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弱いつながりの強さがもたらすイノベーションの種

 
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今回は、巷でよく言われる「多様性がイノベーションを生み出すための鍵となる」という現象、これがなぜ起こるのかについて考えていきたいと思います。まず、イノベーションはゼロから突然立ち現われるものではなく、今既に存在しているアイデアや知識を、これまでに無かった形で結びつけることによって生み出されます。つまり、自分一人であるいは自組織の中だけでいくら考えを巡らせても、そもそも構造的にイノベーションには結実しがたいわけです。それよりも、自分以外の他者や自組織の外にいる異業種・他分野の人々と情報交換をして、新しい結びつきを探ることがイノベーション創出のために欠かせない活動となります。 こうした人と人との結びつきやつながりについて多くの研究を行ったのが、社会学者のマーク・グラノヴェッターという人です。彼は、人脈や交友関係といった人のつながりを強弱で区別して、「弱いつながり」こそが組織に重要な気付きをもたらすと指摘しました。「弱いつながり」とは、知人や顔見知りといった交流の密度や頻度が低く、普段の仕事や生活の範囲からすると離れた組織・文化に属する人々とのつながりを指します。一方、「強いつながり」とは、家族や親友、職場の同じ部署で働く同僚など、長い時間を共有し、濃ゆい付き合いを経て形成された人間関係のことです。 この「強いつながり」からなる人間関係においてはメンバー同士が密な関係性で結ばれている為、誰かの友人は別の誰かの友人とも知り合いであり、共通の友人が多いという特徴があります。これは一緒の時間を楽しく過ごすには大変望ましい特徴なのですけれど、実はイノベーションを生み出すという点においてはかえってマイナスに働きます。なぜだか分かりますか? これは、密な友人関係にある人同士は、性格的にも似ているところが多く、興味の対象も同じである場合が多いので、結果として新しい発想が生み出しにくいからなんです。このため、そういった人たちの間ではそもそも情報を交換するというモチベーション自体あまりありません。言わなくても分かっているという事が、そもそもそこでの居心地の良さの源になっているので、実際に「こういう事があってね」と水を向けた時にも、「ああそれね」「知ってる、知ってる」と言われる事が多くなります。そのため、「強いつながり」から成る人間関係は、新しい情報の探索よりもそれまでの思い出を振り返ったり、現状を確認したりするといったことがコミュニケーションの中心的な話題になりがちです。 一方で「弱いつながり」から成る人間関係というのは、ある人が知っている情報は、その人にとっては常識に近い当たり前の話であっても、他の人にとっては初耳で非常に斬新なものとして受け止められる可能性が高いわけです。そのため、情報を交換するモチベーションが自然と湧きやすく、コミュニケーションの中から斬新な気付きを得られる確率も高くなります。ただし、ここからがちょっと面白いところなんですが、社会の多様なつながりから斬新な気付きや着想を得る「だけ」では、これもやはりイノベーションにまではつながらないんです。言い換えると、弱いつながりを持つことはイノベーション創出において、必要条件ではあっても十分条件ではないという事になります。 では、弱いつながりからイノベーションに持っていくためには何が必要になるのでしょうか。それは、「強いつながり」なんです。順を追ってご説明します。まず、弱いつながりや多様なつながりから気付きや着想を得ます。すると、その次に必要になるのは、自分の組織の上層部への太いパイプになります。これについては、米国エモリー大学のペリー・スミス博士が行った有名な研究があります。彼女の研究によると、社内外に多様なネットワークを持っている人ほど、想像性に優れ、課題に対して様々な解決方法を提案できる傾向が認められました。一方で、そうして見出されたアイデアを実際に形にして、市場にプロダクトやサービスとして送り出すことができる人はまた別だったんです。この人は、社内に強い人脈を持っており、特に組織の上層部にいる部長や役員に対して何らかのつながりを持っているということをペリー・スミス博士は発見しました。ポイントになるのは、イノベーションは単にアイデアを出したらそれで終わるというものではなくて、実際に形にしてマーケットに送り出して初めて組織にとって価値になる、という点にあります。最初のきっかけとなる気付きや着想を得るには、普段あまり接していない人との「弱いつながり」が不可欠なのですけれど、それをプロダクトやサービスとして社会に実装していく段階では、社内の関係者を説得して決裁を取りつけ、稟議を通す必要があります。根回しもきっと要るでしょう。そうした泥臭いプロセスを進めるためには、社内の有力者との「強いつながり」が必要となるというわけです。 いくら良いアイデアとか発想力があっても「やってみなさい」って言ってくれる人がいないといけません。ということで「弱いつながり」も「強いつながり」もどちらも重要だということになります。ただ、これは僕の個人的な所見ですが、現在の日本の組織の多くで足りていないのは前者、つまり「弱いつながり」の方だと思います。日本企業の多くは同調圧力が強いですし、社員が内向き志向になりやすい風土が多々見受けられます。そこで社外に幅広いネットワークを持って、そこから常識外れと自組織では思われるようなアイデアをどんどん吸い上げて来る人がいれば、後は既に社内に張り巡らされている「強いつながり」を上手く活用することでイノベーションを促進していけるのではないかと思います。 今日のまとめです。人と人とのつながりには強弱があります。「強いつながり」は家族や親友、職場の同僚といった長い時間の付き合いを共有する人間関係のことで、「弱いつながり」とは交流の頻度密度が低くて、普段自分が慣れ親しんでいるものとは違う分野で活躍する人とのネットワークを指します。イノベーションを生み出すにはこの両方が必要です。まず「弱いつながり」から斬新なアイデアを得て、次にそれを社会実装するときには社内の「強いつながり」を活用して関係者を巻き込んでいくという二段階のプロセスが必要になります。
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今回は、巷でよく言われる「多様性がイノベーションを生み出すための鍵となる」という現象、これがなぜ起こるのかについて考えていきたいと思います。まず、イノベーションはゼロから突然立ち現われるものではなく、今既に存在しているアイデアや知識を、これまでに無かった形で結びつけることによって生み出されます。つまり、自分一人であるいは自組織の中だけでいくら考えを巡らせても、そもそも構造的にイノベーションには結実しがたいわけです。それよりも、自分以外の他者や自組織の外にいる異業種・他分野の人々と情報交換をして、新しい結びつきを探ることがイノベーション創出のために欠かせない活動となります。 こうした人と人との結びつきやつながりについて多くの研究を行ったのが、社会学者のマーク・グラノヴェッターという人です。彼は、人脈や交友関係といった人のつながりを強弱で区別して、「弱いつながり」こそが組織に重要な気付きをもたらすと指摘しました。「弱いつながり」とは、知人や顔見知りといった交流の密度や頻度が低く、普段の仕事や生活の範囲からすると離れた組織・文化に属する人々とのつながりを指します。一方、「強いつながり」とは、家族や親友、職場の同じ部署で働く同僚など、長い時間を共有し、濃ゆい付き合いを経て形成された人間関係のことです。 この「強いつながり」からなる人間関係においてはメンバー同士が密な関係性で結ばれている為、誰かの友人は別の誰かの友人とも知り合いであり、共通の友人が多いという特徴があります。これは一緒の時間を楽しく過ごすには大変望ましい特徴なのですけれど、実はイノベーションを生み出すという点においてはかえってマイナスに働きます。なぜだか分かりますか? これは、密な友人関係にある人同士は、性格的にも似ているところが多く、興味の対象も同じである場合が多いので、結果として新しい発想が生み出しにくいからなんです。このため、そういった人たちの間ではそもそも情報を交換するというモチベーション自体あまりありません。言わなくても分かっているという事が、そもそもそこでの居心地の良さの源になっているので、実際に「こういう事があってね」と水を向けた時にも、「ああそれね」「知ってる、知ってる」と言われる事が多くなります。そのため、「強いつながり」から成る人間関係は、新しい情報の探索よりもそれまでの思い出を振り返ったり、現状を確認したりするといったことがコミュニケーションの中心的な話題になりがちです。 一方で「弱いつながり」から成る人間関係というのは、ある人が知っている情報は、その人にとっては常識に近い当たり前の話であっても、他の人にとっては初耳で非常に斬新なものとして受け止められる可能性が高いわけです。そのため、情報を交換するモチベーションが自然と湧きやすく、コミュニケーションの中から斬新な気付きを得られる確率も高くなります。ただし、ここからがちょっと面白いところなんですが、社会の多様なつながりから斬新な気付きや着想を得る「だけ」では、これもやはりイノベーションにまではつながらないんです。言い換えると、弱いつながりを持つことはイノベーション創出において、必要条件ではあっても十分条件ではないという事になります。 では、弱いつながりからイノベーションに持っていくためには何が必要になるのでしょうか。それは、「強いつながり」なんです。順を追ってご説明します。まず、弱いつながりや多様なつながりから気付きや着想を得ます。すると、その次に必要になるのは、自分の組織の上層部への太いパイプになります。これについては、米国エモリー大学のペリー・スミス博士が行った有名な研究があります。彼女の研究によると、社内外に多様なネットワークを持っている人ほど、想像性に優れ、課題に対して様々な解決方法を提案できる傾向が認められました。一方で、そうして見出されたアイデアを実際に形にして、市場にプロダクトやサービスとして送り出すことができる人はまた別だったんです。この人は、社内に強い人脈を持っており、特に組織の上層部にいる部長や役員に対して何らかのつながりを持っているということをペリー・スミス博士は発見しました。ポイントになるのは、イノベーションは単にアイデアを出したらそれで終わるというものではなくて、実際に形にしてマーケットに送り出して初めて組織にとって価値になる、という点にあります。最初のきっかけとなる気付きや着想を得るには、普段あまり接していない人との「弱いつながり」が不可欠なのですけれど、それをプロダクトやサービスとして社会に実装していく段階では、社内の関係者を説得して決裁を取りつけ、稟議を通す必要があります。根回しもきっと要るでしょう。そうした泥臭いプロセスを進めるためには、社内の有力者との「強いつながり」が必要となるというわけです。 いくら良いアイデアとか発想力があっても「やってみなさい」って言ってくれる人がいないといけません。ということで「弱いつながり」も「強いつながり」もどちらも重要だということになります。ただ、これは僕の個人的な所見ですが、現在の日本の組織の多くで足りていないのは前者、つまり「弱いつながり」の方だと思います。日本企業の多くは同調圧力が強いですし、社員が内向き志向になりやすい風土が多々見受けられます。そこで社外に幅広いネットワークを持って、そこから常識外れと自組織では思われるようなアイデアをどんどん吸い上げて来る人がいれば、後は既に社内に張り巡らされている「強いつながり」を上手く活用することでイノベーションを促進していけるのではないかと思います。 今日のまとめです。人と人とのつながりには強弱があります。「強いつながり」は家族や親友、職場の同僚といった長い時間の付き合いを共有する人間関係のことで、「弱いつながり」とは交流の頻度密度が低くて、普段自分が慣れ親しんでいるものとは違う分野で活躍する人とのネットワークを指します。イノベーションを生み出すにはこの両方が必要です。まず「弱いつながり」から斬新なアイデアを得て、次にそれを社会実装するときには社内の「強いつながり」を活用して関係者を巻き込んでいくという二段階のプロセスが必要になります。
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