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中央銀行電子通貨とリブラ(1)

 
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最近、中央銀行によるデジタル通貨発行への動きが話題になっています。背景には、昨年、Facebookが公表したデジタル通貨「リブラ」の発行計画があることがあったり、またそのこととも関係して、中国がデジタル人民元を導入する構想を表明していることに対する警戒感があるとも言われています。今回と次回の二回は、リブラと中央銀行のデジタル通貨についてお話したいと思います。 中央銀行の発行するデジタル通貨はCBDC(Central Bank Digital Currency)と呼ばれますが、昨年末には日銀や欧州中央銀行等複数の先進国中央銀行が、その発行に向けた共同研究に着手するという報道がありました。音頭を取ったのはイギリスの中央銀行ですが、他にも独自にCBDC発行計画を持っているスウェーデンの中央銀行や、スイス、カナダの中央銀行、そして国際決済銀行(BIS)などが参加の予定です。共同研究では、CBDCの利点や課題、それに対しての対応策等について議論することになっていますが、メンバーの中にアメリカの中央銀行であるFRBが含まれてないという事で憶測を呼びました。 CBDCは、これまでの中央銀行が発行する普通の通貨の様に貨幣の鋳造がなされる訳ではなく、また、流通が中銀を中心とした銀行システムの元帳で管理されるのでもなくて、ブロックチェーンと呼ばれる複数のコンピューターによるネットワーク上に設けられる分散型台帳も用いてデジタル技術で管理されることが想定されています。ブロックチェーンはビットコインのお話をした時に触れましたが、銀行システムや紙幣や硬貨の印刷・鋳造が必要なければ、効率性が飛躍的に高まる上に、コストも節約できることになります。しかし一方では、CBDCの下で仮に通貨の所有者が中銀に直接口座を持つようなことになると、これまで銀行システムが担ってきた金融政策における役割を誰がどういう形で担うのか、取引に関わる個人情報の保護をどう図るかなど、解決されるべき課題も少なくありません。 今回、各国の中銀における共同研究のきっかけは、Facebookが昨年6月に自社の交流サイトで、利用者向けに独自の決済手段"リブラ"を提供するという計画を発表したことでした。この時の発表によると、リブラはビットコインなどの仮想通貨(今では暗号資産と呼ばれる)と比較した場合、ブロックチェーン技術を用いて流通を管理するので効率的であるという点や、国際決済手段として用いればビットコイン同様に為替リスクや高い取扱手数料が必要ないという利便性を持つという点では共通していますが、複数の既存通貨を内容とするバスケットを裏付けに発行される(当初の構想)ステーブル通貨の一つなので、既存通貨に対してビットコインの様には大幅な変動をしにくいという特徴を持ちます。ビットコイン等は、既存通貨の裏付けは持たずにコンピューターのアルゴリズムに基づいて行われる発行量の管理のみを価値の拠り所としているため、需要の増減によって価値が大きく変動しやすいという特徴があります。 そして何といっても、世界で27億人もの利用者を持つFacebookというSNS事業者による構想ということで信頼感もある事から、大きな反響を呼びました。一旦導入されれば急速に広がって既存通貨での取引に取って代わる事も考えられます。しかし、そうなるとビットコインなどについて懸念されているマネーロンダリングの問題ばかりでなくて、これまで既存通貨の需給操作を通じて行ってきた当局による金融政策の効果も失われてしまうということが懸念されています。それ故に各国当局が強く警戒感を示し、今回の共同研究という動きになった訳ですが、Facebookのザッカーバーグは「当局の承認が得られなければリブラをスタートしない」ことをアメリカ議会で約束させられています。 今回の共同研究に至ったもう一つの背景とされるのが、中国人民銀行によるCBDC、デジタル人民元の発行計画です。中国は2014年にこの研究に着手し、既に基本設計を終えて、2020年には実証研究を本格化させる予定を明らかにしています。中国は2000年代に入って既存の基軸通貨であるドルに対抗するかの如く人民元の国際化を進めてきましたが、経済の成長を背景に存在感を増しつつある人民元がデジタル化によって利便性を高めると、国際通貨としての大きな魅力を持つことが考えられます。 いずれにせよ、デジタル通貨の利便性の高さを考えると、従来のアナログ通貨の役割が取って代わられるのは時間の問題という見方もできます。だからと言って、政府のコントロールが及ばない形でデジタル通貨が発行され、既存通貨から大量の取引シフトが起きれば、中銀が金融政策の手段を失うばかりか、既存の金融システム自体の崩壊にも繋がりかねません。秩序を保つための先手を打つのか、或いはデジタル通貨の持つ弱点を見極めるのか、目的はいずれにしても、各国中銀としては黙視してはいられなかったということだと思います。 デジタル技術によって、少し前まで想像出来なかったような高い利便性が決済システムにもたらされつつあるのは事実ですが、まだ、実際のシステムの根幹は長年に亘って改良を積み重ねてきたアナログ技術を前提としています。それ故、革新的技術を実際に全面導入するとなると、解決しなければならない問題も多く出てきます。ある意味、完全自動運転の自動車にも少し似たところがあるかもしれません。 今日のまとめです。日銀など主要国中央銀行が中銀デジタル通貨(CBDC)の共同研究に踏み切った背景には、Facebookがデジタル決済手段リブラの提供を表明するなど、決済手段のデジタル技術への移行を無視出来なくなったことがあります。ただ、デジタル通貨決済は、非常に利便性の高い技術ではあるものの、全面的な導入に向けてはまだ取り組むべき課題も多いと言えます。
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最近、中央銀行によるデジタル通貨発行への動きが話題になっています。背景には、昨年、Facebookが公表したデジタル通貨「リブラ」の発行計画があることがあったり、またそのこととも関係して、中国がデジタル人民元を導入する構想を表明していることに対する警戒感があるとも言われています。今回と次回の二回は、リブラと中央銀行のデジタル通貨についてお話したいと思います。 中央銀行の発行するデジタル通貨はCBDC(Central Bank Digital Currency)と呼ばれますが、昨年末には日銀や欧州中央銀行等複数の先進国中央銀行が、その発行に向けた共同研究に着手するという報道がありました。音頭を取ったのはイギリスの中央銀行ですが、他にも独自にCBDC発行計画を持っているスウェーデンの中央銀行や、スイス、カナダの中央銀行、そして国際決済銀行(BIS)などが参加の予定です。共同研究では、CBDCの利点や課題、それに対しての対応策等について議論することになっていますが、メンバーの中にアメリカの中央銀行であるFRBが含まれてないという事で憶測を呼びました。 CBDCは、これまでの中央銀行が発行する普通の通貨の様に貨幣の鋳造がなされる訳ではなく、また、流通が中銀を中心とした銀行システムの元帳で管理されるのでもなくて、ブロックチェーンと呼ばれる複数のコンピューターによるネットワーク上に設けられる分散型台帳も用いてデジタル技術で管理されることが想定されています。ブロックチェーンはビットコインのお話をした時に触れましたが、銀行システムや紙幣や硬貨の印刷・鋳造が必要なければ、効率性が飛躍的に高まる上に、コストも節約できることになります。しかし一方では、CBDCの下で仮に通貨の所有者が中銀に直接口座を持つようなことになると、これまで銀行システムが担ってきた金融政策における役割を誰がどういう形で担うのか、取引に関わる個人情報の保護をどう図るかなど、解決されるべき課題も少なくありません。 今回、各国の中銀における共同研究のきっかけは、Facebookが昨年6月に自社の交流サイトで、利用者向けに独自の決済手段"リブラ"を提供するという計画を発表したことでした。この時の発表によると、リブラはビットコインなどの仮想通貨(今では暗号資産と呼ばれる)と比較した場合、ブロックチェーン技術を用いて流通を管理するので効率的であるという点や、国際決済手段として用いればビットコイン同様に為替リスクや高い取扱手数料が必要ないという利便性を持つという点では共通していますが、複数の既存通貨を内容とするバスケットを裏付けに発行される(当初の構想)ステーブル通貨の一つなので、既存通貨に対してビットコインの様には大幅な変動をしにくいという特徴を持ちます。ビットコイン等は、既存通貨の裏付けは持たずにコンピューターのアルゴリズムに基づいて行われる発行量の管理のみを価値の拠り所としているため、需要の増減によって価値が大きく変動しやすいという特徴があります。 そして何といっても、世界で27億人もの利用者を持つFacebookというSNS事業者による構想ということで信頼感もある事から、大きな反響を呼びました。一旦導入されれば急速に広がって既存通貨での取引に取って代わる事も考えられます。しかし、そうなるとビットコインなどについて懸念されているマネーロンダリングの問題ばかりでなくて、これまで既存通貨の需給操作を通じて行ってきた当局による金融政策の効果も失われてしまうということが懸念されています。それ故に各国当局が強く警戒感を示し、今回の共同研究という動きになった訳ですが、Facebookのザッカーバーグは「当局の承認が得られなければリブラをスタートしない」ことをアメリカ議会で約束させられています。 今回の共同研究に至ったもう一つの背景とされるのが、中国人民銀行によるCBDC、デジタル人民元の発行計画です。中国は2014年にこの研究に着手し、既に基本設計を終えて、2020年には実証研究を本格化させる予定を明らかにしています。中国は2000年代に入って既存の基軸通貨であるドルに対抗するかの如く人民元の国際化を進めてきましたが、経済の成長を背景に存在感を増しつつある人民元がデジタル化によって利便性を高めると、国際通貨としての大きな魅力を持つことが考えられます。 いずれにせよ、デジタル通貨の利便性の高さを考えると、従来のアナログ通貨の役割が取って代わられるのは時間の問題という見方もできます。だからと言って、政府のコントロールが及ばない形でデジタル通貨が発行され、既存通貨から大量の取引シフトが起きれば、中銀が金融政策の手段を失うばかりか、既存の金融システム自体の崩壊にも繋がりかねません。秩序を保つための先手を打つのか、或いはデジタル通貨の持つ弱点を見極めるのか、目的はいずれにしても、各国中銀としては黙視してはいられなかったということだと思います。 デジタル技術によって、少し前まで想像出来なかったような高い利便性が決済システムにもたらされつつあるのは事実ですが、まだ、実際のシステムの根幹は長年に亘って改良を積み重ねてきたアナログ技術を前提としています。それ故、革新的技術を実際に全面導入するとなると、解決しなければならない問題も多く出てきます。ある意味、完全自動運転の自動車にも少し似たところがあるかもしれません。 今日のまとめです。日銀など主要国中央銀行が中銀デジタル通貨(CBDC)の共同研究に踏み切った背景には、Facebookがデジタル決済手段リブラの提供を表明するなど、決済手段のデジタル技術への移行を無視出来なくなったことがあります。ただ、デジタル通貨決済は、非常に利便性の高い技術ではあるものの、全面的な導入に向けてはまだ取り組むべき課題も多いと言えます。
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