第二百四十七話『感謝の心で生きる』-【愛媛篇】俳人 種田山頭火-

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愛媛県の松山を終の棲家に選んだ、自由律俳句の俳人がいます。
種田山頭火(たねだ・さんとうか)。
今年、没後80年。
放浪の果てに広島から船に乗った山頭火は、瀬戸内海の夕陽を浴び、四国の地、松山を目にしてこう思いました。
「僕の死に場所は、ここしかない」
『酒飲めば 涙ながるゝ おろかな秋ぞ』
そう詠んだ山頭火は、広島で医者にみてもらいます。
病状はかんばしくありません。
心臓の衰弱。
聴診器からは木枯らしのようにヒューヒューと弁膜の悲鳴が聞こえます。
「僕の病は、申し分ないのですね」
山頭火が言うと、医者はこう返しました。
「あんたは、これまで旅を続け、酒をあおり、句を詠み、好き勝手に生きてきたんだから、いつ死んでも後悔はなかろう」
「はい、後悔はありません。ただ、これ以上ひとさまに迷惑はかけたくないので、ころり往生を願うばかりです」
愛媛の松山では友人たちが、山頭火が棲む庵を探してくれました。
御幸寺山の麓、寺の山門の近くの一軒家。
山頭火はここを、ひとつの草の庵、「一草庵」と名付けました。
『おちついて 死ねさうな草枯るる』
『おもひでがそれからそれへ 酒のこぼれて』
彼は亡くなる前、心が澄んでいくのを感じました。
何も持たず生まれてきて、何も持たず死んでいく。
そして、日記にこう記しました。
「芸術は、誠であり、信である。誠であり、信であるものの最高峰である感謝の心から生れた芸術であり句でなければ本当に人を動かすことは出来ないであらう」
孤高の俳人、種田山頭火が人生でつかんだ、明日へのyes!とは?

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