第百八十二話『自分が自分であることを喜ぶ』−芸術家 サルバドール・ダリ−

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グニャグニャに溶ける時計の絵を見たことがありますか?
重力に逆らうようにくるんと両端が上に曲がった、奇妙な口ひげの男を知っていますか?
日常を一瞬で非日常に変えてしまう、シュールレアリスムの巨匠、サルバドール・ダリ。
ダリが亡くなって、今年、30年になります。
ダリのコレクションで知られる、福島県の「諸橋近代美術館」では、4月20日から開館20周年の企画展としてダリの特別展を開催します。
常識をぶち壊す、彼の絵画の在りようがつぶさにわかる展示になると、今から注目が集まっています。
柔らかい時計は、時間に縛られている我々現代人への警鐘なのでしょうか。
いえ、もしかしたら、ダリはダリ自身のためだけに絵を画いたのかもしれません。
ダリの強い自己顕示欲は、彼のこんな言葉に現れています。
「私は、毎朝目を覚ますたびに、喜びで体がふるえる。どんな喜びなのかって? それは、私がサルバドール・ダリだという喜びだよ。このサルバドール・ダリという男が、今日一日いったい何をしでかすのか、心からワクワクするんだ」
彼は、天才を演じ切れば天才になれると信じていました。
「ボクなんかしょせん…」とか「どうせ頑張ったって…」とかいうひとを、心の底から軽蔑しました。
「自分のやることを愛せないやつが、他に何を愛せるっていうんだい? 教えてくれよ」
挑戦的なまなざしは、絵画にも投影されています。
彼は、ただの誇大妄想狂だったのでしょうか?
ただひとを挑発するだけの奇人だったのでしょうか?
ひとつだけ言えるとすれば、彼は彼自身を愛さなくてはならない事情があったのです。
唯一無二の芸術家、サルバドール・ダリが人生でつかんだ、明日へのyes!とは?

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