第百七十五話『自分を見つめ続ける』-【東京篇】画家 エドバルド・ムンク-

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1月20日まで東京・上野の東京都美術館で開催されている『ムンク展―共鳴する魂の叫び』には、多くのひとたちが足を運び、去年12月には来場者が30万人を越えました。
ノルウェー生まれの画家、エドバルド・ムンク。
彼の名を世界に知らしめたのは、『叫び』という作品でしょう。
『叫び』には、パステル画が2点、油彩画、リトグラフ、テンペラ画がそれぞれ1点ずつの、計5つのパターンがあります。
今回そのテンペラ画の『叫び』が、日本初上陸を果たしました。
ムンクは、自分の作品が人手にわたるのを好みませんでした。
彼が亡くなったあとは、所有作品全て、故郷ノルウェーのオスロ市に寄贈され、今回のムンク展もオスロ市ムンク美術館の全面協力がなければ実現しませんでした。
今回の展覧会でひときわ目を引くのが、自画像です。
ムンクは、若い頃から亡くなる寸前まで、自画像を描き続けました。
自画像を描くために、セルフタイマーで自分の写真を撮るのを日課にしていたと言われています。
コンパクトカメラを手に入れると、手を伸ばして自分を撮る、いわゆる“自撮り”を繰り返しました。
女性関係やアルコール依存で苦しんでいた頃に画いた『地獄の自画像』は、燃えたぎる赤い焔と黒い影の前に裸で立つムンクがいます。
赤裸々に自身を描くことで、彼は人間の内面を、そして社会や人生の理不尽を表現しました。
何よりテーマにしたのは、「死」です。
晩年の『皿にのった鱈(たら)の頭と自画像』には、恐ろしいどくろの顔をした鱈を、ナイフとフォークで食べようとするムンクが描かれています。
鱈は、「死」の象徴でしょうか。
それを食べつくす。
彼が到達した境地なのかもしれません。
どんなときも常に自分を見つめ続けることをやめなかった孤高の画家 エドバルド・ムンクが、人生でつかんだ明日へのyes!とは?

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