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効果的なコミュニケーションのためのたった一つのコツ

 
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前回は、相手に違和感を与えないように想像力を発揮して、説明をより細かくしたりフィードバックのトーンを調節したりといった「コードスイッチング」が異文化コミュニケーションの鍵であるというお話をしました。今回も引き続き、文化とコミュニケーションに関するお話をしていこうと思います。 最初に、以前お話舌内容をおさらいさせてください。典型的なコミュニケーションのパターンには、文化の違いがみられます。特に、「言葉だけではコミュニケーションは完結しない」と考えるハイコンテキスト文化と、「言葉にしないことは伝わらない」と考えるローコンテキスト文化の違いは、異文化コミュニケーションにおける重要な対比となります。日本は非常にハイコンテキスト的な側面が強い文化です。ハイコンテキスト文化は、言葉以外の文脈やその場の雰囲気で真意を伝える、読み取るということを良しとします。日本語の「沈黙は金」「物言えば唇寒し秋の風」といった言いまわしは、それを表す典型的なものだと思います。 一方で、ローコンテキスト文化の場合は、価値観や経験が異なる多様な人たちにも伝わるような、分かりやすいコミュニケーションが良しとされます。英語だと「The squeaky wheel gets the grease.(キーキーなる車輪は、油をさしてもらえる)」という諺があるのですけれども、この意味はしっかり他者に伝わる形で主張をすればその見返りがもらえる。含意として、何か欲しかったらそれをちゃんとそれを口にしなさいという表現なんです。これはローコンテキス文化におけるミュニケーションの特徴をよく表していると思います。 では、ここで問題です。今おさらいをしたハイコンテキストとローコンテキストの文化的背景を持つ人たちが一緒に仕事をする多国籍チームを想像してみてください。そうした多国籍環境において、最も誤解や行き違いが生じやすいのは以下の3つの組み合わせのうち、どれでしょう? ①オランダ人とデンマーク人など、ローコンテキスト文化出身の人たちが別のローコンテキスト文化出身の人たちと一緒に仕事をする。 ②韓国人とオランダ人など、ハイコンテキスト文化出身者とローコンテキスト文化出身者が一緒に仕事をする。 ③韓国人とケニア人など、ハイコンテキストとされる文化出身の人たち同士が一緒に仕事をする。 あえて極端な言い方をすると、空気を読まない人同士の職場、空気を読む人と読まない人の混成チーム、空気を読む人同士のチーム、さて一体どれが一番コミュニケーションに関するトラブルが発生しやすいかと考えてみていただいてもいいかもしれません。さて、皆さんはどれだと思いますか? このクイズを出題すると、多くの人は、②の「ハイコンテキスト文化出身者とローコンテキスト文化出身者の混成チーム」が最もコミュニケーショントラブルを生じやすいのではないかと思うようです。もちろん、一方は空気を読むけど一方は空気を読まないといった場合にもトラブルはあり得るのですが、じつは、答えは③の「ハイコンテキスト出身者同士がチームを組むとき」です。一般的に、様々な文化出身者が一緒に仕事に取り組む多文化共同チームでコミュニケーションリスクが高くなるのは、ハイコンテキスト文化出身者同士が混在する場合と言われています。当然ケースバイケースの側面はあって、個々人の能力とか経験でも多少は変わってくるのですけれども、同じくらいの能力・同じくらいの経験を持つ人たちで構成されるチーム同士を比べると、お互い空気を読む、だけど言葉としては色々説明をしない人同士、つまり、ハイコンテキスト文化出身者同士のチームで最もコミュニケーショントラブルが生じやすいということになります。 何故そうなるのかというと、ハイコンテキストでのコミュニケーションでは、言葉の裏に込められた意味とか相手があえて口にしなかったことを、その場の雰囲気・微妙な仕草・表情などから読み取り、適切に解釈することが重要になるからなんです。しかし、一言でハイコンテキストといっても、その表現方法は、それぞれの文化によって千差万別。どんな表情がどんな意味を表すか、どんな場面でどのような言葉で感情を表現するのが適切なのか、etc.は、やはり個々の文化によって違います。そのことを意識せずに普段の感覚のままでハイコンテキスト出身者同士がコミュニケーションをすると、読み取り方が違う暗号を遣り取りしているような形になって、お互い何を言っているか分からない、となるわけです。しかも、そういった時に、ハイコンテキスト出身者同士だとどうも上手くいっていないなと感じても、それをはっきり口にしません。相手もハイコンテキスト出身者だからなんとなく察してくれるのではないかと、お互いに期待をしてしまう。結局何が問題なのか誰も明確にしないまま、腹の探り合いがひたすら続くというのが一番良くないパターンとなります。 一方で、チームにローコンテキスト型の人がいると、彼女ないし彼が良い意味で「空気を読まずに」何が問題なのか指摘したり質問したりするわけです。そのため、ローコンテキスト文化の出身者がいると、対立や衝突は増えます。が、全員が何となく問題を感じながらも誰もそれを口にしないでズルズルその状態が続くといったことは比較的起こりにくくなります。「え、それ言っちゃう?」みたいなところがあったとしても、その一方でよく言ってくれたと言う人はやっぱりいるのです。特に、チームメンバー個々人が持つ前提や経験、考え方が異なる多国籍チームにおいては、その方が問題は解決されやすくなるかと思います。 ここからさらに敷衍すると、異文化に限らず、コミュニケーションの重要なコツが一つ見出せるかなと思います。それはコミュニケーションをしていて何か違和感を覚えたら、勇気を出してそれを口に出してみるという事です。風通しが良くないなと感じる、これはどんなチームであっても生じうることです。そうした状況が発生してしまうことは個人ではコントロールしようがありません。一方で、そうして違和感を覚えた時に、それを放置するのか、それとも指摘するのか。これは個人の意思でコントロールができます。チームの流れが良くないときにそれを指摘すれば、当然、その場では気まずい思いをする事もあると思います。しかし明らかに何か上手くいっていないのに、それをあえて見過ごしたままにしておいて、後で自分も含めてチーム全員がもっと良くない状況に進んでいくのとどちらがいいかという話ではないかと思います。 コミュニケーションの問題は、放置しておくと遅かれ早かれチーム内の人間関係を蝕みます。一旦人間関係が拗れたチームから、いいアイデアが出てくるということはありません。そうなるとチームの行動が阻害され、ひいては仕事そのものの質も悪化する。これはダニエル・キムというMITで教授を務めた学者が提唱した循環モデルという理論で指摘されている事です。チームの仕事の質を決めるのは、メンバー間の関係だと。関係の質が良いと、話し合いの質が高まります。話し合いの質が高まると、それによって思考の質が高められ、それが仕事の質につながる。そして、仕事で良い成果をあげられるとチームの雰囲気がよくなって、さらに関係性が良くなり...と好循環がまわるのですが、これは逆回転もするサイクルで、関係の質がよくないと話し合いも、そして思考と行動も、もちろん仕事の質も...と悪循環に陥ります。けれども、この悪循環を止めるか、それとも放置するかというのは、たった一言「ちょっといいですか?」と言う、その勇気を出すか否かにかかっているわけです。 今日のまとめです。多国籍チームでメンバー間の誤解や行き違いといったコミュニケーション上のリスクが最も高まるのは、韓国人とケニア人、あるいは日本人など異なるハイコンテキスト文化の出身者同士が集まった場合だと言われます。なぜなら、ハイコンテキスト文化では一つ一つの言葉遣いや表情についてそれぞれ独自の意味あいが込められているので、それを共有せずに漫然と相手が察してくれるだろうと期待しても上手くいかないからです。多国籍チームに限らず、コミュニケーションをしていて違和感を覚えたら、勇気を出して一言声を上げることがチームの風通しを良くするための重要な鍵となります。
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