第581回 リスケジュールの申請とつなぎ融資の活用

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この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。 今回も、この番組の管理者である、中小企業診断士の六角が、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業への、資金繰支援策についてご説明いたします。 今回は、条件変更(いわゆる、リスケジュール)を検討しているときは、どうすればよいかということについて説明したいと思います。 まず、3月6日に、金融担当大臣談話が公表され、「既往債務について、事業者の状況を丁寧にフォローアップしつつ、元本・金利を含めた返済猶予等の条件変更について、迅速かつ柔軟に対応し、また、この取組状況を報告すること」との要請が、金融機関に対して行われました。 このことにより、かつての、中小企業金融円滑化法(モラトリアム法)が施行されていたときに近い対応が、金融機関に対して求められていると考えられます。 ちなみに、同じ談話の中では、「令和元年12月に検査マニュアルを廃止し、返済猶予等の条件変更した場合の債権の区分など、個別の資産査定を含め、民間金融機関の判断を尊重する方針としていることから、この趣旨も踏まえ、積極的に事業者支援に取り組んで頂くよう要請する」とも述べられています。 このことは、端的に述べれば、条件変更をした貸出債権への貸倒引当金の金額の算定に関しては、金融庁は口をはさまないので、積極的に条件変更の申し出に応じるようにして欲しいということでしょう。 このような金融機関への配慮も見せる一方で、条件変更の状況を金融庁に報告することを求めていることから、金融機関は、多くの場合、条件変更に応じてもらえることでしょう。 ただ、私は、必ずしも、条件変更を金融機関に依頼することが、最善であるとは考えていません。 条件変更を依頼することは、あまり手間がかからない、条件変更の承認を得るまでの時間が短いなどの利点はあるものの、自社の資金繰が改善するのは、毎月の返済額を棚上げできる範囲にとどまります。 一方、新規融資は、最長で5か年の返済据置をしてもらえるほか、元金3,000万円までは、当初3か年分を実質無利子になるなどの、大きな利点があります。 したがって、資金繰の改善にあたっては、まず、新規融資を検討することを優先すべきと思います。 ただし、時間的な猶予がない場合、金融機関に対して、セーフティネット保証等の承認が出るまで、つなぎ融資を申し込むことも可能です。 これは、4月27日に、「『新型コロナウイルス感染症緊急経済対策』を踏まえた資金繰り支援について」という書面で、金融庁と中小企業庁が、金融機関に対して、資金繰が逼迫している会社に対してはつなぎ融資を行うよう要請しており、前向きに応じてもらうことが可能と思われます。 つなぎ融資とは、時間的な猶予がない会社に対して、民間の金融機関から一時的に貸付する融資のことで、本来、利用しようとする、セーフティネット保証等の保証のついた、実質無利子融資を受けられるまでの間の資金繰にあてるものです。 このようなつなぎ融資は、一般的には禁止されていますが、今回の新型コロナウイルス感染症の影響を受けた会社への支援に関しては、信用保証付き融資での返済も認められています。 また、このつなぎ融は、日本政策金融公庫の特別貸付についても行うことができるようです。 したがって、つなぎ融資を依頼しても応じてもらえない場合に限り、条件変更を依頼するようにすべきでしょう。 なお、条件変更を依頼し、応じてもらった場合は、少なくとも1か月ごとに、売上、利益、資金残高などを金融機関に報告し、予想以上に資金繰に窮することになったときに直ちに支援をしてもらえるような体制をとっておくことが大切です。

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