新型コロナウイルスのパンデミックと倫理的な問題

 
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今日は、新型コロナウイルスによるパンデミックの社会的状況と、倫理的な問題について話していきたいと思います。新型コロナウイルスの感染拡大が確認されてから現在までに随分な月日が経ちますが、やはり、中々終息への道のりは見えていないと思います。一日も早い終息を願うばかりですが、この度の新型コロナウイルスのパンデミックに伴って、医療や経済の様々な問題が社会で議論されるようになりました。これに対して、私達がよく考えなけなければいけない点を、色々な人が様々に述べています。この論点を詳しく知ることは、今のパンデミックから命・健康・財産といった私達の大事な物を守る為に、非常に重要であると言えると思います。 テレビや新聞、あるいはインターネットの報道を見ると、やはり、医療と経済に関する問題がとてもクローズアップされている印象を受けます。勿論、これは私達の生命と健康、そして生活に直結する問題なので、いわば当然の結果であるとも言えます。しかし、新型コロナウイルスのパンデミックに伴って、実は倫理的な問題も多く発生していると言われているのです。どのような倫理的な問題が発生していて、私達は何を考えるべきなのか、今日はこの点を話していきたいと思います。 現在は多くの国において、移動の制限、または他の人との接触の制限が法的・暗黙的な規則で感染防止の観点から行われています。これ自体は、感染拡大の防止策として非常に有効であり重要ですが、移動の自由はそもそも基本的人権の重要な要素であることも忘れてはいけないと思います。この様な緊急事態では、命を守るために様々な自由の制約が往々にして行われますが、これを無制限にやってしまうと人権侵害リスクに繋がってしまうと言えます。ここで、私は何が言いたいかと言えば、感染対策に誰もが必要だよねと同意出来るような活動の中にも、実は倫理的な問題を発生させる要素が沢山存在しているという意味なのです。 実は、このようなコロナ下において、倫理的な問題の発生リスクに関しては国際的な懸念が示されています。例えば、人権問題に対して非常に先駆的な活動を取るユネスコの事務局長であるオードリー・アゾレイ氏も、倫理基準への潜在的な脅威を懸念していると公式に述べています。様々な団体がそれぞれの懸念や発見した問題事項を述べていますが、先程述べたユネスコの国際生命倫理委員会と世界科学知識技術倫理委員会というものがあり、ここが出した「COVID-19: グローバルな視点からの倫理的考察に基づく声明」という文章が大変参考になります。この声明では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って発生している多くの倫理的問題を解決するためには、文化や社会の違いを一旦脇に置いて、皆で協力して倫理的で受け入れ可能な解決策を考えなければいけないと述べています。この声明では、その上で世界的に認識されることが緊急に必要であって、かつ各国政府が早急な行動を起こさなければならない11項目の倫理的な問題が列挙されています。11項目は大きく分けて四点に対して、倫理的な問題の発生可能性と求められるアクションについて示されていると私は考えます。 一点目は、政治的意思決定と科学の問題です。声明では、政治的意思決定が科学だけで正当化されるべきではないとしています。要するに、今不確実性が高く科学ではよく分からないことも多い状況で、科学だけをよるすべとして政治的な意思決定をすると、間違った意思決定になってしまう。だから、科学以外にも倫理とか法とか様々な要素を組み合わせながら、しかも話し合いながら物事を決めていきなさいということなのです。 二点目は、医療や医薬品開発に関する倫理的な問題です。声明では、医療を利用出来る人と利用出来ない人の不公平性が非常に多く発生していると懸念しています。そして、不公平性をなるべく解消するように、国際的な連携を求めています。また、やむを得なく病気の緊急度に応じて、搬送や医療の優先順位を決めなければならないケースをトリアージと言うのですが、その手続きには透明性と人間の尊厳を尊重して行うべきだと述べています。 三点目は、情報発信や情報技術の利用に関する問題です。声明では、まず現在を誤った情報やフェイクニュースを受け入れるソーシャルメディアの時代として表現しています。そして、このような時代だからこそ、情報公開はタイムリーで、正確で、明確で、完全で、かつ透明性があることが重要です。 四点目は、感染拡大防止のための社会的距離を作らざるを得ない状態だからこそ注意すべき点が挙げられています。まず声明では、社会的弱者はこのようなパンデミックの時にはさらに脆弱になり、危ない立場に置かれると指摘し、平時よりもいっそうの配慮と注意を向けるべきであるということが求められています。特に発展途上国では、家庭内暴力や経済的に不安定な状況にある人々に特別な注意を払わなければいけないとしています。また、現在感染を防ぐために、国と国、地域社会、個人の間に様々な距離や障壁が設けられていますが、これが国際協力を阻害したり外国人嫌悪や差別を助長させたり、それをまた続けさせるものであってはならないと言っています。 今日のまとめです。新型コロナウイルスのパンデミックに伴って発生する倫理的問題に関して、我々が考えるべき点や注意すべき点を学ぶことは、今のパンデミックから私達の大事な物を守るために重要だと言えます。

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