第二百十四話『6割現実を楽しみ、4割理想のために闘う』-【香川篇】作家・実業家 菊池寛-

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芥川賞と直木賞をつくった男。菊池寛(きくち・かん)。
彼の故郷は、現在、瀬戸内国際芸術祭2019で沸く香川県高松市です。
高松市にある菊池寛記念館では、『父帰る』や『恩讐の彼方に』、ベストセラーになった『真珠夫人』を書いた、作家としての彼の足跡を追うことができます。
また文藝春秋社設立や、映画会社「大映」の初代社長といった、菊池の実業家としての一面も紹介されています。
さらに圧巻は、歴代の芥川賞、直木賞受賞者のコーナー。
後進を育てようとした菊池の願いが、その展示に現れています。
高松市の中心部に位置する天神前は、菊池寛の生家があった場所で、ここに面する道は“菊池寛通り”と呼ばれています。
通りを隔てた向かい側にある高松市立中央公園内には「菊池寛 生家の跡」と記された顕彰碑があり、そこには、彼が座右の銘としていた言葉が刻まれています。
「実心ならざれば事成さず 虚心ならざれば事知らず」。
まことの心がなければ、何かを成し遂げることはできない。
現実に惑わされない、わだかまりのない心がなければ、真実に近づくことはできない。
この言葉こそ、菊池の生き方を象徴しています。
現実と理想。
エンターテインメントと純文学。
社会的な成功と、世に媚びない芸術活動。
ともすれば相反する二つの世界を軽々と行き来する菊池の姿は、今も私たちに人生の生き方を教えてくれます。
彼はこんな言葉を残しました。
「人間は生きている間に、充分仕事もし、充分生活もたのしんで置けば、安心して死なれるのではないかと思う」。
作家にして実業家、菊池寛が人生でつかんだ、明日へのyes!とは?

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