていたらどうすべきでしょうか。 「自分だけが真実を知っている」などと自己満足していても仕方ありません。Cが勝つわけですから、真実を知っていたとしてもCに投票した方が得なのです。 では、実際に「美人投票」を利用して私が儲けた話をしましょう。 アベノミクスの最初の頃の話です。黒田日銀総裁が就任して、『大胆な金融緩和をするから世の中に資金が出回って株価が上がるだろう』という記者会見をしました。 私は元銀行員ですから、世の中に資金が出回らない事を知っていました。日銀の金融緩和というのは、銀行の持っている国債を日銀が買う事です。それによって銀行は日銀から札束を受け取るわけですが、その札束を借りてくれる企業がみつからないのです。当然、赤字の会社は借りたいでしょうが、銀行が貸したい会社は借りてくれません。借りてくれる企業がたくさんあるならば、そもそも銀行は国債を買わずに貸し出しをしているはずです。 そこで銀行は、日銀から受け取った札束を日銀に送り返して貯金してしまうため、世の中に札束は出回らないのです。つまり、黒田総裁が言っている事は正しくありません。株価が上がる理由はないのです。 では、そこで私はどうしたでしょう。黒田総裁が「株は上がる」と言っているけれども、その理屈は間違えているわけですから、買わないという事も当然考えましたが、結局買いました。銀行員以外の人は、黒田総裁の話を信じて株を買うでしょう。そうすれば株価は上がるでしょう。それなら、銀行員も元銀行員も株を買った方が得だと考え、私も株を買ったわけです。 ケインズの美人投票という話を知っていたため、自分は間違いだと知っていることでも、他の投資家たちが信じている可能性があるならば、自分もそれを信じたふりをして他の投資家たちと同じことをした方が得だと考えたのです。当然、他の投資家が買うよりも先に買う必要があるわけですが、結果として株式投資で儲けることが出来ました。 医者の世界では、患者に「薬」と言って「小麦粉」を渡すと病気が治ってしまう事があるようです。これを「偽薬効果」と呼ぶそうです。 黒田総裁も、本来は効果が無いはずの金融緩和を「効果抜群です」と記者会見したことで株価が上がり、日本経済が元気になってしまったわけです。これは「経済の偽薬効果」と呼んで良いでしょう。黒田総裁は日本経済の病気を小麦粉で見事に治した名医だというわけです。  今日お話しした「株価が美人投票」というのは、短期投資の場合の話です。株を買って10年持っているつもりの人は、人々の噂を聞くよりも、会社のことをしっかり調べるべきでしょう。人の噂も75日と言いますから、今人々が信じている噂も、75日経てば株価に影響しなくなります。そういった話を参考に長期投資することは気をつけてください。  それでは、今日のまとめです。 株価は美人投票なので、他の投資家たちの噂をよく聞いて、他の投資家が買いそうな銘柄を他の投資家よりも先に買うと儲けやすいです。
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