お母さんのための原発資料展望(14) 鼻血・・・なにが隠されているのか?

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鼻血の問題が大きく取り上げられていて、「公害の倫理」、「低線量被曝の確率的疾病」について整理をしましたが、少し踏み込んで、この問題の裏に何が隠されているのかを明らかにしたいと思います。
原発事故の後、本来なら政府が必死になってやらなければならないことがありました。原子力予算は1年に4000億円近くあるのですから、十分に研究資金はあります。それは日本の国民の健康を守るためでもあり、今、政府が進めようとしている原発再開に政府として「合理的な判断」をするためにも必要なことです。
原発からの放射性物質の飛散状態を公表する・・・最初に100京ベクレル程度の放射性物質が飛散し、その後(現在も)、継続的に原発から放射性物質が飛散していると考えられる。スピーディは動いているのだから、時々刻々、それが危険かどうかは判断せずに、データも飛散地点もわかるので、公表するべきだが、それに話が行くことを防ごうとしている。
というのは、100京ベクレルだけで、それがもし日本人全員に降りそそいだとすると、全員が致死量の被曝を受けることになるからだ。しかし、だからこそ、みんなが心配しているのだから、「風評」ではなく、「知らなければいけないデータ」である。
放射性物質の汚染状態を公表する・・・2011年に飛散した放射性物質はセシウムのように一年で土の中に1センチずつ沈んでいく(チェルノブイリの例で、日本の場合はまだデータなし)ものや、再飛散するもの、森林から田畑などに移行するものなどがある。その状態を明らかにすることは、公害(広い環境汚染で被害が予想される)については環境省や国立環境研究所などが税金をもらっている立場から義務と言える。
また、再飛散したものが、空気中にどのぐらいの濃度で存在するか、それを呼吸した時に咽頭、肺などにどのぐらい取り込まれるかを明らかにしていく必要がある。今回の鼻血や、私が三重県の個人の測定データから三重県の汚染を推定したように、安心した生活をするには必須のものであるが、それを明らかにするのを政府や専門機関は避けている。
環境関係および原子力、放射線関係の学会や専門家は、社会的責任としても、また学術的にも、特別な計画を立てて原発による汚染の研究を進める必要がある。これはこれまで原子力を進めてきた日本、原爆を落とされた唯一の国としての日本、そして事故を起こした責任としての集団の責任があるからでもあり、さらに時々刻々、貴重なデータは失われている。
被曝による健康被害調査を実施する・・・大気汚染や水銀汚染などと同じように、政府や関係機関は公害の恐れがあるときには積極的に健康調査を実施し、その結果を報告する必要がある。被曝の場合は、甲状腺がん、急性白血病、一般のガン、遺伝性疾患などは必須だが、日本は世界にかんたる技術国であり、さらに原発を積極的に推進していたのだから、福島事故では精密なデータを取り、今後の人類の発展のために供さなければならない。
現実に、甲状腺がんは増加しており、急性白血病も増えているといわれる。これが「風評」になるのは、信頼性があり学問的に中立なデータが測定されず、公表されないことにある。
この件は厚労省や医学界にも責任がある。厚労省は政府機関ではあるが、国民の健康を守る役場でもあるので、より積極的に世界的にレベル高いデータを出すべきであり、医学界は学会として政府からは独立しているので、被曝と健康障害に関する人類の智慧を確実なものにするために、学問として、第三者として、専門家集団として、学会を上げて調査を進めるべきである。
食材の汚染を経時的に調査し、公表する・・・食材についてはよく「風評」というが、政府や学会がデータを公表しなければ、すべての情報は「風評」になる。これまで私の記憶では、政府が食材について網羅的、個別的に「ベクレル表示」をしたことがない。
つまり国民はこの3年間、「日本の食材は汚染されているが、その程度は不明」と言う状態の中にいる。「子どもに責任を持つ親」が何とか情報を得ようとするのは当然であり、政府もそのような日本の親は歓迎すべきだろう。その親はどこからデータを得ればよいのか、どうしたら子供を守ればよいのかというと政府の言う「風評」以外にはないからだ。
この世に悪人はいない、誰も法律違反はしないということなら、「政府の言うことを信じろ」ということだが、政府はすべての食材を測定していないことは事実であり、さらに流通段階での怪しげな情報は後を絶たない。この状態で「政府の言うことを信じろ」というのは具体的にどういうことを言っているのだろうか? これも隠ぺいの一つである。
鼻血という小さな問題が、漫画に描かれただけで、日本の政治家や自治体がこれほど敏感に反応するというのは、彼らの心の中に、「堂々とした考え」がないことを示している。また福島や近県の人が「被曝は安全だ」という政府の説明を信じていないことも十分に理解しているのだろう。それなら、積極的に国民の疑問を解消する方に舵を切るべきだ。
数年前、「安全、安心社会」と言われたとき、多くの人が「これからは「安全だ」と言うだけでは不十分で、「安心する状態」を作っていかなければならない」と言った。でも原発事故の後の被曝の問題では、法令で1年1ミリシーベルト以下となっているのだから、国民が具体的に1年1ミリシーベルト以下の被曝に収めるように自ら生活できるだけの情報を提供することが「安心」につながるのは当然でもある。
今回の鼻血問題は、1)表現の自由、2)公害の訴え、3)放射線のデータ隠匿、4)国民が計算できないデータ公開、5)安全安心社会、のいずれにも大きく悖るにも関わらず、大臣、首長、専門家、マスコミなど社会の指導層が単に「原発を再稼働したい」という目的以外の目的を示さずに強引に国民をバカにした言動が続いたことは残念だった。
またマスコミはSTAP事件も同じだったが、「組織が正しく、個人は間違っている」(STAPでは理研と小保方さん、鼻血は大臣や首長と作家)という前提を置いているのは報道にあるまじきことで、放送法第4条の違反でもある。
(平成26年5月14日)

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