海軍省 練習兵用歴史教科書 氏族制度

4:24
 
シェア
 

Manage episode 277487955 series 2823345
著作 hiroyuki saito and Hiroyuki saito の情報はPlayer FM及びコミュニティによって発見されました。著作権は出版社によって所持されます。そして、番組のオーディオは、その出版社のサーバから直接にストリーミングされます。Player FMで購読ボタンをタップし、更新できて、または他のポッドキャストアプリにフィードのURLを貼り付けます。
(2)氏族(しぞく)制度とその精神 氏族(しぞく)制度の組織 上代における我が国の社会組織は、皇室を中心とし奉る大小多数の氏族によって構成せられていたので、これを氏族制度と呼ぶ。氏族とは同一の祖先から出て、同じ職務に服する團體(だんたい)であって、各氏族には氏上(うじのかみ)があり、その同族である氏人(うじびと)と氏族に属する部民(ぶみん)とを統率して皇室に奉仕し、皇室はこれら諸氏族を統括あらせられていた。 氏族はその出身によって分けられ、皇族の御近親は皇別、皇孫降臨の時から随(したが)い奉った諸神の子孫は神別(しんべつ)、海外との交渉が開けてから帰化した部族は蕃別(はんべつ)と稱(しょう)せられた。 姓(かばね)の制度 氏族はまた公(きみ)・別(わけ)・臣(おみ)・連(むらじ)・国造(くにのみやっこ)・懸主(あがたぬし)・稲置(いなぎ)等の姓(かばね)を称した。 これは身分の上下を示すもので、公(きみ)・別(わけ)・臣(おみ)は皇別の諸氏に、連は神別の諸氏にそれぞれ朝廷から賜り、朝廷に大臣(おおおみ)・大連(おおむらじ)が置かれてからは、大臣は臣姓から、大連は連姓から出て ともに国政に参与した。 国造(くにのみやっこ)・懸主(あがたぬし)・稲置(いなぎ)等ははじめ官職であったものが、世襲せられる間に姓となったものである。 氏族制度と国家組織 このように氏族は おのおの世襲の職務を以て 皇室へ仕えまつった。即ち中央の氏族はそれぞれ朝廷の政務や特殊の業務に従事した。例えば 中臣・齋部の二氏は祭祀を司どり政治を輔(たす)け、大伴・物部の二氏は軍事を司どり朝廷を守るなどがその例である。 また、国造(くにのみやっこ)・懸主(あがたぬし)・稲置(いなぎ)等は それぞれ地方にあって行政に當り、もって国家の政治組織を構成していた。 国民道徳の淵源 各氏族は またそれぞれの氏神を通じて、氏族内の団結を固くするとともに 皇室に対し奉り固く結ばれていた。氏神は国家に功労のあった氏族の祖先であることを普通とし、皇室との関係は極めて密接であった。 されば各氏族は その氏神の祭祀を通じて常に同族であるという自覚を高め、ますます職務に励んで祖先の名を汚さないことを願うとともに、全氏族の宗家(そうけ)であらせられる皇室に仕えまつって、いよいよ忠君愛国の赤誠をいたすことを誓った。 ここに世界に類例のない忠孝一致という我が国民道徳の遠い源(みなもと)が見られる。 氏族制度的精神 随(したが)って我が上代の国民は、肇国(ちょうこく)以来の君臣の大義に基づき、君国のためには一身を捨てて顧みない忠誠勇武の精神に富み、また一族の名誉を重んじ、一身を犠牲とするを惜しまぬ気風が極めて強固であった。 而してこれらの氏族制度的精神は、永く国民精神の伝統となって国民生活の内に伝えられていったのである。 氏族制度的精神の発露 大伴の 遠つ神祖(かみおや)の その名をば 大来目主(おおくめぬし)と 負い持ちて 仕へし官(つかさ)海行かば 水漬く屍(みづくかばね) 山行かば 草生(くさむ)す屍(かばね) 大皇(おおきみ)の 邊(へ)にこそ死なめ 顧(かえり)みは 為(せ)じと言立(ことた)て 丈夫(ますらお)の 清き彼(そ)の名を 古(いにしえ)よ 今の現(をつつ?)に 流さへる 祖(おや)の子等(こども)ぞ 大伴と 佐伯(さえき)の氏は 人の祖の 立つる言立(ことだて) 人の子は 祖の名絶たず 大君に 奉仕(まつら)うものと言い継げる 言の職(つかさ)ぞ 梓弓(あづまゆみ) 手に取り持ちて 剣大刀(つるぎたち) 腰に取り佩(は)き 朝守り 夕の守りに 大王(おおきみ)の 御門(みかど)の守護(まもり) 我をおきて また人はあらじと 彌立(いやた)て 思いし増(まさ)る 大皇(おおきみ)の 御言(みこと)の幸(さき)の 聞けば貴(たっと)み 「萬葉集」大伴家持

109 つのエピソード