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入職者からみた採用プロセス

 
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前回までは、企業やNPOの組織の側から採用について考えてきました。今回は、採用プロセスをもう一方の当事者である入職者の観点から考えていこうと思います。入職者というのは、職業に入る人と書きます。つまり採用される人ということですけれども、「採用する」というのはあくまで組織が主語になった観点なので、採用される側を主体と考えると入職者という表現になるとお考えください。 入職者の観点からすると、採用プロセス自体が組織を評価するための材料となります。まず、ある組織が採用活動を開始して、募集を行った時の入職者側の心理を見ていきましょう。以前、組織の採用プロセスに関してお話した際には、マーケティングなどでよく使われるAIDMAモデルが使えますとご説明しました。入職者の心理と行動を捉えるにあたっては、同じような感じですけれども、SIPSというモデルの方が適合性は高いと言われています。 こちらの最初のSは「Sympathize」、何か心に響くもの、シンパシーを感じるかという事を表しています。求人に関する情報は世の中に溢れており、入職者はそれを自分なりのフィルターを通して吟味します。このあたりが以前お話したELM(エラボレーション・ライクリフッド・モデル)でもご説明をした通り、基本的に自分に余裕があり、かつ求人が行われている組織と業務に興味を惹かれるかどうかが鍵になります。特に、ミレニアル世代やZ世代と総称される1980年代以降に生まれた人達は、給料や待遇はもちろん大事なのですが、求人を行っている組織が共感できるビジョンやミッションを掲げているか、自分がそこで行うであろう業務にやりがいが感じられるか、他には将来に向いた成長が見込めるかといった点も非常に重視されます。 次に、SIPS二番目のアルファベットであるI。これは、「Imagine」。想像力を働かせて、実際に仕事をするとどんな暮らしが待っているのかをイメージするプロセスになります。採用活動を行っている組織のビジョンやミッションに響くものを感じたら、次に入職者はそこで自分が働いたらどんな環境で、どんな人達と仕事をすることになるのか、理想として思い描いているキャリアだとか、自己成長のイメージにどれぐらい合致するものなのかという事を検討します。 三番目のプロセスは、SIPSのP、「Participate」になります。ここまでの段階で、求人中の組織に対してなんらかの共感やシンパシーを覚え、さらにそこで働くことで得られる経験だとかネットワークが自分の理想とある程度合致することがイメージ出来たら、次に入職者はその組織に対して応募をしたり、あるいはインターンシップに参加したりといった何らかの関わりを持とうとします。いわゆる採用プロセスを通して履歴書を出したり、テストや面談を受けたりするというのもこのParticipateというプロセスに含まれます。より直接的な関わりを持つことで、入職者がこれまで自分が当該組織に対して抱いていたイメージや評価が妥当なものであったかを検証するということになります。 そして、最後のSですね。これは「Share」を表します。関わりを持った結果、実際にその組織の一員となって仕事を始めるにせよ、あるいはどこか他所で仕事を探すことになるにせよ、人は自分が経験したことを何かしら発信し、自分の周りの人達に共有します。かつては、それが身の周りの親しい友人や家族にしかなされていなかったわけですよね。しかし、近年ではSNS等もあり、もっと広い範囲に公開されたりもするようになりました。インターネットを見ると、採用プロセスの口コミ情報がたくさん見つかります。 以上のSIPSプロセスの観点における入職者というものを、もう一度よく考えてみましょう。採用のAIDMAモデルにおける採用候補者とはかなり違う性質があるのにお気づきでしょうか。AIDMAの採用候補者の場合は、あまり主体性だとか自立性を持った存在として描かれることはありませんでした。何故なら、AIDMAにおける主体は組織だからです。しかし、SIPSモデルにおける入職者は、自らの価値観に基づいて組織や業務を評価し、自分が理想とするキャリアや成長のあり方、そして仕事の内容を吟味したうえで関わりを持ち、そのうえで、そこでの経験を自ら発信する、非常に能動的な存在として描かれています。これは、人を「財」として扱う人的資源管理論といった考え方とは一線を画するものだと言えます。 このあたりは、僕の個人的な価値観もあるのですけれども、産業革命以降、人を組織の資源とみなす考え方が支配的だったのが、やっとこの二十一世紀になって転換しつつあるのかなと考えております。よく材木ではなくて、財宝の財の字をあてて「人財」と言ったりすることもありますけれども、材木にせよ財宝にせよ、それ自体は心を持たない、人に使われてなんぼの「物」である事には変わりありません。そうした人を組織の資源と見なす観点からは、どうしても歩留まりだとか、効率だとか、そういった工業的な言葉遣いに代表される心理が強くなってしまいます。しかし、ヒト本来の多様な生き方がやっと認められつつある、それだけの余力を歴史上初めて人類が享受出来るようになってきた現代にあっては、一人一人の価値観やキャリアイメージを出発点とする人間中心のパラダイムに則って採用活動を行う企業こそが、最も優秀で意欲溢れる想像性豊かな人を惹きつけられるのではないかと思います。 言い換えると、企業の側も今までとは採用の意識を変えていかないといけないということです。理想的には、企業と入職者が「うちはこんな仕事をしていて、こういうビジョンがあるのですがいかがですか」「それはいいですね、一緒にやりましょう!」と対等の立場でコミュニケーションをとり、双方の合意のもとに仕事をしていくようになると、すごく素敵なことだなと個人的には思っています。 今日のまとめです。採用を行う組織ではなく、新たに仕事を始める個人、すなわち「入職者」の観点から採用のプロセスを見直すSIPSモデルをご紹介しました。SIPSにおける入職者は、募集が行われている組織や業務に対して心に響くものを感じるか、そこで仕事をすることが自分の思い描く理想のイメージと合致しているか、応募やインターンシップ等を通じて関わったときにそのイメージが崩されないかを吟味し、さらに採用プロセスで得た経験を他者に発信して共有します。こうした能動的・自律的存在としての求職者像に立脚した人間中心の採用活動こそがこれからの組織には求められるのではないでしょうか。
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前回までは、企業やNPOの組織の側から採用について考えてきました。今回は、採用プロセスをもう一方の当事者である入職者の観点から考えていこうと思います。入職者というのは、職業に入る人と書きます。つまり採用される人ということですけれども、「採用する」というのはあくまで組織が主語になった観点なので、採用される側を主体と考えると入職者という表現になるとお考えください。 入職者の観点からすると、採用プロセス自体が組織を評価するための材料となります。まず、ある組織が採用活動を開始して、募集を行った時の入職者側の心理を見ていきましょう。以前、組織の採用プロセスに関してお話した際には、マーケティングなどでよく使われるAIDMAモデルが使えますとご説明しました。入職者の心理と行動を捉えるにあたっては、同じような感じですけれども、SIPSというモデルの方が適合性は高いと言われています。 こちらの最初のSは「Sympathize」、何か心に響くもの、シンパシーを感じるかという事を表しています。求人に関する情報は世の中に溢れており、入職者はそれを自分なりのフィルターを通して吟味します。このあたりが以前お話したELM(エラボレーション・ライクリフッド・モデル)でもご説明をした通り、基本的に自分に余裕があり、かつ求人が行われている組織と業務に興味を惹かれるかどうかが鍵になります。特に、ミレニアル世代やZ世代と総称される1980年代以降に生まれた人達は、給料や待遇はもちろん大事なのですが、求人を行っている組織が共感できるビジョンやミッションを掲げているか、自分がそこで行うであろう業務にやりがいが感じられるか、他には将来に向いた成長が見込めるかといった点も非常に重視されます。 次に、SIPS二番目のアルファベットであるI。これは、「Imagine」。想像力を働かせて、実際に仕事をするとどんな暮らしが待っているのかをイメージするプロセスになります。採用活動を行っている組織のビジョンやミッションに響くものを感じたら、次に入職者はそこで自分が働いたらどんな環境で、どんな人達と仕事をすることになるのか、理想として思い描いているキャリアだとか、自己成長のイメージにどれぐらい合致するものなのかという事を検討します。 三番目のプロセスは、SIPSのP、「Participate」になります。ここまでの段階で、求人中の組織に対してなんらかの共感やシンパシーを覚え、さらにそこで働くことで得られる経験だとかネットワークが自分の理想とある程度合致することがイメージ出来たら、次に入職者はその組織に対して応募をしたり、あるいはインターンシップに参加したりといった何らかの関わりを持とうとします。いわゆる採用プロセスを通して履歴書を出したり、テストや面談を受けたりするというのもこのParticipateというプロセスに含まれます。より直接的な関わりを持つことで、入職者がこれまで自分が当該組織に対して抱いていたイメージや評価が妥当なものであったかを検証するということになります。 そして、最後のSですね。これは「Share」を表します。関わりを持った結果、実際にその組織の一員となって仕事を始めるにせよ、あるいはどこか他所で仕事を探すことになるにせよ、人は自分が経験したことを何かしら発信し、自分の周りの人達に共有します。かつては、それが身の周りの親しい友人や家族にしかなされていなかったわけですよね。しかし、近年ではSNS等もあり、もっと広い範囲に公開されたりもするようになりました。インターネットを見ると、採用プロセスの口コミ情報がたくさん見つかります。 以上のSIPSプロセスの観点における入職者というものを、もう一度よく考えてみましょう。採用のAIDMAモデルにおける採用候補者とはかなり違う性質があるのにお気づきでしょうか。AIDMAの採用候補者の場合は、あまり主体性だとか自立性を持った存在として描かれることはありませんでした。何故なら、AIDMAにおける主体は組織だからです。しかし、SIPSモデルにおける入職者は、自らの価値観に基づいて組織や業務を評価し、自分が理想とするキャリアや成長のあり方、そして仕事の内容を吟味したうえで関わりを持ち、そのうえで、そこでの経験を自ら発信する、非常に能動的な存在として描かれています。これは、人を「財」として扱う人的資源管理論といった考え方とは一線を画するものだと言えます。 このあたりは、僕の個人的な価値観もあるのですけれども、産業革命以降、人を組織の資源とみなす考え方が支配的だったのが、やっとこの二十一世紀になって転換しつつあるのかなと考えております。よく材木ではなくて、財宝の財の字をあてて「人財」と言ったりすることもありますけれども、材木にせよ財宝にせよ、それ自体は心を持たない、人に使われてなんぼの「物」である事には変わりありません。そうした人を組織の資源と見なす観点からは、どうしても歩留まりだとか、効率だとか、そういった工業的な言葉遣いに代表される心理が強くなってしまいます。しかし、ヒト本来の多様な生き方がやっと認められつつある、それだけの余力を歴史上初めて人類が享受出来るようになってきた現代にあっては、一人一人の価値観やキャリアイメージを出発点とする人間中心のパラダイムに則って採用活動を行う企業こそが、最も優秀で意欲溢れる想像性豊かな人を惹きつけられるのではないかと思います。 言い換えると、企業の側も今までとは採用の意識を変えていかないといけないということです。理想的には、企業と入職者が「うちはこんな仕事をしていて、こういうビジョンがあるのですがいかがですか」「それはいいですね、一緒にやりましょう!」と対等の立場でコミュニケーションをとり、双方の合意のもとに仕事をしていくようになると、すごく素敵なことだなと個人的には思っています。 今日のまとめです。採用を行う組織ではなく、新たに仕事を始める個人、すなわち「入職者」の観点から採用のプロセスを見直すSIPSモデルをご紹介しました。SIPSにおける入職者は、募集が行われている組織や業務に対して心に響くものを感じるか、そこで仕事をすることが自分の思い描く理想のイメージと合致しているか、応募やインターンシップ等を通じて関わったときにそのイメージが崩されないかを吟味し、さらに採用プロセスで得た経験を他者に発信して共有します。こうした能動的・自律的存在としての求職者像に立脚した人間中心の採用活動こそがこれからの組織には求められるのではないでしょうか。
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