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組織社会化とは

 
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これまで何回かにわたって、企業の採用について、採用する側と職を求める側、つまり入職者の双方の観点をご説明してきました。本日は、その採用が完了して、人が組織の一員となってからのプロセスについて考えていきたいと思います。人がある組織のメンバーとなり、そこでのルールや規範を学び身につけていくプロセスの事を「組織社会化」、Organizational Socializationと言います。 組織社会化には、主に2つの側面があります。1つは、ある組織のメンバーとして、人が組織のビジョンやミッションに紐付けられた、自分が果たすべき役割を理解する。もう1つは、そうした組織が目指す方向性と、自分が持っている価値観やキャリアプランとの間で整合性のあるイメージを構築することです。言い換えると、組織が掲げるビジョンやミッション、あるいはそこで自分に求められる役割が何であるかを理解するだけでは組織社会化として不十分だということになります。その組織で働くことが自分自身にとってどんな意味合いを持つのかまで整理して、腑に落ちた、よしがんばろうと思えるようになることも組織社会化の重要な側面です。納得感というのが、人が組織というコミュニティの一員となるために欠かせない心理的な要素となります。 そして、コミュニティとしての組織への帰属意識や同僚など周囲の人々との人間関係も人の行動や考え方を大きく左右します。人は社会的動物なので、自分が所属するコミュニティの影響も非常に強く受ける為です。人が周囲から受ける影響について、いくつか興味深い研究結果がありますのでご紹介させて下さい。たとえば、肥満の問題。様々な研究から、家族や友人など親しい人間関係になる人々の中に肥満体型の人が含まれていると、自分も肥満傾向が強まるということが示されています。 あるいは、友人や先輩・後輩といった同年代の女性が妊娠しているのを見たことがある10代の少女は、自分も妊娠する確率が高くなるといった研究もあります。その他にも、大学生の成績や就職率。これについては、学生が通う大学のレベルを表すランキングだとか履修している授業の評判・教授の業績の高さといったファクターよりも、学生生活を共に過ごす時間が長い友人やルームメイトの学習態度や生活習慣の方が、ずっと大きな影響を与えるということが分かっています。ことほどさように、ヒトは自分の周囲の人々から大きな影響を受けるということです。 これは所属するコミュニティの習慣だとか規範・価値観――例えば、運動を心掛けるとか毎日机に向かって勉強するといったこと――を人は自然と取り入れて、自分の考えや行動をそこに適合させていく習性があるためだと考えられています。当然、組織における仕事や働き方も例外ではありません。職場の同僚と良好な人間関係を築くことはできるか、そこで繋がりを持った同僚や上司や部下がどんな仕事の進め方をしているか。彼女ら、彼らの仕事に対する向き合い方とモチベーションはどういったものかといったファクターは、新入社員のパフォーマンス、更には就業後3年間の離職率に強い相関を示します。これは、新卒であれ中途採用の社員であれ変わりません。 組織は、採用活動を通じて新たなメンバーを迎え入れ、彼女ないし彼が既存のメンバーと良好な人間関係を築けるように取りはからうわけですが、以上の研究から敷衍すると、チームが大事にしている価値観を伝えるといったコミュニケーションは、単に業務上の手順だとかワークフローを教えることと同様、あるいはそれ以上に重要なタスクであるということになります。 一方で、組織社会化をうまく進めていくには、個人にとって非常に困難なプロセスでもあります。それはやる気だとか素直さといった個人レベルの問題ではありません。組織社会化、つまり新しく組織の一員となって、これまで馴染みのなかったルールを憶えたり初めて会う人と人間関係をつくったりするというのは、そもそもヒトにとって難易度が高いミッションだからです。 ヒトは過去に何度も経験したことがあり、それを実行するために多くの情報が参照可能で、かつ、タスクを進めるにつれてリアルタイムにフィードバックが得られるといった条件が揃った活動については、わりとスムーズに学習し向上していくことができます。逆に、これまでに経験したことがない、あるいは遠い過去に1~2回経験しただけである、何をどうすればいいかについて具体的な情報が乏しく、さらに、そこで自分がとった行動についてそれが正しかったのかどうかを判別するのに時間が掛かるといった条件が揃うと、人はなかなか学習することができません。先ほどお話したように、これは個人のやる気だとかそういったものではなくて、人の学習プロセスや脳の構造の問題になります。組織社会化をそう何度も頻繁に経験する人というのは、まあいないわけです。 組織社会化は、そもそも熟達することは構造的に難しいものなのです。これは他にも、例えば家を購入するであるとか、大きな病気にかかって最終的に手術をするのかそれとも別の治療法を選択するのかを自分で決断しないといけない場合も同様です。つまり、人生でそう何度も経験しない大きなプロセスについては、基本的にうまくできなくて当たり前、なぜならそれに習熟するチャンスそのものが存在しないから、ということになります。したがって、組織社会化というプロセスは、組織にとっても個人にとっても重要だけれども、個人の側が独力でそれに習熟し、上達するには限界がある、ということになります。それではどうしたらいいのかという疑問について、次回以降お答えしていこうと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いします。 今日のまとめです。人が組織の一員となって、そこでのルールや規範を学び、身につけていくプロセスのことを組織社会化と言います。組織社会化がうまくいって、周囲の人と良好な関係を築き、コミュニティに適応できると人の精神状態や仕事のパフォーマンスは大きく向上します。しかし、組織社会化は人生において経験する機会が限られており、個人の努力だけでは習熟するのが難しいプロセスでもあります。
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これまで何回かにわたって、企業の採用について、採用する側と職を求める側、つまり入職者の双方の観点をご説明してきました。本日は、その採用が完了して、人が組織の一員となってからのプロセスについて考えていきたいと思います。人がある組織のメンバーとなり、そこでのルールや規範を学び身につけていくプロセスの事を「組織社会化」、Organizational Socializationと言います。 組織社会化には、主に2つの側面があります。1つは、ある組織のメンバーとして、人が組織のビジョンやミッションに紐付けられた、自分が果たすべき役割を理解する。もう1つは、そうした組織が目指す方向性と、自分が持っている価値観やキャリアプランとの間で整合性のあるイメージを構築することです。言い換えると、組織が掲げるビジョンやミッション、あるいはそこで自分に求められる役割が何であるかを理解するだけでは組織社会化として不十分だということになります。その組織で働くことが自分自身にとってどんな意味合いを持つのかまで整理して、腑に落ちた、よしがんばろうと思えるようになることも組織社会化の重要な側面です。納得感というのが、人が組織というコミュニティの一員となるために欠かせない心理的な要素となります。 そして、コミュニティとしての組織への帰属意識や同僚など周囲の人々との人間関係も人の行動や考え方を大きく左右します。人は社会的動物なので、自分が所属するコミュニティの影響も非常に強く受ける為です。人が周囲から受ける影響について、いくつか興味深い研究結果がありますのでご紹介させて下さい。たとえば、肥満の問題。様々な研究から、家族や友人など親しい人間関係になる人々の中に肥満体型の人が含まれていると、自分も肥満傾向が強まるということが示されています。 あるいは、友人や先輩・後輩といった同年代の女性が妊娠しているのを見たことがある10代の少女は、自分も妊娠する確率が高くなるといった研究もあります。その他にも、大学生の成績や就職率。これについては、学生が通う大学のレベルを表すランキングだとか履修している授業の評判・教授の業績の高さといったファクターよりも、学生生活を共に過ごす時間が長い友人やルームメイトの学習態度や生活習慣の方が、ずっと大きな影響を与えるということが分かっています。ことほどさように、ヒトは自分の周囲の人々から大きな影響を受けるということです。 これは所属するコミュニティの習慣だとか規範・価値観――例えば、運動を心掛けるとか毎日机に向かって勉強するといったこと――を人は自然と取り入れて、自分の考えや行動をそこに適合させていく習性があるためだと考えられています。当然、組織における仕事や働き方も例外ではありません。職場の同僚と良好な人間関係を築くことはできるか、そこで繋がりを持った同僚や上司や部下がどんな仕事の進め方をしているか。彼女ら、彼らの仕事に対する向き合い方とモチベーションはどういったものかといったファクターは、新入社員のパフォーマンス、更には就業後3年間の離職率に強い相関を示します。これは、新卒であれ中途採用の社員であれ変わりません。 組織は、採用活動を通じて新たなメンバーを迎え入れ、彼女ないし彼が既存のメンバーと良好な人間関係を築けるように取りはからうわけですが、以上の研究から敷衍すると、チームが大事にしている価値観を伝えるといったコミュニケーションは、単に業務上の手順だとかワークフローを教えることと同様、あるいはそれ以上に重要なタスクであるということになります。 一方で、組織社会化をうまく進めていくには、個人にとって非常に困難なプロセスでもあります。それはやる気だとか素直さといった個人レベルの問題ではありません。組織社会化、つまり新しく組織の一員となって、これまで馴染みのなかったルールを憶えたり初めて会う人と人間関係をつくったりするというのは、そもそもヒトにとって難易度が高いミッションだからです。 ヒトは過去に何度も経験したことがあり、それを実行するために多くの情報が参照可能で、かつ、タスクを進めるにつれてリアルタイムにフィードバックが得られるといった条件が揃った活動については、わりとスムーズに学習し向上していくことができます。逆に、これまでに経験したことがない、あるいは遠い過去に1~2回経験しただけである、何をどうすればいいかについて具体的な情報が乏しく、さらに、そこで自分がとった行動についてそれが正しかったのかどうかを判別するのに時間が掛かるといった条件が揃うと、人はなかなか学習することができません。先ほどお話したように、これは個人のやる気だとかそういったものではなくて、人の学習プロセスや脳の構造の問題になります。組織社会化をそう何度も頻繁に経験する人というのは、まあいないわけです。 組織社会化は、そもそも熟達することは構造的に難しいものなのです。これは他にも、例えば家を購入するであるとか、大きな病気にかかって最終的に手術をするのかそれとも別の治療法を選択するのかを自分で決断しないといけない場合も同様です。つまり、人生でそう何度も経験しない大きなプロセスについては、基本的にうまくできなくて当たり前、なぜならそれに習熟するチャンスそのものが存在しないから、ということになります。したがって、組織社会化というプロセスは、組織にとっても個人にとっても重要だけれども、個人の側が独力でそれに習熟し、上達するには限界がある、ということになります。それではどうしたらいいのかという疑問について、次回以降お答えしていこうと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いします。 今日のまとめです。人が組織の一員となって、そこでのルールや規範を学び、身につけていくプロセスのことを組織社会化と言います。組織社会化がうまくいって、周囲の人と良好な関係を築き、コミュニティに適応できると人の精神状態や仕事のパフォーマンスは大きく向上します。しかし、組織社会化は人生において経験する機会が限られており、個人の努力だけでは習熟するのが難しいプロセスでもあります。
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