Artwork

コンテンツは QTnetモーニングビジネススクール によって提供されます。エピソード、グラフィック、ポッドキャストの説明を含むすべてのポッドキャスト コンテンツは、QTnetモーニングビジネススクール またはそのポッドキャスト プラットフォーム パートナーによって直接アップロードされ、提供されます。誰かがあなたの著作権で保護された作品をあなたの許可なく使用していると思われる場合は、ここで概説されているプロセスに従うことができますhttps://ja.player.fm/legal
Player FM -ポッドキャストアプリ
Player FMアプリでオフラインにしPlayer FMう!

包括的文化と特定的文化

 
シェア
 

Fetch error

Hmmm there seems to be a problem fetching this series right now. Last successful fetch was on February 26, 2024 11:26 (2M ago)

What now? This series will be checked again in the next day. If you believe it should be working, please verify the publisher's feed link below is valid and includes actual episode links. You can contact support to request the feed be immediately fetched.

Manage episode 280628935 series 1269312
コンテンツは QTnetモーニングビジネススクール によって提供されます。エピソード、グラフィック、ポッドキャストの説明を含むすべてのポッドキャスト コンテンツは、QTnetモーニングビジネススクール またはそのポッドキャスト プラットフォーム パートナーによって直接アップロードされ、提供されます。誰かがあなたの著作権で保護された作品をあなたの許可なく使用していると思われる場合は、ここで概説されているプロセスに従うことができますhttps://ja.player.fm/legal
本日は、文化によって物の見方がどう変わるか、そして、それがコミュニケーションにどう関連するかについてお話しようと思います。まずは1つ質問です。今、僕の手元には2つの金閣寺の画像があります。どんな画像か、これから口頭でご説明しますので、どちらの画像が「京都の観光案内のWEBサイトに掲載する画像」としてふさわしいと思うか、画像を想像しながら考えてみてください。 まずAの画像。これはやや離れた所から撮影されており、金閣寺は画像全体の半分弱を占めています。画像の残りのスペースには、金閣寺の手前の池や背後にある林、遠くにある京都の山々、青空などが見えています。金閣寺の全体像がよく見え、周囲の環境と一体になった佇まいがうかがえます。一方、Bの画像は、金閣寺をクローズアップしたものです。近くから少し見上げる形で撮影されており、画像の半分を金閣寺が占め、残りは空と少しだけ林が見えていますが、基本的には金閣寺のみが写っているという写真です。屋根や壁のしつらえなど意匠の細かい所が良く見えます。これら2つのうち1つだけを京都の観光案内のWEBサイトに掲載するとしたら、皆さんならどちらを選びますか? 実はこれは、今ではもう亡くなってしまったのですけれども、西南学院大学の教授で僕の恩師だった今堀義先生と一緒に行った研究で行った実験の一部です。その研究では、今皆さんにお考えいただいたのと同じ質問を、世界中から集まる西南の留学生および福岡市内の外国人の方々、そして西南の大学生を含む日本人の方々に答えてもらいました。すると、回答者の出身文化によってかなり明確なパターンの違いが見られたんです。日本人及び韓国や中国、台湾など東アジア出身の回答者の多くは、手前の池や空などを含めた全体像が写った画像の方がよりふさわしいと回答したのに対して、ドイツやイギリス、オランダなど西ヨーロッパ地域、あるいはアメリカから来た人たちの多くは、金閣寺のクローズアップ画像の方が良いと回答したのです。 それぞれ理由を尋ねてみると、日本や韓国の出身者の人達は周囲の環境と金閣寺の対比が分かった方が金閣寺そのものの特長が際立つという風に述べたのに対して、ヨーロッパやアメリカ出身の人達は世界に例をみないユニークな建築である金閣寺が主役だと一目で分かるクローズアップ写真が良いという声が大半を占めました。後者については、「京都の林や山々はもちろん素敵なのだけれど、それだけに1つの画像の中にそれらが一緒になっていると金閣寺の美しさが目立たなくなってしまう」と前提理由を説明してくれました。ここには、ハイコンテキスト・ローコンテキストといったコミュニケーションスタイルの背景にある思考パターンが反映されています。 ハイコンテキスト文化におけるコミュニケs-ションでは、文脈を重視します。この背景として、アジアや中近東諸国に特徴的な「包括的思考」というものがあります。英語だとHolistic Thinkingというのですけども、これは物事を理解するためには様々な要素を取り巻く全体像や、要素同士の関係性の調和に目を向けるべきだという考え方です。この思考パターンが強い文化では、共通の場に則った秩序と相互作用に基づくコミュニケーションを最も効率的で摩擦が少ないものとして重視します。なので、金閣寺の画像を評価する際にも、前景・背景も含めた全体像のなかに位置づけないと金閣寺そのものの特徴をとらえにくい、ということになるわけですね。 一方、いわゆる欧米圏では、古代ギリシャ哲学に端を発する「分析的思考(Analytical Thinking)」と呼ばれる思考パターンが強くみられます。これは、物事を理解するためにはそれを出来る限り細かい要素に分けていって、1つ1つの特長を明らかにし、その本質を見極めることが重要であるという考え方です。このタイプの思考パターンが強い文化では、個々の特長を活かした独創性と自立性こそが最も価値の高いものとされて、それらのぶつかり合いのなかから、かつてない発想とかイノベーションが生み出され、社会が発展していくという考え方が支配的です。個々の要素こそが重要なので、金閣寺の画像であれば、金閣寺にフォーカスし、細かい部分までよく見えるもののほうが良い、となります。 もっと具体的に比較してみます。包括的思考が強い文化圏のコミュニケーションでは、マクロからミクロ、全体的な話から個別のポイントへと進めるパターンが多く見られます。これはあるメッセージを解釈するには文脈とか全体像を共有するが不可欠で、それなしにコミュニケーションは成立しないと考えるためです。日本でも良くみられると思うのですけれども、背景を詳しく説明せずにいきなり結論を述べるのは乱暴で拙速、何を言っているか分からない、という反応を引き出してしまいます。したがって、こういう文化で説得力のあるコミュニケーションを実践するには、全体像や背景の説明に時間をかけ、特に関係者同士がどう影響しあうことになるのか、関係性の構造を説明することが効果的になります。 これに対して、分析的思考が強い文化圏における説得や情報伝達は、ミクロからマクロへと進みます。まずあなたは何が言いたいのかという結論が明らかにされない限りは、コミュニケーションを進めようがないと考えるためです。メッセージを発信する当の本人に明確な伝達・依頼事項がないのであれば、他者が関与するいわれはないのです。結論が不明確なコミュニケーションは、他者の時間や集中力を無駄にする行為とバッサリ切られます。何か意思決定しなければならない事項がないのに会議を招集する、なんていうのは最も典型的なNGパターンです。こうした文化で説得力のあるコミュニケーションを実践するには、メッセージの宛先を明確にし、受け手に対する要求、およびそれに伴う報酬やメリットを具体的にすることで良い反応を引き出しやすくなります。 こうした思考パターンの違いは、ハイコンテキストとローコンテキストを生み出す原因となっています。包括的志向が強いハイコンテキスト文化では、お互いが話の背景や関係者同士の繋がりやしがらみといった全体像を共有している。だからごくわずかなメッセージだけでもパズルを埋めることができるので、一を聞いて十を知るといったコミュニケーションが可能になります。一方、分析的志向が強いローコンテキスト文化の場合、個別の要素や個人の主張が明らかにされない限りは、何をどう議論すればいいのかが分からない。人間は一人ひとり考え方も背景も異なるのだから、まずはあなたが何を考えているのか明確に述べてくださいとなるわけです。出発点が違うので、見えるものも全然違ってくるということになりますね。 今日のまとめです。ハイコンテキストとローコンテキストという対照的なコミュニケーションの背景には思考パターンの違いがあります。ハイコンテキスト文化で特徴的な包括的思考では、当事者同士の関係性が重視され、コミュニケーションも全体的な話から個別のポイントへと進められます。一方、ローコンテキスト文化では、個々の要素を重視する分析的思考が支配的で、ここでは個々人の主張を出発点とする個人にフォーカスされたコミュニケーションが基本的なパターンとなります。
  continue reading

4660 つのエピソード

Artwork
iconシェア
 

Fetch error

Hmmm there seems to be a problem fetching this series right now. Last successful fetch was on February 26, 2024 11:26 (2M ago)

What now? This series will be checked again in the next day. If you believe it should be working, please verify the publisher's feed link below is valid and includes actual episode links. You can contact support to request the feed be immediately fetched.

Manage episode 280628935 series 1269312
コンテンツは QTnetモーニングビジネススクール によって提供されます。エピソード、グラフィック、ポッドキャストの説明を含むすべてのポッドキャスト コンテンツは、QTnetモーニングビジネススクール またはそのポッドキャスト プラットフォーム パートナーによって直接アップロードされ、提供されます。誰かがあなたの著作権で保護された作品をあなたの許可なく使用していると思われる場合は、ここで概説されているプロセスに従うことができますhttps://ja.player.fm/legal
本日は、文化によって物の見方がどう変わるか、そして、それがコミュニケーションにどう関連するかについてお話しようと思います。まずは1つ質問です。今、僕の手元には2つの金閣寺の画像があります。どんな画像か、これから口頭でご説明しますので、どちらの画像が「京都の観光案内のWEBサイトに掲載する画像」としてふさわしいと思うか、画像を想像しながら考えてみてください。 まずAの画像。これはやや離れた所から撮影されており、金閣寺は画像全体の半分弱を占めています。画像の残りのスペースには、金閣寺の手前の池や背後にある林、遠くにある京都の山々、青空などが見えています。金閣寺の全体像がよく見え、周囲の環境と一体になった佇まいがうかがえます。一方、Bの画像は、金閣寺をクローズアップしたものです。近くから少し見上げる形で撮影されており、画像の半分を金閣寺が占め、残りは空と少しだけ林が見えていますが、基本的には金閣寺のみが写っているという写真です。屋根や壁のしつらえなど意匠の細かい所が良く見えます。これら2つのうち1つだけを京都の観光案内のWEBサイトに掲載するとしたら、皆さんならどちらを選びますか? 実はこれは、今ではもう亡くなってしまったのですけれども、西南学院大学の教授で僕の恩師だった今堀義先生と一緒に行った研究で行った実験の一部です。その研究では、今皆さんにお考えいただいたのと同じ質問を、世界中から集まる西南の留学生および福岡市内の外国人の方々、そして西南の大学生を含む日本人の方々に答えてもらいました。すると、回答者の出身文化によってかなり明確なパターンの違いが見られたんです。日本人及び韓国や中国、台湾など東アジア出身の回答者の多くは、手前の池や空などを含めた全体像が写った画像の方がよりふさわしいと回答したのに対して、ドイツやイギリス、オランダなど西ヨーロッパ地域、あるいはアメリカから来た人たちの多くは、金閣寺のクローズアップ画像の方が良いと回答したのです。 それぞれ理由を尋ねてみると、日本や韓国の出身者の人達は周囲の環境と金閣寺の対比が分かった方が金閣寺そのものの特長が際立つという風に述べたのに対して、ヨーロッパやアメリカ出身の人達は世界に例をみないユニークな建築である金閣寺が主役だと一目で分かるクローズアップ写真が良いという声が大半を占めました。後者については、「京都の林や山々はもちろん素敵なのだけれど、それだけに1つの画像の中にそれらが一緒になっていると金閣寺の美しさが目立たなくなってしまう」と前提理由を説明してくれました。ここには、ハイコンテキスト・ローコンテキストといったコミュニケーションスタイルの背景にある思考パターンが反映されています。 ハイコンテキスト文化におけるコミュニケs-ションでは、文脈を重視します。この背景として、アジアや中近東諸国に特徴的な「包括的思考」というものがあります。英語だとHolistic Thinkingというのですけども、これは物事を理解するためには様々な要素を取り巻く全体像や、要素同士の関係性の調和に目を向けるべきだという考え方です。この思考パターンが強い文化では、共通の場に則った秩序と相互作用に基づくコミュニケーションを最も効率的で摩擦が少ないものとして重視します。なので、金閣寺の画像を評価する際にも、前景・背景も含めた全体像のなかに位置づけないと金閣寺そのものの特徴をとらえにくい、ということになるわけですね。 一方、いわゆる欧米圏では、古代ギリシャ哲学に端を発する「分析的思考(Analytical Thinking)」と呼ばれる思考パターンが強くみられます。これは、物事を理解するためにはそれを出来る限り細かい要素に分けていって、1つ1つの特長を明らかにし、その本質を見極めることが重要であるという考え方です。このタイプの思考パターンが強い文化では、個々の特長を活かした独創性と自立性こそが最も価値の高いものとされて、それらのぶつかり合いのなかから、かつてない発想とかイノベーションが生み出され、社会が発展していくという考え方が支配的です。個々の要素こそが重要なので、金閣寺の画像であれば、金閣寺にフォーカスし、細かい部分までよく見えるもののほうが良い、となります。 もっと具体的に比較してみます。包括的思考が強い文化圏のコミュニケーションでは、マクロからミクロ、全体的な話から個別のポイントへと進めるパターンが多く見られます。これはあるメッセージを解釈するには文脈とか全体像を共有するが不可欠で、それなしにコミュニケーションは成立しないと考えるためです。日本でも良くみられると思うのですけれども、背景を詳しく説明せずにいきなり結論を述べるのは乱暴で拙速、何を言っているか分からない、という反応を引き出してしまいます。したがって、こういう文化で説得力のあるコミュニケーションを実践するには、全体像や背景の説明に時間をかけ、特に関係者同士がどう影響しあうことになるのか、関係性の構造を説明することが効果的になります。 これに対して、分析的思考が強い文化圏における説得や情報伝達は、ミクロからマクロへと進みます。まずあなたは何が言いたいのかという結論が明らかにされない限りは、コミュニケーションを進めようがないと考えるためです。メッセージを発信する当の本人に明確な伝達・依頼事項がないのであれば、他者が関与するいわれはないのです。結論が不明確なコミュニケーションは、他者の時間や集中力を無駄にする行為とバッサリ切られます。何か意思決定しなければならない事項がないのに会議を招集する、なんていうのは最も典型的なNGパターンです。こうした文化で説得力のあるコミュニケーションを実践するには、メッセージの宛先を明確にし、受け手に対する要求、およびそれに伴う報酬やメリットを具体的にすることで良い反応を引き出しやすくなります。 こうした思考パターンの違いは、ハイコンテキストとローコンテキストを生み出す原因となっています。包括的志向が強いハイコンテキスト文化では、お互いが話の背景や関係者同士の繋がりやしがらみといった全体像を共有している。だからごくわずかなメッセージだけでもパズルを埋めることができるので、一を聞いて十を知るといったコミュニケーションが可能になります。一方、分析的志向が強いローコンテキスト文化の場合、個別の要素や個人の主張が明らかにされない限りは、何をどう議論すればいいのかが分からない。人間は一人ひとり考え方も背景も異なるのだから、まずはあなたが何を考えているのか明確に述べてくださいとなるわけです。出発点が違うので、見えるものも全然違ってくるということになりますね。 今日のまとめです。ハイコンテキストとローコンテキストという対照的なコミュニケーションの背景には思考パターンの違いがあります。ハイコンテキスト文化で特徴的な包括的思考では、当事者同士の関係性が重視され、コミュニケーションも全体的な話から個別のポイントへと進められます。一方、ローコンテキスト文化では、個々の要素を重視する分析的思考が支配的で、ここでは個々人の主張を出発点とする個人にフォーカスされたコミュニケーションが基本的なパターンとなります。
  continue reading

4660 つのエピソード

すべてのエピソード

×
 
Loading …

プレーヤーFMへようこそ!

Player FMは今からすぐに楽しめるために高品質のポッドキャストをウェブでスキャンしています。 これは最高のポッドキャストアプリで、Android、iPhone、そしてWebで動作します。 全ての端末で購読を同期するためにサインアップしてください。

 

クイックリファレンスガイド