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多角化戦略と資源配分(その2)

 
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前回、多角化企業における経営資源の配分の手法についてお話をしました。今日は、BCGマトリックスを活用する上での注意点についてお話してみたいと思います。多角化企業は、一つの企業体の中に多くの事業を抱えています。事業の成長や発展の為には、ヒト・モノ・カネといった経営資源が必要になりますが、配分出来る資源には限りがあるというのが戦略的判断の難しい所です。多角化企業における資源の配分は、言わば、大きな家族で誰にどれだけのお金・土地・家といった資産を分配するかといった問題に例えることが出来るかと思います。例えば、まだ小さなお子さんは全て親に頼らざるを得ないということになると思います。また、高校や大学への進学となると、その子の将来の希望だとか学力は出来るだけ尊重してあげたい所ですが、やはりご家庭によって色々な事情も出てくる。ですから、一番学力のある子に進学させてそうでもない子は就職する、といった適性に合わせた判断も必要かもしれないですよね。 このように、家族それぞれがお金を必要とするわけですが、お金を稼ぐ力というのも当然それぞれ違うわけです。同じようなことが企業にも言えるわけでして、前回からご紹介しているBCGマトリックスは、事業毎に必要とする資金と稼ぐ力を簡単な方法で分析することで、事業の間で効果的に資源配分を行うツールです。BCGマトリックスでは、それぞれの事業がどれだけの経営資源、特に資金を必要としているかを、その業界が属している市場の成長率によって把握していきます。市場の伸び率が高い程、積極的に製品開発・生産能力の増強・マーケティングに投資する必要があります。逆に、市場が成熟していったり、あるいは衰退していったりすると、追加的な投資の必要性も段々と低くなっていきます。 もう一つ、お金を稼ぐ力に関しては、その事業の市場シェアで測定していきます。シェアが高い程それだけ製品が優れているとも言えますし、あるいは市場支配力があるのでより有利な条件で商売が出来ると判断も出来るわけです。こうした考えに基づいて、資金需要を表す市場成長率を縦軸、そして、横軸には稼ぐ力を表す相対市場シェアを取ることで、事業を4つのグループに分類します。それぞれ「花形」「金のなる木」「問題児」「負け犬」という分類だったわけです。 BCGマトリックスは大変有名な分析フレームワークで、おそらく世界中のビジネススクールで必ず教えられるであろうコンセプトです。ただ、有名ではあるのですが、分析するには色々と問題があります。第1の問題点は、分析の基本単位となる事業をどう定義するかにあります。事業をどう定義するかで、市場シェアの数字は大きく変わってくるのです。例えば、乗用車という大きな括りで事業を定義すると、ダイハツとかスズキといった軽自動車のメーカーのシェアは結構小さくなります。ところが、これを軽自動車市場や軽自動車事業と定義すれば、ダイハツやスズキのマーケットシェアは50%近くになるわけです。 更に、例えば二人乗りスポーツタイプの軽自動車、かつ、マニュアル車としていくと、どんどんマーケットが小さくなるわけですが、そうするとその車種を得意とする企業からすれば、当社はナンバーワンですよと言えるわけです。ですから、如何様にも事業を定義することで、うちが相対的にナンバーワンであると言いやすくなるわけです。ところが、そうするとマーケットは非常に小さなものになってしまって、適切な分析が出来なくなってしまうという可能性があるのです。 2番目の問題点ですが、これはBCGマトリックスの縦軸に関する問題です。縦軸には市場成長率をとるのですが、それだけ成長率が高ければ資金需要が高く、逆に低ければ資金需要が小さいと解釈します。となると、どこからが高くてどこからが低いのかという問題が出てくるのです。基準がはっきりしていないといけないのですが、実はBCGマトリックスでは境界線をどう設定するべきか明確な基準が示されていません。あくまで、概念的に高い低いとしか言われていないのです。 そして3つ目が、横軸に関する問題です。横軸には、相対市場シェアをとるのですが、シェアが高い程競争力も高く、かつ、稼ぐ力も強いと判断します。ただ、これは非常に単純化されたものの見方と言わざるをえません。例えば、世界の自動車市場においてBMWとかポルシェは、おそらく市場シェアで言うとそんなに大きくはない筈です。しかし、稼ぐ力が弱いかと言うとそんなことは全くないわけです。ですから、市場シェアが競争力に直結すると言えるのは、製品の均質化が進んで、最後は価格競争力が物を言うような、そういった業界に限られてくるわけです。 今日のまとめです。今日は多角化により多数の事業を抱える企業における事業間の経営資源配分のツールについてお話をしました。BCGマトリックスは、市場成長率と相対市場シェアの二つの軸によって、効率的な資源配分を提案するというものです。ただし、事業定義の問題であったり市場成長率の高さの判断をどうするか、相対市場シェアの解釈をどうするかといった点で問題を抱えています。BCGマトリックスは大変有名なマネジメントツールではあるのですが、その利用には十分注意して頂きたいと思います。
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