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組織の求心力を高めるための仕掛けとは

 
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これまで多様性を上手く活用出来る組織づくりを進めることでイノベーションの創出が促進され、業績が上向くといったお話をしてきました。しかし、「多様性を活かす」と口で言うのは簡単なのですけれど、実際にはなかなか一筋縄ではいかない。これはもう、皆さんよくご存知だと思います。そもそもの定義からして多様性にあふれる組織というのは、経験も考え方も違う、働く上での動機も条件も違う、そういった人が集まっているので、そのままでは共通の土台となるものが欠落していて、コミュニケーションもぎくしゃくしてしまいがちだからです。そうした状態を打破して、多様性がもたらすメリットを組織の力へ変えるには、様々な考え方や価値観を一つのベクトルにまとめるためのアイデンティティが重要な鍵を握ります。「アイデンティティ」とは、やや堅苦しい単語ですけれども、要はその人が自分をどういった存在として認識しているか、言い換えると自己イメージのこととお考え下さい。 人は幾つものアイデンティティを持ち合わせており、場面状況に応じて特に意識するものが変わってきます。それによって、思考や行動も影響を受けていく。例えば僕の場合であれば、家族と過ごすときには夫あるいは父としてのアイデンティティが前面に出てきますし、その結果夫らしくあるいは父親らしく振舞うようになっています。学会に足を運べば今度は研究者・学者としてのアイデンティティを強く感じ、多分ですけど無意識の内にそれらしい思考だとか行動が表れやすくなっていると思います。さらに、人は他者と接したときに、自分にとって重要なアイデンティティの中で共通する部分があると感じるかどうかでその人とのコミュニケーションの仕方が変化するという事が知られています。具体的には、人は相手と共通のアイデンティティを感じると、彼女ないし彼に対する親近感を感じて、よりオープンで建設的なやりとりを自然とできるようになるという事が研究によって示されています。この傾向を上手く活用すると、先程述べた「多様性あふれるメンバーを一つのベクトルにまとめる難しさ」を克服することが出来ます。つまり、多様な考え方や価値観を持つメンバー間に何か共通のアイデンティティを確立できれば、それが拠りどころとなってお互いに異なる知識やスキル、考え方などを上手く活かしあう事がよりし易くなるというわけなのです。 それでは、そういった共通のアイデンティティを確立する上で効果的な仕掛けにどういったものが考えられるか、ちょっと見ていきましょう。何か一つの正解があるというわけではなくて、色々なアプローチが考えられるのですけれど、その中でも特に強力な仕掛けとして、「他の組織では通用しない独自の共通言語やルールを作る」というものがあります。人は、コミュニケーションの中で使用される言語や立ち居振る舞いの癖などを通して安心できる相手かどうか判断します。そのため、自分達の中でのみ通用する、つまりそれを使うという事はイコール自組織のメンバーであるということが半自動的に分かるような独自の用語だとかルール・行動規範を作ることで、アイデンティティを強めることができるというわけです。この時、ごく一般的に見られるような言葉や習慣ではアイデンティティの拠りどころとはならないという点にご留意ください。むしろ、直感的には理解することが難しい、しかしよくよく紐解いてみると、自分達の組織が重視する価値観につながるようなショッキングなルールを設定することが、自組織を他のグループから際立たせて強いアイデンティティを確立するための鍵となります。 これから何回かに分けて色々ご説明していこうと思うのですけれど、今日は、ビジネスとは異なる文脈のものをご紹介させてください。世界史の中では唯一成功した奴隷による国家独立を成し遂げたハイチ革命というものがありまして、この指導者のトゥーサン・ルーヴェンチュールという人の話になります。ルーヴェンチュールは、ハイチ革命当時、軍隊で黙認されていた、兵士や将校が遠征先で愛人を持つという事を禁止しました。当然部下からは何故なんだという声があがるわけですけれど、ルーヴェンチュールはそれに対して「我々は個人の欲望を満たすことが目的の山賊ではない。奴隷出身かもしれないが、国家独立という大義のために節度を保ち自らを律して戦える。これを身を以て示すのだ」と訴えました。その結果、革命軍の兵士たちからすると、戦っている相手軍は目の前で愛人を囲っているわけです。自分達は全員それを控えて律している。これによって強烈な仲間意識が芽生え、自分達の行動に誇りを持った革命軍の兵士たちは高い士気を保つことができ、そのまま独立を勝ち取ったというお話です。 このように、組織の誰もが最初は何故そんなことをと疑問に感じるようなルールを定めることは、自組織に強いアイデンティティを確立させるのに非常に効果的となります。もちろん、単に奇抜な規則を作っても意味はありません。あくまでも、説明されれば納得できる、組織のビジョンやミッションに紐づいたルールであることが大前提となります。こうしたショッキングなルールは、特に組織が成長して大きくなった時に重要な仕掛けとして機能します。何故なら、リーダーの目と声が直接届く範囲よりも大きな組織において共通のアイデンティティを維持するには、リーダー以外のメンバーが組織の価値観や信念を新しいメンバーに伝えていく必要があるからです。ショッキングなルールを定めていると、新入社員が入ってきた時に「このルールには、一体どんな意図があるのですか」「なんでこういう事をするのですか」と思わず尋ねることになりますね。そうすると、既存のメンバーの方が、「うん、それはね...」と言って、ルールの背景にある組織のビジョンとかミッションを伝える機会が自然と生まれます。そうするとリーダーが一人一人に話をしていかなくても、自然と組織の価値観が伝播していき、共通のアイデンティティが培われてくるようになるという仕掛けです。 今日のまとめです。多様性を活かすには様々な考え方や価値観を一つのベクトルにまとめる必要があり、そのためには、メンバー間に共通のアイデンティティを確立することが効果的です。アイデンティティを確立するためには直感的には理解することが難しい、しかし実は組織のビジョンやミッションに紐づくショッキングなルールを定めることが効果的です。ショッキングなルールを設定すると、自組織と他のグループの違いが際立ち、メンバー間に強い仲間意識とアイデンティティが芽生えます。
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これまで多様性を上手く活用出来る組織づくりを進めることでイノベーションの創出が促進され、業績が上向くといったお話をしてきました。しかし、「多様性を活かす」と口で言うのは簡単なのですけれど、実際にはなかなか一筋縄ではいかない。これはもう、皆さんよくご存知だと思います。そもそもの定義からして多様性にあふれる組織というのは、経験も考え方も違う、働く上での動機も条件も違う、そういった人が集まっているので、そのままでは共通の土台となるものが欠落していて、コミュニケーションもぎくしゃくしてしまいがちだからです。そうした状態を打破して、多様性がもたらすメリットを組織の力へ変えるには、様々な考え方や価値観を一つのベクトルにまとめるためのアイデンティティが重要な鍵を握ります。「アイデンティティ」とは、やや堅苦しい単語ですけれども、要はその人が自分をどういった存在として認識しているか、言い換えると自己イメージのこととお考え下さい。 人は幾つものアイデンティティを持ち合わせており、場面状況に応じて特に意識するものが変わってきます。それによって、思考や行動も影響を受けていく。例えば僕の場合であれば、家族と過ごすときには夫あるいは父としてのアイデンティティが前面に出てきますし、その結果夫らしくあるいは父親らしく振舞うようになっています。学会に足を運べば今度は研究者・学者としてのアイデンティティを強く感じ、多分ですけど無意識の内にそれらしい思考だとか行動が表れやすくなっていると思います。さらに、人は他者と接したときに、自分にとって重要なアイデンティティの中で共通する部分があると感じるかどうかでその人とのコミュニケーションの仕方が変化するという事が知られています。具体的には、人は相手と共通のアイデンティティを感じると、彼女ないし彼に対する親近感を感じて、よりオープンで建設的なやりとりを自然とできるようになるという事が研究によって示されています。この傾向を上手く活用すると、先程述べた「多様性あふれるメンバーを一つのベクトルにまとめる難しさ」を克服することが出来ます。つまり、多様な考え方や価値観を持つメンバー間に何か共通のアイデンティティを確立できれば、それが拠りどころとなってお互いに異なる知識やスキル、考え方などを上手く活かしあう事がよりし易くなるというわけなのです。 それでは、そういった共通のアイデンティティを確立する上で効果的な仕掛けにどういったものが考えられるか、ちょっと見ていきましょう。何か一つの正解があるというわけではなくて、色々なアプローチが考えられるのですけれど、その中でも特に強力な仕掛けとして、「他の組織では通用しない独自の共通言語やルールを作る」というものがあります。人は、コミュニケーションの中で使用される言語や立ち居振る舞いの癖などを通して安心できる相手かどうか判断します。そのため、自分達の中でのみ通用する、つまりそれを使うという事はイコール自組織のメンバーであるということが半自動的に分かるような独自の用語だとかルール・行動規範を作ることで、アイデンティティを強めることができるというわけです。この時、ごく一般的に見られるような言葉や習慣ではアイデンティティの拠りどころとはならないという点にご留意ください。むしろ、直感的には理解することが難しい、しかしよくよく紐解いてみると、自分達の組織が重視する価値観につながるようなショッキングなルールを設定することが、自組織を他のグループから際立たせて強いアイデンティティを確立するための鍵となります。 これから何回かに分けて色々ご説明していこうと思うのですけれど、今日は、ビジネスとは異なる文脈のものをご紹介させてください。世界史の中では唯一成功した奴隷による国家独立を成し遂げたハイチ革命というものがありまして、この指導者のトゥーサン・ルーヴェンチュールという人の話になります。ルーヴェンチュールは、ハイチ革命当時、軍隊で黙認されていた、兵士や将校が遠征先で愛人を持つという事を禁止しました。当然部下からは何故なんだという声があがるわけですけれど、ルーヴェンチュールはそれに対して「我々は個人の欲望を満たすことが目的の山賊ではない。奴隷出身かもしれないが、国家独立という大義のために節度を保ち自らを律して戦える。これを身を以て示すのだ」と訴えました。その結果、革命軍の兵士たちからすると、戦っている相手軍は目の前で愛人を囲っているわけです。自分達は全員それを控えて律している。これによって強烈な仲間意識が芽生え、自分達の行動に誇りを持った革命軍の兵士たちは高い士気を保つことができ、そのまま独立を勝ち取ったというお話です。 このように、組織の誰もが最初は何故そんなことをと疑問に感じるようなルールを定めることは、自組織に強いアイデンティティを確立させるのに非常に効果的となります。もちろん、単に奇抜な規則を作っても意味はありません。あくまでも、説明されれば納得できる、組織のビジョンやミッションに紐づいたルールであることが大前提となります。こうしたショッキングなルールは、特に組織が成長して大きくなった時に重要な仕掛けとして機能します。何故なら、リーダーの目と声が直接届く範囲よりも大きな組織において共通のアイデンティティを維持するには、リーダー以外のメンバーが組織の価値観や信念を新しいメンバーに伝えていく必要があるからです。ショッキングなルールを定めていると、新入社員が入ってきた時に「このルールには、一体どんな意図があるのですか」「なんでこういう事をするのですか」と思わず尋ねることになりますね。そうすると、既存のメンバーの方が、「うん、それはね...」と言って、ルールの背景にある組織のビジョンとかミッションを伝える機会が自然と生まれます。そうするとリーダーが一人一人に話をしていかなくても、自然と組織の価値観が伝播していき、共通のアイデンティティが培われてくるようになるという仕掛けです。 今日のまとめです。多様性を活かすには様々な考え方や価値観を一つのベクトルにまとめる必要があり、そのためには、メンバー間に共通のアイデンティティを確立することが効果的です。アイデンティティを確立するためには直感的には理解することが難しい、しかし実は組織のビジョンやミッションに紐づくショッキングなルールを定めることが効果的です。ショッキングなルールを設定すると、自組織と他のグループの違いが際立ち、メンバー間に強い仲間意識とアイデンティティが芽生えます。
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