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資金繰りについて①

 
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今回は企業の資金繰りについてお話をしたいと思います。ファイナンシャル・マネジメントの世界では「キャッシュ・フロー」を問題にすることが多いのですが、それと似た概念で「資金繰り」というのがあります。特に昨今、新型コロナ・ウィルスの流行に関連したニュースで、企業や商店などの資金繰りの問題が度々採り上げられてきました。 「キャッシュ・フロー」と「資金繰り」の違いは何かといえば、「キャッシュ・フロー」は文字通り現金預金など「資金の流れ」であって、流れそのものが重要であるのに対して、資金繰りの方は「資金のやりくり」であって、継続的に事業を行う主体が支払いのための現金を枯渇させないことに重要性があります。もう少し説明すると、企業は利益が出ずに赤字に陥ったとしても、支払のための現金さえ続けば倒産しません。赤字が続いた結果、債務が保有する資産よりも大きくなる、すなわち債務超過の状態になったとしても企業は事業を継続することが可能ですが、支払のための資金が枯渇すると倒産してしまいます。つまり利益と現金は別物で、企業は存続のために一時たりとも現金の有高をマイナスに出来ないのであって、そのためにやりくりに特別な注意を払うわけです。 これに対してキャッシュ・フローでは、典型的な投資案件を例にとると、投資の最初の段階で資金が出て行き、それが回収段階になって初めて資金が戻ってきます。つまり最初はマイナスの流れになっているのがむしろ当たり前で、それがプラスの流れに転じて、最終的にトータルでプラスの価値を生みます。企業はキャッシュ・フローがこの様な形になるような投資案件を採り上げようとしています。 資金繰りに話を戻すと、現金の有高をマイナスにしないように担当者は目を光らせますが、その有り高は当然のことながら「入り」と「払い」によって決まります。「入り」を増やして「払い」を減らせば、現金資金の有高は増えるわけです。このうち、「入り」の方の源泉の主なものとしては、売上による収入、資産の処分による収入、借入等による外部からの資金調達などがありますが、中でも売上による収入が特に重要です。逆に、「払い」の方の源泉としては、売上に繋げるための仕入れのための費用支払いの他、事業資産や運用資産への投資、借入れに伴う利子の支払いや元本返済、そして税金などが挙げられます。 ここで利益の話になりますが、売上が費用を上回れば基本的には利益が生じて、利益が生じれば最終的には現金が残るはずです。従って、売上を伸ばして費用を抑えるということは、資金繰りの点でも理に適っています。しかし、利益が生じるからといって売上をどんどん伸ばせば、それだけ資金繰りが楽になるかといえば話はそれほど単純ではありません。売上を伸ばすためには、それを支えるための投資が必要となるからです。具体的には、売上のために必要となってくる在庫や、掛売の場合に発生する売掛金などのいわゆる運転資本、より大きな売上を可能にするためには機械や店舗など設備への追加投資も必要になってきます。そして、こうした投資に利益以上の金額を回さねばならないことが珍しくありません。多くの場合、こうした場合にも銀行など外部から必要額が調達することで資金繰りを回すことができますが、それができないと黒字企業でも資金不足で倒産する、いわゆる黒字倒産ということになる訳です。 このような黒字倒産に陥らないための対策として考えられるのは、まず、現金や預金等、流動性の高い資産(手元流動性と言ったりしますが)を厚めに持っておくことです。しかし、こうした流動性の高い資産は反面で利回りがゼロ或いは非常に低率で、収益率のより高い投資と比較した場合の機会費用が高く、多ければ多い程良いということでもありません。 次に考えられるのは外部からの資金調達手段を確保しておくことですが、調達手段としては資本による調達と債務による調達の2通りがあります。このうち資本による調達とは株式発行のことですが、機動性に乏しいことから資金繰りのための短期的な調整手段としては向きません。残りは債務による調達、それも銀行等からの借入れが中心となります。ところが、借入れの場合は相手がある話で、利息というコストが発生することは勿論、返済が確実になされそうか(信用リスク)を相手から厳しく吟味されるので、思い通りにという訳には行きません。 中でも長期の資金余裕に繋がる長期資金の借入の場合、信用リスクも大きいことから多くの場合固定資産などを担保に差し出すことを求められます。一方、短期の借入では担保無しで済む場合も多いのですが、期日の到来が早く、期日に借り換えができるかどうかはその時点での金融機関との再度の交渉次第にならざるを得ません。 このように事業活動に伴う現金の「入り」と「払い」と「有り高」を見比べながら現金を枯渇させることのないよう、かつ、運用利回りがほとんどない現預金等を必要以上に抱えることを避けつつ、安全な調整を図るのが「資金繰り」の活動ということになります。家計のやりくりとも共通する部分が多く分かり易い話と思いますが、それでいて企業活動を支える非常に重要な業務ということができます。 今日のまとめです。「キャッシュ・フロー」では現金の流れが重要で、マイナスから始まっても、最終的にはプラスの価値を生めばよいのに対して、「資金繰り」では一時も現金の有り高をマイナスにすることはできません。売上等による「現金の入り」と、費用や税金支払い、投資や借入金返済のための「現金の払い」を両睨みして、資産処分や外部からの資金調達によってバランスをとって企業活動の命綱を支える業務、これが資金繰りです。
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今回は企業の資金繰りについてお話をしたいと思います。ファイナンシャル・マネジメントの世界では「キャッシュ・フロー」を問題にすることが多いのですが、それと似た概念で「資金繰り」というのがあります。特に昨今、新型コロナ・ウィルスの流行に関連したニュースで、企業や商店などの資金繰りの問題が度々採り上げられてきました。 「キャッシュ・フロー」と「資金繰り」の違いは何かといえば、「キャッシュ・フロー」は文字通り現金預金など「資金の流れ」であって、流れそのものが重要であるのに対して、資金繰りの方は「資金のやりくり」であって、継続的に事業を行う主体が支払いのための現金を枯渇させないことに重要性があります。もう少し説明すると、企業は利益が出ずに赤字に陥ったとしても、支払のための現金さえ続けば倒産しません。赤字が続いた結果、債務が保有する資産よりも大きくなる、すなわち債務超過の状態になったとしても企業は事業を継続することが可能ですが、支払のための資金が枯渇すると倒産してしまいます。つまり利益と現金は別物で、企業は存続のために一時たりとも現金の有高をマイナスに出来ないのであって、そのためにやりくりに特別な注意を払うわけです。 これに対してキャッシュ・フローでは、典型的な投資案件を例にとると、投資の最初の段階で資金が出て行き、それが回収段階になって初めて資金が戻ってきます。つまり最初はマイナスの流れになっているのがむしろ当たり前で、それがプラスの流れに転じて、最終的にトータルでプラスの価値を生みます。企業はキャッシュ・フローがこの様な形になるような投資案件を採り上げようとしています。 資金繰りに話を戻すと、現金の有高をマイナスにしないように担当者は目を光らせますが、その有り高は当然のことながら「入り」と「払い」によって決まります。「入り」を増やして「払い」を減らせば、現金資金の有高は増えるわけです。このうち、「入り」の方の源泉の主なものとしては、売上による収入、資産の処分による収入、借入等による外部からの資金調達などがありますが、中でも売上による収入が特に重要です。逆に、「払い」の方の源泉としては、売上に繋げるための仕入れのための費用支払いの他、事業資産や運用資産への投資、借入れに伴う利子の支払いや元本返済、そして税金などが挙げられます。 ここで利益の話になりますが、売上が費用を上回れば基本的には利益が生じて、利益が生じれば最終的には現金が残るはずです。従って、売上を伸ばして費用を抑えるということは、資金繰りの点でも理に適っています。しかし、利益が生じるからといって売上をどんどん伸ばせば、それだけ資金繰りが楽になるかといえば話はそれほど単純ではありません。売上を伸ばすためには、それを支えるための投資が必要となるからです。具体的には、売上のために必要となってくる在庫や、掛売の場合に発生する売掛金などのいわゆる運転資本、より大きな売上を可能にするためには機械や店舗など設備への追加投資も必要になってきます。そして、こうした投資に利益以上の金額を回さねばならないことが珍しくありません。多くの場合、こうした場合にも銀行など外部から必要額が調達することで資金繰りを回すことができますが、それができないと黒字企業でも資金不足で倒産する、いわゆる黒字倒産ということになる訳です。 このような黒字倒産に陥らないための対策として考えられるのは、まず、現金や預金等、流動性の高い資産(手元流動性と言ったりしますが)を厚めに持っておくことです。しかし、こうした流動性の高い資産は反面で利回りがゼロ或いは非常に低率で、収益率のより高い投資と比較した場合の機会費用が高く、多ければ多い程良いということでもありません。 次に考えられるのは外部からの資金調達手段を確保しておくことですが、調達手段としては資本による調達と債務による調達の2通りがあります。このうち資本による調達とは株式発行のことですが、機動性に乏しいことから資金繰りのための短期的な調整手段としては向きません。残りは債務による調達、それも銀行等からの借入れが中心となります。ところが、借入れの場合は相手がある話で、利息というコストが発生することは勿論、返済が確実になされそうか(信用リスク)を相手から厳しく吟味されるので、思い通りにという訳には行きません。 中でも長期の資金余裕に繋がる長期資金の借入の場合、信用リスクも大きいことから多くの場合固定資産などを担保に差し出すことを求められます。一方、短期の借入では担保無しで済む場合も多いのですが、期日の到来が早く、期日に借り換えができるかどうかはその時点での金融機関との再度の交渉次第にならざるを得ません。 このように事業活動に伴う現金の「入り」と「払い」と「有り高」を見比べながら現金を枯渇させることのないよう、かつ、運用利回りがほとんどない現預金等を必要以上に抱えることを避けつつ、安全な調整を図るのが「資金繰り」の活動ということになります。家計のやりくりとも共通する部分が多く分かり易い話と思いますが、それでいて企業活動を支える非常に重要な業務ということができます。 今日のまとめです。「キャッシュ・フロー」では現金の流れが重要で、マイナスから始まっても、最終的にはプラスの価値を生めばよいのに対して、「資金繰り」では一時も現金の有り高をマイナスにすることはできません。売上等による「現金の入り」と、費用や税金支払い、投資や借入金返済のための「現金の払い」を両睨みして、資産処分や外部からの資金調達によってバランスをとって企業活動の命綱を支える業務、これが資金繰りです。
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