第百八十八話『旅することをやめない』-【宮崎篇】歌人 若山牧水-

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宮崎県北東部、太平洋に面した日向市。
古くから廻船問屋として栄え、海上交通の要としてにぎわったこの街に、ある有名な歌人が生を受けました。
若山牧水。
彼の生家の近くにある「牧水公園」では、ちょうどツツジが見ごろを迎えようとしています。
色鮮やかな、およそ3万本の圧倒的なツツジが、訪れるひとの目を楽しませてくれます。
その光景を見て「牧水ならどんな歌を詠んだだろう」と想像するのも、旅の楽しみのひとつです。
『幾山河 越えさりゆかば 寂しさの はてなむ国ぞ けふも旅ゆく』
牧水ほど、旅を好んだ歌人はいませんでした。
全国に作られた彼の歌碑は、およそ300と言われていて、その数は松尾芭蕉をも越えています。
旅は、人生。人生は、旅。
何か心に問題を抱えるたびに、あるいは詩作のヒントを得るために、彼は旅を続けました。
『けふもまた こころの鉦を うち鳴らし うち鳴らしつつ あくがれて行く』
「あくがれて行く」の「あくがれ」とは、「あこがれ」の古い言い回しで、居所を離れてさまよう、あるいは、何かに引きつけられて心を奪われるさまを表現した言葉です。
彼は26歳のとき、こう語っています。
「私は常に思って居る。人生は旅である。我らは忽然として無窮(むきゅう)より生まれ、忽然として無窮のおくに往ってしまう。その間の一歩一歩の歩みは、実にその時のみの一歩一歩で、一度往いては再びかえらない」
わずか43年の生涯で9000首あまりの歌を残した歌人、若山牧水が人生でつかんだ、明日へのyes!とは?

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