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120.2 第108話【後編】

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「だけど事実はオカルト研究だった。そう言う事ですね。」
「結局あの時もあいつは俺にブラフをかけていたって訳だ。」
「利用されましたね。」
井戸村はため息をつく。
「そう言うことを俺は言ってるんじゃ無いんだ坊山。」
「はい?」
「別に俺はいいんだよ。コロコロ手の内で転がされても。」
「じゃあ…。」
「許せんのだよ。その男が。あいつこう言っただろう。『もしもそれがそんなオカルト研究だとしたら、この国は滅ぶでしょうね。間違いなく』ってよ。」
「はい。」
「これって裏返したら国を滅ぼす研究をしてますよって宣言だろ。」
「あ…。」
「俺は許せんのだよ。国立大学って名の下で国を滅ぼす研究をしてる輩が。そして知らなかったとはいえその片棒を担いで、今まで人より良い生活をしてきた自分がよ。」
井戸村の顔は紅潮している。
酒によるものではない。怒りによるものか、それとも恥によるものか。とにかく彼のプライドがそうさせているのだろう。
「坊山。」
「はい。」
「お前も楠冨も光定に近づきすぎた。距離をとるためにしばらく仕事は休め。」
「え?楠冨もですか。」
「そうだよ。気づけよ鈍いぞ。」
坊山は井戸村の言葉の真意がわからない。
「とにかく俺は俺なりのやり方で事態の収拾を図る。その間はお前ら2人に危険が及ぶ恐れがある。だから休むんだ。有給とか欠勤とか言ってられん。とにかく俺との接点を消せ。わかったな。」
こう言った井戸村は坊山の分の会計を済ませて、店から出て行った。
「接点消すって…。んならなんでこんなところに呼び出せんて…。」
冷めてしまった餃子を口に入れ、もぐもぐとそれを噛む。
店の隅に置かれたテレビでは歌舞伎の襲名披露のニュースが流れていた。
「先代の想いを継いで、精進して参りますね…。」
「想いを継ぐ…。」
餃子を噛む口の動きが止まった。
「まさか部長…。」
その様子を遠巻きに観察する古田がそこにあった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【公式サイト】
http://yamitofuna.org
【Twitter】
https://twitter.com/Z5HaSrnQU74LOVM
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皆さんのご意見が本当に励みになります。よろしくおねがいします。
すべてのご意見に目を通させていただきます。
場合によってはお便り回を設けてそれにお答えさせていただきます。
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「結局あの時もあいつは俺にブラフをかけていたって訳だ。」
「利用されましたね。」
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「そう言うことを俺は言ってるんじゃ無いんだ坊山。」
「はい?」
「別に俺はいいんだよ。コロコロ手の内で転がされても。」
「じゃあ…。」
「許せんのだよ。その男が。あいつこう言っただろう。『もしもそれがそんなオカルト研究だとしたら、この国は滅ぶでしょうね。間違いなく』ってよ。」
「はい。」
「これって裏返したら国を滅ぼす研究をしてますよって宣言だろ。」
「あ…。」
「俺は許せんのだよ。国立大学って名の下で国を滅ぼす研究をしてる輩が。そして知らなかったとはいえその片棒を担いで、今まで人より良い生活をしてきた自分がよ。」
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「坊山。」
「はい。」
「お前も楠冨も光定に近づきすぎた。距離をとるためにしばらく仕事は休め。」
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「そうだよ。気づけよ鈍いぞ。」
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「とにかく俺は俺なりのやり方で事態の収拾を図る。その間はお前ら2人に危険が及ぶ恐れがある。だから休むんだ。有給とか欠勤とか言ってられん。とにかく俺との接点を消せ。わかったな。」
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「先代の想いを継いで、精進して参りますね…。」
「想いを継ぐ…。」
餃子を噛む口の動きが止まった。
「まさか部長…。」
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