【海軍省 練習兵用 歴史教科書】29. 皇政復古の大号令

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9.明治維新と新政の進展

(1)維新の大業

皇政復古の大號令(こうせいふっこのだいごうれい)

明治天皇は、慶応三年正月、践祚(せんそ)遊ばされるや、10月15日、徳川慶喜の大政奉還を聴許遊ばされ、次いで12月9日、皇政復古の大號令(こうせいふっこのだいがうれい)を発し給ふて、神武天皇御創業(ごそうぎょう)の古(いにしへ)に復し、天皇御親政の下に大いに新政を施される御旨を明らかにし給うた。

かくて萬機はことごとく天皇の御親裁に帰し、政令はいづれも朝廷から出ることとなって、ここに萬邦無比(ばんぽうむひ)の我が國體(国体)は再び赫赫(かくかく)たる光輝を放つこととなった。

五箇條の御誓文

次いで明治維新を迎へて第一に発せられたのが五箇條の御誓文である。

即ち慶応四年三月、天皇は紫宸殿(ししんでん)出御(しゅつぎょ)あらせられ、文武百官(ぶんぶひゃっかん)を率ゐて天神地祇(てんじんちし)を祭り、親政の方針として五事を誓はせられ、且つ国民に御示しになった。

一. 廣く會議を興し萬機公論に決すへし

一. 上下心を一にして盛に経綸を行ふへし

一. 官武一途庶民に至る迄各其の志を遂げ人心をして倦(う)まさらしめんことを要す

一. 舊来(きゅうらい)の陋習(ろうしゅう)を破り天地の公道に基くへし

一. 知識を世界に求め大に皇基を振起すべし

この五箇條は實に新政のはじめに當(あた)って、祭政一致の国風に基づき開国進取の国是(こくぜ)の大木を国の内外に宣布し給うたものであって、新日本の進むべき大方針がここに明らかに示されたのである。

億兆安撫國威宣布(おくてふあんぶこくいせんぷ)の御宸翰(ごしんかん)

天皇はこの日また億兆安撫國威宣布(おくてふあんぶこくいせんぷ)の御宸翰(ごしんかん)を賜はり、

今般朝政一新の時に膺(あた)り天下億兆一人も其の處を得さる時は皆朕が罪なれは今日の事朕自ら身骨労し心志を苦め艱難の先に立て古列聖の盡させ給ひし蹤(あと)を履(ふ)み治績を勤めてこそ始て天職を奉して億兆の君たる所に背(そむ)かさるへし

と仰せられ、

一身の艱難辛苦を問はす親(みずか)ら四方を経営し汝億兆を安撫(あんぶ)し遂には萬里の波濤(はたう)を拓開(たくかい)し国威を四方に宣布し天下を富岳(ふがく)の安きに置かんと欲す

と宣(の)べ給ひ、御誓文(ごせいもん)の御趣旨を廣く国民に知らしめ給うた。

ああ、これ實に肇国精神に基づく御歴代の仁慈愛民の御精神と、神武天皇御創業に當り天下に宣揚し給うた八紘爲宇(はっこういちう)の大理想に、照應(しょうおう)遊ばされる御精神でなくて何であらうか。

明治維新の大業

かくて慶応四年八月、天皇は即位の御大禮を行はせられ、翌九月、年號を明治と改め、明治二年三月、皇居を東京に奠(さだ)めて之を諸政一新の帝都となし給うた。

次いで同年畏くも舊幕(きゅうばく)諸藩の版籍奉還(はんせきほうくわん)の奏請を聴許あらせられて、源頼朝の鎌倉幕府開設以来680年の封建制度を完全に一掃し、更に明治四年には廃藩置懸を断行あそばされて、ここに明治維新の大業は名実ともに備はり、やがて肇国以来比類ない明治の聖代(せいだい)を現出することとなった。

皇政復古の大號令

王政復古国威挽回(ばんかい)の御基立てなされ候間、自今(じこん)攝關(摂関/せっかん)幕府等廃絶、即今 先つ假(か)りに総裁議定参與(そうさいぎていさんよ)の三職を置かれ萬機行はせらるへく、諸事神武創業の始に原(もと)つき、縉紳武辨堂條地下(しんしんぶべんだうじょうぢげ)の別なく、至當の公議を竭(つく)し、天下と休戚(きゅうせき)を同く遊はさるへき叡慮に付、各勉勵(べんれい)舊来(きゅうらい)驕惰(けふだ)の汚習を洗ひ、盡忠(尽忠)報国の誠を以て奉公致すへく候事。

(慶應三年十二月九日)

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