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第三百五話『ひとりを楽しむ』-【東京篇】小説家 永井荷風-

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日和下駄とこうもり傘で東京の下町をくまなく歩き、街のうつろいを40年に渡り、日記にしたためた文豪がいます。
永井荷風(ながい・かふう)。
荷風は、その日記『断腸亭日乗』を亡くなる前日まで書き続けました。
激動の世相をとらえ、戦時中は、防空壕の中でも筆を走らせたと言われています。
独特のユーモアとペーソス。
何より自由な荷風のものの見方、文体は、今も多くの読者を魅了しています。
文京区春日に生まれた彼の筆塚が、荒川区南千住の寺にあります。
通称、三ノ輪の投げ込み寺「浄閑寺」。
吉原の遊女が眠るこの寺に、荷風の詩碑があるのは、彼が花柳界を愛したことに起因しています。
『断腸亭日乗』を書き始めた37歳のときから、彼は、独身を謳歌し、自由であることを最大のテーマに掲げました。
「この世で最も強い人間とは、孤独であるところのひとである」
というイプセンの言葉を実践するように、荷風は、弟子に「ひとりぼっちで寂しくないですか?」と問われると、こんなふうに答えました。
「あなたは、老人のひとりぐらしを見て気の毒がるかも知れないが、ぼくはひとりで暮らしていても、自由という無二の親友と一緒にいるということを見抜いてくれなきゃ困りますぜ」
広津柳浪や森鴎外に師事し、文学を学び、アメリカやフランスで遊学。
慶應義塾大学文学部の主任教授になり、『三田文学』を創刊。
谷崎潤一郎や泉鏡花のデビューの後押しをした稀代の知識人は、世間に軽蔑されることを厭わず、とにかく自由であることを守り続けたのです。
「ひとの顔色ばかりうかがって、大切なものを見失うなよ」
荷風は、ひとりを楽しむことを、己の生涯を賭けて推奨したのかもしれません。
作家・永井荷風が人生でつかんだ、明日へのyes!とは?
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荷風は、その日記『断腸亭日乗』を亡くなる前日まで書き続けました。
激動の世相をとらえ、戦時中は、防空壕の中でも筆を走らせたと言われています。
独特のユーモアとペーソス。
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文京区春日に生まれた彼の筆塚が、荒川区南千住の寺にあります。
通称、三ノ輪の投げ込み寺「浄閑寺」。
吉原の遊女が眠るこの寺に、荷風の詩碑があるのは、彼が花柳界を愛したことに起因しています。
『断腸亭日乗』を書き始めた37歳のときから、彼は、独身を謳歌し、自由であることを最大のテーマに掲げました。
「この世で最も強い人間とは、孤独であるところのひとである」
というイプセンの言葉を実践するように、荷風は、弟子に「ひとりぼっちで寂しくないですか?」と問われると、こんなふうに答えました。
「あなたは、老人のひとりぐらしを見て気の毒がるかも知れないが、ぼくはひとりで暮らしていても、自由という無二の親友と一緒にいるということを見抜いてくれなきゃ困りますぜ」
広津柳浪や森鴎外に師事し、文学を学び、アメリカやフランスで遊学。
慶應義塾大学文学部の主任教授になり、『三田文学』を創刊。
谷崎潤一郎や泉鏡花のデビューの後押しをした稀代の知識人は、世間に軽蔑されることを厭わず、とにかく自由であることを守り続けたのです。
「ひとの顔色ばかりうかがって、大切なものを見失うなよ」
荷風は、ひとりを楽しむことを、己の生涯を賭けて推奨したのかもしれません。
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