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弱いつながりの弱み

 
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今日は「ネットワーク科学」に関するトピックをご紹介します。 「ネットワーク科学」は、世の中の様々な現象を点と線の繋がりとして捉えて、その特質を研究していく学問です。例えば、人間関係は1人1人を点、友人や知人といった関係性を線で表したネットワークとして捉えることができます。前回、新規性のある情報やアイデアを獲得する際には、普段あまり付き合いのない相手との繋がりが重要となるという話をしました。これはいわゆる「弱い繋がりの強み」といわれる現象です。一方で、繋がりが弱いがゆえの弱点もあります。今回は、「弱い繋がりの弱み」についてお話します。 アメリカの社会心理学者であるスタンレー・ミルグラムが、個人的に全く面識のない相手に対して手紙を送ってほしいと一般の住民の方にお願いをするという実験を行いました。アメリカの中西部からボストンという大陸をまたいだ手紙のやり取りだったのですが、なんと3割の手紙が実際に届くという結果になりました。しかも、平均すると約6人を介して手紙が届いた事から、「スモール・ワールド現象」「六次の隔たり」と呼ばれるようになりました。 ネットワークを通じて情報を伝達するというケースで失敗する要因には、大まかに2つあると考えられています。1つは、「人間に関する要因(人的要因)」です。要するに、情報の送り手が情報伝達をうっかり忘れてしまったり、面倒に思って放置してしまったり、宛先を間違えてしまったりといったものです。回覧板が途中で回らなくなるなんてこともありますが、それもこの一例です。 2つ目の要因としては、「構造的な要因」があると考えられています。構造とは、要するにネットワーク上繋がっていなかったという話です。ネットワークの構造上繋がってはいない相手に対しては、誰に手紙を託したところでやはり届かないとある種当たり前の要因です。 こうした「弱い繋がりの弱点」を検証した人がいます。社会ネットワーク研究の第一人者ともいえる関西大学の安田 雪教授です。彼女は、ネットワークにおける情報伝達の失敗要因を検証するために実験を行いました。実験参加者は17名と小規模ですが予めこの17名の方にアンケートを行い、誰が誰の知り合いかということを事前に把握しておきます。そして、「繋がりの強さ」、親しい知人なのか、知ってはいるけどさほど親しくはないのか、全く知り合いではないのかといった情報を確認しました。こうして事前にこの17名の知人関係のネットワークを明らかにした上で、17名の方に、自分以外の16名の人にメッセージを送ってもらいました。あの相手だったらこの人にお願いする。別の人だったらこの人にお願いしたら届くのではないかという具合に指名していくわけです。もし自分が直接知っている相手であれば自分で直接お手紙を渡すという形で、まさにミルグラムがやったような伝言ゲームを行いました。細かい数字は省略しますが、その結果、メッセージは全メッセージの約22%しか届きませんでした。17名が自分以外の16人に送ると組み合わせ上272本のメッセージの送り方があるわけですが、実際に届いたのはその内の2割強に留まったわけです。 その原因について、安田教授がいくつか考察をしています。まずは知人がいない人にメッセージを送ってしまった。その結果、メッセージが途中で行き止まりになってしまったといわれるネットワークの構造上の問題に原因があったという考察です。この実験に参加した人は、全員が全員知り合いというわけではないため、仕方のない面はありました。とはいえ、送る側の人が相手に知人がいない事を知らずにメッセージを託したとすると、知人の人間関係に関する知識が足りなかったともいえます。もう1つ考えられる原因は、ある種情報がループしてしまうということです。これは、知人間でメッセージがAさんからBさんへ、BさんからCさんへ、CさんからまたAさんに戻ってしまうパターンです。拡散していかないケースは、繋がりが弱い知人同士でしばしば生じました。要するに、繋がりの強い相手であれば、その相手が誰を知っているかもある程度知っている可能性が高いです。知人の知人関係まで把握出来ているかどうかも実験結果に関係している可能性があるということです。 では、今日のまとめです。 人間関係において、繋がりの弱い相手からは普段触れる事の少ない新規性の高い情報が得られるため、弱い繋がりの強みが存在するといわれています。一方で、情報の伝達という点では、繋がりの弱い相手の知人関係までは把握出来ないため、情報伝達が途中で行き止まりになったり、情報が知人間でループしてターゲットまで届かなかったりという可能性が高まってしまいます。これを、「弱い繋がりの弱み」というわけです。ネットワークにおける繋がりの強さには、プラス、マイナスの両方の効果がある事を踏まえた上で、ネットワークを活用する事が重要といえると思います。
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今日は「ネットワーク科学」に関するトピックをご紹介します。 「ネットワーク科学」は、世の中の様々な現象を点と線の繋がりとして捉えて、その特質を研究していく学問です。例えば、人間関係は1人1人を点、友人や知人といった関係性を線で表したネットワークとして捉えることができます。前回、新規性のある情報やアイデアを獲得する際には、普段あまり付き合いのない相手との繋がりが重要となるという話をしました。これはいわゆる「弱い繋がりの強み」といわれる現象です。一方で、繋がりが弱いがゆえの弱点もあります。今回は、「弱い繋がりの弱み」についてお話します。 アメリカの社会心理学者であるスタンレー・ミルグラムが、個人的に全く面識のない相手に対して手紙を送ってほしいと一般の住民の方にお願いをするという実験を行いました。アメリカの中西部からボストンという大陸をまたいだ手紙のやり取りだったのですが、なんと3割の手紙が実際に届くという結果になりました。しかも、平均すると約6人を介して手紙が届いた事から、「スモール・ワールド現象」「六次の隔たり」と呼ばれるようになりました。 ネットワークを通じて情報を伝達するというケースで失敗する要因には、大まかに2つあると考えられています。1つは、「人間に関する要因(人的要因)」です。要するに、情報の送り手が情報伝達をうっかり忘れてしまったり、面倒に思って放置してしまったり、宛先を間違えてしまったりといったものです。回覧板が途中で回らなくなるなんてこともありますが、それもこの一例です。 2つ目の要因としては、「構造的な要因」があると考えられています。構造とは、要するにネットワーク上繋がっていなかったという話です。ネットワークの構造上繋がってはいない相手に対しては、誰に手紙を託したところでやはり届かないとある種当たり前の要因です。 こうした「弱い繋がりの弱点」を検証した人がいます。社会ネットワーク研究の第一人者ともいえる関西大学の安田 雪教授です。彼女は、ネットワークにおける情報伝達の失敗要因を検証するために実験を行いました。実験参加者は17名と小規模ですが予めこの17名の方にアンケートを行い、誰が誰の知り合いかということを事前に把握しておきます。そして、「繋がりの強さ」、親しい知人なのか、知ってはいるけどさほど親しくはないのか、全く知り合いではないのかといった情報を確認しました。こうして事前にこの17名の知人関係のネットワークを明らかにした上で、17名の方に、自分以外の16名の人にメッセージを送ってもらいました。あの相手だったらこの人にお願いする。別の人だったらこの人にお願いしたら届くのではないかという具合に指名していくわけです。もし自分が直接知っている相手であれば自分で直接お手紙を渡すという形で、まさにミルグラムがやったような伝言ゲームを行いました。細かい数字は省略しますが、その結果、メッセージは全メッセージの約22%しか届きませんでした。17名が自分以外の16人に送ると組み合わせ上272本のメッセージの送り方があるわけですが、実際に届いたのはその内の2割強に留まったわけです。 その原因について、安田教授がいくつか考察をしています。まずは知人がいない人にメッセージを送ってしまった。その結果、メッセージが途中で行き止まりになってしまったといわれるネットワークの構造上の問題に原因があったという考察です。この実験に参加した人は、全員が全員知り合いというわけではないため、仕方のない面はありました。とはいえ、送る側の人が相手に知人がいない事を知らずにメッセージを託したとすると、知人の人間関係に関する知識が足りなかったともいえます。もう1つ考えられる原因は、ある種情報がループしてしまうということです。これは、知人間でメッセージがAさんからBさんへ、BさんからCさんへ、CさんからまたAさんに戻ってしまうパターンです。拡散していかないケースは、繋がりが弱い知人同士でしばしば生じました。要するに、繋がりの強い相手であれば、その相手が誰を知っているかもある程度知っている可能性が高いです。知人の知人関係まで把握出来ているかどうかも実験結果に関係している可能性があるということです。 では、今日のまとめです。 人間関係において、繋がりの弱い相手からは普段触れる事の少ない新規性の高い情報が得られるため、弱い繋がりの強みが存在するといわれています。一方で、情報の伝達という点では、繋がりの弱い相手の知人関係までは把握出来ないため、情報伝達が途中で行き止まりになったり、情報が知人間でループしてターゲットまで届かなかったりという可能性が高まってしまいます。これを、「弱い繋がりの弱み」というわけです。ネットワークにおける繋がりの強さには、プラス、マイナスの両方の効果がある事を踏まえた上で、ネットワークを活用する事が重要といえると思います。
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