Artwork

コンテンツは QTnetモーニングビジネススクール によって提供されます。エピソード、グラフィック、ポッドキャストの説明を含むすべてのポッドキャスト コンテンツは、QTnetモーニングビジネススクール またはそのポッドキャスト プラットフォーム パートナーによって直接アップロードされ、提供されます。誰かがあなたの著作権で保護された作品をあなたの許可なく使用していると思われる場合は、ここで概説されているプロセスに従うことができますhttps://ja.player.fm/legal
Player FM -ポッドキャストアプリ
Player FMアプリでオフラインにしPlayer FMう!

遺伝⼦特許②

 
シェア
 

Fetch error

Hmmm there seems to be a problem fetching this series right now. Last successful fetch was on February 26, 2024 11:26 (2M ago)

What now? This series will be checked again in the next day. If you believe it should be working, please verify the publisher's feed link below is valid and includes actual episode links. You can contact support to request the feed be immediately fetched.

Manage episode 358500262 series 1269312
コンテンツは QTnetモーニングビジネススクール によって提供されます。エピソード、グラフィック、ポッドキャストの説明を含むすべてのポッドキャスト コンテンツは、QTnetモーニングビジネススクール またはそのポッドキャスト プラットフォーム パートナーによって直接アップロードされ、提供されます。誰かがあなたの著作権で保護された作品をあなたの許可なく使用していると思われる場合は、ここで概説されているプロセスに従うことができますhttps://ja.player.fm/legal
前回は遺伝子の特許の話をしました。遺伝子そのものが特許を取れるかどうかについて、遺伝子そのものは特許性を持たないという事でした。但し、実は以前は特許として認められていた時代がありました。以前は何故特許として認められていたのか、どうして今は認められなくなったのかについて、今回話をします。 少し前の話ですが、アメリカの映画女優アンジェリーナ・ジョリーさんが自身の遺伝子に乳がんのリスクを高める変異がある事から予防の為に、乳がんは発症していませんでしたが、両乳房の切除を受けたというニュースが報じられました。アンジェリーナ・ジョリーさんのお母さんは56歳の若さで乳がんにより亡くなられています。アンジェリーナ・ジョリーさんはそのようなことからご自身の遺伝子検査を行い、その結果乳がんの発症率が非常に高いBRCA1という遺伝子の変異が見られました。 BRCA1という遺伝子に変異が見られる場合、個人差がありますが乳がんの発症率は40~80%になると言われています。非常に高い確率です。実はこのBRCA1の遺伝子の配列及びその変異の検出によって、乳がんに罹患する可能性についての検査方法をで特許でを取得している会社がアメリカにありました。その会社名はミリアッド・ジェネティクス社という会社ですが、ミリアッド・ジェネティクス社がこのBRCA1の特許を申請したのが1995年です。1990年代はヒトゲノムプロジェクトが進み、ヒトの遺伝情報、AやTといった塩基配列がたくさん解明された時代です。これに端を発して、様々な企業や大学で遺伝子の配列を決めただけでそれがどのような機能を有しているのか明らかになっていないにも関わらず、多くの遺伝子に関する特許が申請されました。当時は各国の特許庁も遺伝子は特許対象になり得るかどうかという明確な基準が無かったため、一部の申請を受理しており、ミリアッド・ジェネティクス社のBRCA1の特許もこのような背景で特許が認められていました。これによりミリアッド・ジェネティクス社は契約を結んでいない他社や病院がこの方法を使って遺伝子診断をしたり研究をしたりするということを認めず、遺伝子診断事業を独占的に行っていました。今ではあまり考えられませんが、大学の研究者にもこのBRCA1の遺伝子を使って乳がんの研究を進めると特許侵害になるというような、ある意味警告のレターを出しています。 また当時アメリカは遺伝子の特許に関わらず特許政策を進めていたので、色々な特許を出願するというプロパテント政策といわれるものを奨励していたというのも時代背景にあります。ただ、この検査料は非常に高額だったため、低所得者はこの診断技術の恩恵を受けることが出来ないという事態が発生しました。学術的な研究も進まないという事も相まって、これが大きな社会問題となり、ついには米国自由人権協会という所が、BRCA1遺伝子の特許無効の訴えをニューヨーク州の連邦地裁に提訴するという事態になりました。当然、ミリアッド・ジェネティクス社はそれに対して控訴するのですが、ただ最終的にはアメリカの連邦最高裁でミリアッド・ジェネティクス社の特許は無効になるという判決が言い渡されました。遺伝子は生物の設計図と言われており、その特許化については長い間是非が問われてきました。ただこれを特許化して保護することで、企業は開発のインセンティブが働きますが、ミリアッド・ジェネティクス社のような事例では更なる医学の発展を妨げたり、低所得者が診断を受けられなくなったりするという様な事態が生じます。 一方でこれが保護されないとなると、企業が開発するインセンティブが無くなり、逆に医学の発展が妨げられる可能性も生じます。アンジェリーナ・ジョリーさんの場合も、遺伝学や医学の発達があったから乳がんのリスクを事前に予測することが出来たというふうに捉える事も出来ます。行き過ぎた特許による囲い込みは適切ではないですが、一方で全く特許が保護されないのも開発のインセンティブが機能しなくなるため、非常に難しい問題をミリアッド・ジェネティクス社の裁判は投げかけました。 今日のまとめです。遺伝子は生物の設計図と言われており、その特許化については是非が問われてきました。特許化して保護することで研究機関は開発のインセンティブが働き、更に科学が発展することが期待されますが、一方で強い特許法により基礎研究の妨げになり、結果新たな技術の開発が出来なくなります。どのように特許を活用するかが今後重要になってきます。
  continue reading

4660 つのエピソード

Artwork
iconシェア
 

Fetch error

Hmmm there seems to be a problem fetching this series right now. Last successful fetch was on February 26, 2024 11:26 (2M ago)

What now? This series will be checked again in the next day. If you believe it should be working, please verify the publisher's feed link below is valid and includes actual episode links. You can contact support to request the feed be immediately fetched.

Manage episode 358500262 series 1269312
コンテンツは QTnetモーニングビジネススクール によって提供されます。エピソード、グラフィック、ポッドキャストの説明を含むすべてのポッドキャスト コンテンツは、QTnetモーニングビジネススクール またはそのポッドキャスト プラットフォーム パートナーによって直接アップロードされ、提供されます。誰かがあなたの著作権で保護された作品をあなたの許可なく使用していると思われる場合は、ここで概説されているプロセスに従うことができますhttps://ja.player.fm/legal
前回は遺伝子の特許の話をしました。遺伝子そのものが特許を取れるかどうかについて、遺伝子そのものは特許性を持たないという事でした。但し、実は以前は特許として認められていた時代がありました。以前は何故特許として認められていたのか、どうして今は認められなくなったのかについて、今回話をします。 少し前の話ですが、アメリカの映画女優アンジェリーナ・ジョリーさんが自身の遺伝子に乳がんのリスクを高める変異がある事から予防の為に、乳がんは発症していませんでしたが、両乳房の切除を受けたというニュースが報じられました。アンジェリーナ・ジョリーさんのお母さんは56歳の若さで乳がんにより亡くなられています。アンジェリーナ・ジョリーさんはそのようなことからご自身の遺伝子検査を行い、その結果乳がんの発症率が非常に高いBRCA1という遺伝子の変異が見られました。 BRCA1という遺伝子に変異が見られる場合、個人差がありますが乳がんの発症率は40~80%になると言われています。非常に高い確率です。実はこのBRCA1の遺伝子の配列及びその変異の検出によって、乳がんに罹患する可能性についての検査方法をで特許でを取得している会社がアメリカにありました。その会社名はミリアッド・ジェネティクス社という会社ですが、ミリアッド・ジェネティクス社がこのBRCA1の特許を申請したのが1995年です。1990年代はヒトゲノムプロジェクトが進み、ヒトの遺伝情報、AやTといった塩基配列がたくさん解明された時代です。これに端を発して、様々な企業や大学で遺伝子の配列を決めただけでそれがどのような機能を有しているのか明らかになっていないにも関わらず、多くの遺伝子に関する特許が申請されました。当時は各国の特許庁も遺伝子は特許対象になり得るかどうかという明確な基準が無かったため、一部の申請を受理しており、ミリアッド・ジェネティクス社のBRCA1の特許もこのような背景で特許が認められていました。これによりミリアッド・ジェネティクス社は契約を結んでいない他社や病院がこの方法を使って遺伝子診断をしたり研究をしたりするということを認めず、遺伝子診断事業を独占的に行っていました。今ではあまり考えられませんが、大学の研究者にもこのBRCA1の遺伝子を使って乳がんの研究を進めると特許侵害になるというような、ある意味警告のレターを出しています。 また当時アメリカは遺伝子の特許に関わらず特許政策を進めていたので、色々な特許を出願するというプロパテント政策といわれるものを奨励していたというのも時代背景にあります。ただ、この検査料は非常に高額だったため、低所得者はこの診断技術の恩恵を受けることが出来ないという事態が発生しました。学術的な研究も進まないという事も相まって、これが大きな社会問題となり、ついには米国自由人権協会という所が、BRCA1遺伝子の特許無効の訴えをニューヨーク州の連邦地裁に提訴するという事態になりました。当然、ミリアッド・ジェネティクス社はそれに対して控訴するのですが、ただ最終的にはアメリカの連邦最高裁でミリアッド・ジェネティクス社の特許は無効になるという判決が言い渡されました。遺伝子は生物の設計図と言われており、その特許化については長い間是非が問われてきました。ただこれを特許化して保護することで、企業は開発のインセンティブが働きますが、ミリアッド・ジェネティクス社のような事例では更なる医学の発展を妨げたり、低所得者が診断を受けられなくなったりするという様な事態が生じます。 一方でこれが保護されないとなると、企業が開発するインセンティブが無くなり、逆に医学の発展が妨げられる可能性も生じます。アンジェリーナ・ジョリーさんの場合も、遺伝学や医学の発達があったから乳がんのリスクを事前に予測することが出来たというふうに捉える事も出来ます。行き過ぎた特許による囲い込みは適切ではないですが、一方で全く特許が保護されないのも開発のインセンティブが機能しなくなるため、非常に難しい問題をミリアッド・ジェネティクス社の裁判は投げかけました。 今日のまとめです。遺伝子は生物の設計図と言われており、その特許化については是非が問われてきました。特許化して保護することで研究機関は開発のインセンティブが働き、更に科学が発展することが期待されますが、一方で強い特許法により基礎研究の妨げになり、結果新たな技術の開発が出来なくなります。どのように特許を活用するかが今後重要になってきます。
  continue reading

4660 つのエピソード

すべてのエピソード

×
 
Loading …

プレーヤーFMへようこそ!

Player FMは今からすぐに楽しめるために高品質のポッドキャストをウェブでスキャンしています。 これは最高のポッドキャストアプリで、Android、iPhone、そしてWebで動作します。 全ての端末で購読を同期するためにサインアップしてください。

 

クイックリファレンスガイド