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第三百九十五話『他人と違う自分を大切にする』-【福島篇】作家 横光利一-

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志賀直哉と共に「小説の神様」と呼ばれる、福島県生まれの文豪がいます。
横光利一(よこみつ・りいち)。
小説家の辻邦生(つじ・くにお)は、文章修業時代に、名立たる先人の作家の中で、唯一、横光の文体だけを模写して学んだと言います。
戦時中の戦争協力を非難され、一時、文壇から排除される運命にさらされましたが、のちに再評価運動が勃発。
特に『機械』は、新感覚派の小説として、今も多くの文人の心をとらえています。
それにしても、同時代の川端康成や、菊池寛、芥川龍之介に比べ、圧倒的に知名度が低いのは何故なのでしょうか?
そこには、おそらく、横光の「他のひとと違う己を大切にする」という信条があったからかもしれません。
彼は決してひとを信用せず、己の心を見せることもせず、ひたすら孤独の中にいました。
「理解できないやつは、理解しなくていい…」
そんなつぶやきが、彼の創作活動の原点だったのです。
早稲田大学英文科の同窓生、作家の村松友視(むらまつ・ともみ)の祖父、村松梢風(むらまつ・しょうふう)によれば、横光は、いつも和服に黒マント。
授業に出ても、瞑想してノートもとらない。
獅子がたてがみを振るように、長い髪をぶるっとゆさぶり、左右をにらみながら、右手で髪をかきあげたと証言しています。
その姿は、異様。
自分はおまえらと違うんだという自意識に、周囲の学生は扱いに困っていたそうです。
その背景には、横光の幼少期の体験があるのかもしれません。
父は鉄道工事の技術者。
おびただしい転勤に、家族は振り回されます。
横光も、福島を皮きりに、千葉県の佐倉市、東京の赤坂、山梨、三重、広島、滋賀と、各地を転々としたのです。
途中で友だちをつくるのは、諦めました。
どこにいっても、ひとり。
どうせ、ひとり。
だったら、ひとと違う自分を大切にしよう、どうせ、誰も大切にしてくれないのだから。
絶えず貧困にあえぎ、49歳で生涯を終えた孤高の作家・横光利一が人生でつかんだ、明日へのyes!とは?
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戦時中の戦争協力を非難され、一時、文壇から排除される運命にさらされましたが、のちに再評価運動が勃発。
特に『機械』は、新感覚派の小説として、今も多くの文人の心をとらえています。
それにしても、同時代の川端康成や、菊池寛、芥川龍之介に比べ、圧倒的に知名度が低いのは何故なのでしょうか?
そこには、おそらく、横光の「他のひとと違う己を大切にする」という信条があったからかもしれません。
彼は決してひとを信用せず、己の心を見せることもせず、ひたすら孤独の中にいました。
「理解できないやつは、理解しなくていい…」
そんなつぶやきが、彼の創作活動の原点だったのです。
早稲田大学英文科の同窓生、作家の村松友視(むらまつ・ともみ)の祖父、村松梢風(むらまつ・しょうふう)によれば、横光は、いつも和服に黒マント。
授業に出ても、瞑想してノートもとらない。
獅子がたてがみを振るように、長い髪をぶるっとゆさぶり、左右をにらみながら、右手で髪をかきあげたと証言しています。
その姿は、異様。
自分はおまえらと違うんだという自意識に、周囲の学生は扱いに困っていたそうです。
その背景には、横光の幼少期の体験があるのかもしれません。
父は鉄道工事の技術者。
おびただしい転勤に、家族は振り回されます。
横光も、福島を皮きりに、千葉県の佐倉市、東京の赤坂、山梨、三重、広島、滋賀と、各地を転々としたのです。
途中で友だちをつくるのは、諦めました。
どこにいっても、ひとり。
どうせ、ひとり。
だったら、ひとと違う自分を大切にしよう、どうせ、誰も大切にしてくれないのだから。
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