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GO GO台湾 - 2021-05-29_台湾の百合スポット

 
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トーク①:宜蘭県漢本駅≫

先週のこの時間では、ユリのような形をしたオレンジが鮮やかな花、「金針花(ワスレグサ)」のスポットをご紹介しましたが、実は4月から5月にかけて、台湾では「ユリ」も見ごろを迎えているんです。

中でも注目を集めているのが、台湾北東部・宜蘭県の一番南端にある在来線台湾鉄道の駅、「漢本」駅。ここではこの時期、数千本もの鉄砲ユリが迎えてくれます。

なんでも、2016年に、当時、漢本駅長だった林建清・駅長が駅周辺に大量の鉄砲ユリを植えて栽培を始めたんだそうです。

その数はこの5年で累計5000株近くにもなりました。

林・駅長は、今年(2021年)の2月上旬に移動となってしまったのですが、その後も漢本駅の職員たちがお世話を引継ぎ、今年も今月(5月)上旬におよそ3000本もの鉄砲ユリが開花。辺りに甘い香りを漂わせていました。

漢本駅は花蓮県と隣接する宜蘭の最南端の小さな駅で、普通列車しか停まりません。周辺に住民も少なく、1日の駅の利用客は30人にも満たないそうです。

しかも、これまでは、台湾の北東部、宜蘭の蘇澳から花蓮まで縦に走る主要な道路「蘇花公路」に隣接していることから車の流れは多かったそうですが、昨年(2020年)1月6日に「台9線蘇花公路山區路段改善計畫(台9線蘇花公路山間部改良プロジェクト/通称:蘇花改)」による蘇澳~花蓮間の高速道路が全線開通したことから、駅前の交通量は激減しました。

それでもこの時期、このユリを見るために今年も多くの人が漢本駅を訪れたんだそうですよ。

ここ数年、この漢本駅の鉄砲ユリは毎年植え替えているそうですが、開花率がとてもよく、1株で10個以上の花を咲かせることもあるそうです。

駅前だけではなく、線路沿いにもたくさんの百合が植えてあるので、鉄道ファンが列車とともにユリを撮影したりもしていますが、最近はインスタでも人気となっています。“寂しい小さな駅”がこの時期は人気の駅となっていて、在来線「台湾鉄道」の駅緑化コンテストでも常勝の駅となっています。

駅職員の皆さんのお世話の賜物ですね。

毎年だいたい5月が見ごろとのことですので、この時期に台湾を訪れる機会があれば、ぜひ漢本駅まで足を延ばしてみてくださいね。

ちなみに、「漢本」駅の駅名は日本語に由来しているんだそうですよ。

なんでも、その駅の場所が蘇澳と花蓮のちょうど中間に位置することから、日本統治時代にこの地を「半分」と呼んでいたそうです。

その後、北回帰線工事の際、当時、住んでいる人もまばらでまだ正式な土地の名前がなかったために、その日本統治時代に呼ばれていた「半分」と発音が似ている「漢本」という名が正式な駅名となったんだそうですよ。

さて、せっかく漢本駅に来たならその周辺のスポットを、と紹介したいところですが、駅の周辺には観光スポットどころかコンビニもありませんっ!

駅を出ると目の前には道路、そしてうっそうと茂った木々!!

まるで山の峠道のような道路の途中にポツンと駅があるんです。ですので、駅舎ももし車で通りかかったら、逆にそこが駅だとは気づかないのではないかというような小さな駅なんです。

でも、駅の逆側にはすぐ目の前に太平洋が広がっています!

駅を出て右(北側)に少し歩くと、40キロの速度標識があって、その手前に道があります。そこを進むとトンネルがあって、トンネルをくぐるとその先に青い海が広がっています!

砂利のビーチなですが、目の前に広がる大きな青い海は、お天気のいい日にはいつまでも眺めていられます。

また、海を背に振り返ると、こんもりとした緑の山の手前を列車が走り抜ける姿が見られますよ。

漢本駅で、の~んびりとした時間を楽しんでくださいね。

トーク②:嘉義新港郷板頭エリア≫

ユリスポットとして人気なのは宜蘭の漢本駅だけではありません。台湾中南部・嘉義の新港郷板頭社區にユリの秘境スポットがあるんです。

その“ユリの秘境スポット”は、昔ながらの伝統的な民家の庭。

一般の民家の庭ですので面積はそんなに広くはないのですが、たくさんの百合の花がきれいに咲いていて、しかも朝、昼、夕暮れ時…と、それぞれに違った景色を見せてくれることや、この家の主である85歳の蘇蔡おばあちゃんが迎えてくれて、田舎ならではの素朴な人情味も感じられることから何度も訪れているという人もいるほど、人気のスポットとなっています。

現在、この家に一人で住んでいるという蘇蔡おばあちゃんによると、十数年前に兄の鉢から2株のユリを掘り起こして庭に植えたところ、たくさんのユリの花が咲くようになったんだそうです。

これには蘇蔡おばあちゃんも、まさかこんなに成長するなんて!とびっくり。昔ながらの赤レンガの塀に囲まれた家の庭にたくさん咲くユリはとてもキレイですよ。

この嘉義の新港郷板頭社區は、台湾の重要な民族工芸である「交趾陶(交趾焼)」と「剪黏」が有名なところです。

この「交趾陶(交趾焼)」とは、釉薬をかけて低温で焼成した京焼・清水焼のような陶磁器で、台湾の廟の装飾などで見かけたことがあるかもしれませんね。主に嘉義で生産されることから「嘉義焼」とも呼ばれたりするそうです。

「剪黏」は、陶磁器を特殊な工具で「剪(切って)」、必要な形にした後、粘土で成形した形に素材を「黏(くっつける)」ことから「剪黏」と呼ばれています。廟の屋根などにカラフルな龍や、細かな装飾が施されているのを見たことがあるのではないでしょうか。あの多くは「剪黏」芸術です。

でも花や鳥、神獣といった伝統的な作品だけでなく、現代的なモチーフの作品や、モザイクアート作品もあります。

嘉義はその「交趾陶(交趾焼)」と「剪黏」が有名で、中でもこの新港郷板頭社區はその工芸村として知られています。

そのため、あちらこちらで驚くような美しい作品を目にすることができます。このエリアのおうちは住所のプレートも全て陶磁器で作られていますよ。

これまでもそれら民族工芸を楽しみに板頭社區を訪れる人も多かったのですが、蘇蔡おばあちゃんの家の庭のユリが今、板頭社區の新たなスポットとなっています。

今年は雨があまり降らなかったことから、例年より開花が少し遅かったそうで、毎年4月中旬から咲き始め1か月くらいは楽しめるそうですよ。

そして、板頭社區に来たら、ユリだけを見て帰るのはもったいない!ぜひ陶磁器の街も楽しんでください。

この新港郷板頭社區に「板陶窯交趾陶剪黏工業園区(板陶窯交趾陶剪黏工業パーク)」というところがあるんですが、ここは「交趾陶(交趾焼)」と「剪黏」の展覧館、体験工房、工芸品販売エリア、レストラン、屋外庭園エリアの5つのエリアがあって、「交趾陶(交趾焼)」と「剪黏)」のことを知る事ができるだけでなく、面白さも堪能できます!

この屋外庭園エリアでは、東洋の庭園スタイルと付近の嘉南平原の田畑の風景を結び付けていて、工芸品と共に嘉義の自然も楽しめる庭園となっています。

中でも体験工房では、陶器のお皿への絵付け体験や、モザイクタイルコースターづくり、陶器の人形や陶器のプレートへの絵付けといったDIY体験ができます。体験料金は120台湾元(日本円およそ480円)から250元(およそ1000円)です。なお、モザイクタイルコースターづくりと、陶器の人形や陶器のプレートへの絵付け体験では、出来上がった作品は当日持って帰ることができますよ。好きな体験を選んでやってみてくださいね。

「板陶窯交趾陶剪黏工業園区(板陶窯交趾陶剪黏工業パーク)」の営業時間は午前9時から午後5時半まで入園料は100元(およそ400円)です。

アクセスは、在来線台湾鉄道「嘉義」駅もしくは台湾新幹線こと台湾高速鉄道「嘉義」駅から台灣好行(台湾トリップ)の「故宮南院線」のバスに乗って「板陶窯」バス停下車すぐです。

また、このエリアには台湾最大の堤防大壁画もあります。

ご当地の芸術家が、台湾原生種の「苦楝樹(せんだんの樹)」を題材として、「交趾陶(交趾焼)」や「剪黏」で制作。無機質なグレーのコンクリートの堤防に立体的で美しく巨大な樹が描かれ、しかも春夏秋冬、四季の移ろいも表現した巨大芸術作品となっています。

板頭社區は田んぼに囲まれた小さな町ですが、街中がアートに包まれているので、時間を忘れて楽しめると思いますよ。

トーク③:桃園市の“鉄砲ユリの秘境”、大台北エリア北海岸≫

台湾のユリスポット、まだまだありますよ。

台湾北部の空の玄関口、桃園市觀音區に“鉄砲ユリの秘境”と呼ばれる場所があります。畑に囲まれた場所に突如ユリの花畑が登場するのですが、実はこのユリの花畑は、李萬益さんのお母さんへの無限の愛と思いがこもった花畑なんです。

李萬益さんは中学生の時にお父さんを病気で亡くしていて、以降、お母さんが6人の兄弟を女手一つで育て上げたそうです。ところが8年前にお母さんがリンパの癌に。治療の期間、お世話になっている病院の人たちに感謝の気持ちを込めて花を贈りたいというお母さんの思いに応え、お母さんの大好きな鉄砲ユリを自宅の裏庭で育て始めました。しかし、お母さんはそのユリの花の開花を見ること無く亡くなってしまいました。

しかし、李萬益さんはお母さんとの約束をはたしたいと、毎年ユリの花が咲いたら、お母さんがお世話になった病院の看護師さんたちにユリの花を贈り、母の日には99本のユリの花をお母さんの墓前に供えているんだそうです。

そのために毎年、丁寧に育てている李さんのユリ。近年はどんどん栽培面積も拡大。地元の人のみならず、多くの人から注目を集め、今年はのべ6000人もの人が花を見に訪れたそうです。もちろん、花を見るだけでなく、一緒に写真を撮ることもできますし、購入して帰る人もいます。今年は母の日を過ぎてもまだたくさんのユリが咲き続けそうだとして、販売をストップし、訪れた多くのお母さんに無料で百合の花を贈っていたそうです。

ちなみに、李萬益さんは「ユリの達人」と呼ばれていて、昨年、1株から51もの花を咲かせたそうです!ユリって一株からそんなにたくさんの花を咲かせたりするんですね!なお、その51もの花をつけたユリは「ユリの王様」として、赤いリボンの目印を付けて非売品にしていたそうです。

李萬益さんが育てる“ユリの花の秘境”は桃園市觀音區の廣清路と福新路の小さな交差点傍にあります。台湾高速鉄道の「桃園」駅からタクシーで「白千層林道」を目印に向かってください。

そして最後にもう一か所。基隆市、台北市、新北市から成る「大台北エリア」の北部、このコーナーでも度々紹介している、台湾最北端の灯台「富貴角灯台」や金山エリア、そして野柳地質公園へと続く北海岸。ここでも4月から5月にかけてたくさんのユリを楽しむことができます。

この北海岸のユリは、花畑があって一か所にギュッと咲いているわけでなく、この北海岸ルートに自生しているので、ドライブで、サイクリングで、歩いて(…はちょっときついかな)、ゆっくりと景色と共に楽しんでみてくださいね。

北海岸エリアへは、台北新交通システムMRT(台北メトロ)レッドライン「淡水」駅下車。駅前のバス停から「台灣好行(台湾トリップ)」バスの「皇冠北海岸線」に乗ってください。このバスは北海岸ルートをずっと通って、野柳地質公園まで行きますので、好きなところで途中下車して楽しんでくださいね。

なお、「白沙灣」バス停で降りると、近くにレンタサイクルのUbikeのステーションがありますので、そこから自転車でサイクリング!という楽しみ方もできますよ。ただ、台北市内のように近くにいっぱいUbikeのステーションがあるわけではないので、同じ場所に戻って来られるだけの時間と体力は計算しておいてくださいね。

台湾の5月は既に30℃前後の暑い日になっていますが、この時期に台湾に来られたら、ちょっと郊外まで出かけてユリの花の香りを風と共に楽しんでください。

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トーク①:宜蘭県漢本駅≫

先週のこの時間では、ユリのような形をしたオレンジが鮮やかな花、「金針花(ワスレグサ)」のスポットをご紹介しましたが、実は4月から5月にかけて、台湾では「ユリ」も見ごろを迎えているんです。

中でも注目を集めているのが、台湾北東部・宜蘭県の一番南端にある在来線台湾鉄道の駅、「漢本」駅。ここではこの時期、数千本もの鉄砲ユリが迎えてくれます。

なんでも、2016年に、当時、漢本駅長だった林建清・駅長が駅周辺に大量の鉄砲ユリを植えて栽培を始めたんだそうです。

その数はこの5年で累計5000株近くにもなりました。

林・駅長は、今年(2021年)の2月上旬に移動となってしまったのですが、その後も漢本駅の職員たちがお世話を引継ぎ、今年も今月(5月)上旬におよそ3000本もの鉄砲ユリが開花。辺りに甘い香りを漂わせていました。

漢本駅は花蓮県と隣接する宜蘭の最南端の小さな駅で、普通列車しか停まりません。周辺に住民も少なく、1日の駅の利用客は30人にも満たないそうです。

しかも、これまでは、台湾の北東部、宜蘭の蘇澳から花蓮まで縦に走る主要な道路「蘇花公路」に隣接していることから車の流れは多かったそうですが、昨年(2020年)1月6日に「台9線蘇花公路山區路段改善計畫(台9線蘇花公路山間部改良プロジェクト/通称:蘇花改)」による蘇澳~花蓮間の高速道路が全線開通したことから、駅前の交通量は激減しました。

それでもこの時期、このユリを見るために今年も多くの人が漢本駅を訪れたんだそうですよ。

ここ数年、この漢本駅の鉄砲ユリは毎年植え替えているそうですが、開花率がとてもよく、1株で10個以上の花を咲かせることもあるそうです。

駅前だけではなく、線路沿いにもたくさんの百合が植えてあるので、鉄道ファンが列車とともにユリを撮影したりもしていますが、最近はインスタでも人気となっています。“寂しい小さな駅”がこの時期は人気の駅となっていて、在来線「台湾鉄道」の駅緑化コンテストでも常勝の駅となっています。

駅職員の皆さんのお世話の賜物ですね。

毎年だいたい5月が見ごろとのことですので、この時期に台湾を訪れる機会があれば、ぜひ漢本駅まで足を延ばしてみてくださいね。

ちなみに、「漢本」駅の駅名は日本語に由来しているんだそうですよ。

なんでも、その駅の場所が蘇澳と花蓮のちょうど中間に位置することから、日本統治時代にこの地を「半分」と呼んでいたそうです。

その後、北回帰線工事の際、当時、住んでいる人もまばらでまだ正式な土地の名前がなかったために、その日本統治時代に呼ばれていた「半分」と発音が似ている「漢本」という名が正式な駅名となったんだそうですよ。

さて、せっかく漢本駅に来たならその周辺のスポットを、と紹介したいところですが、駅の周辺には観光スポットどころかコンビニもありませんっ!

駅を出ると目の前には道路、そしてうっそうと茂った木々!!

まるで山の峠道のような道路の途中にポツンと駅があるんです。ですので、駅舎ももし車で通りかかったら、逆にそこが駅だとは気づかないのではないかというような小さな駅なんです。

でも、駅の逆側にはすぐ目の前に太平洋が広がっています!

駅を出て右(北側)に少し歩くと、40キロの速度標識があって、その手前に道があります。そこを進むとトンネルがあって、トンネルをくぐるとその先に青い海が広がっています!

砂利のビーチなですが、目の前に広がる大きな青い海は、お天気のいい日にはいつまでも眺めていられます。

また、海を背に振り返ると、こんもりとした緑の山の手前を列車が走り抜ける姿が見られますよ。

漢本駅で、の~んびりとした時間を楽しんでくださいね。

トーク②:嘉義新港郷板頭エリア≫

ユリスポットとして人気なのは宜蘭の漢本駅だけではありません。台湾中南部・嘉義の新港郷板頭社區にユリの秘境スポットがあるんです。

その“ユリの秘境スポット”は、昔ながらの伝統的な民家の庭。

一般の民家の庭ですので面積はそんなに広くはないのですが、たくさんの百合の花がきれいに咲いていて、しかも朝、昼、夕暮れ時…と、それぞれに違った景色を見せてくれることや、この家の主である85歳の蘇蔡おばあちゃんが迎えてくれて、田舎ならではの素朴な人情味も感じられることから何度も訪れているという人もいるほど、人気のスポットとなっています。

現在、この家に一人で住んでいるという蘇蔡おばあちゃんによると、十数年前に兄の鉢から2株のユリを掘り起こして庭に植えたところ、たくさんのユリの花が咲くようになったんだそうです。

これには蘇蔡おばあちゃんも、まさかこんなに成長するなんて!とびっくり。昔ながらの赤レンガの塀に囲まれた家の庭にたくさん咲くユリはとてもキレイですよ。

この嘉義の新港郷板頭社區は、台湾の重要な民族工芸である「交趾陶(交趾焼)」と「剪黏」が有名なところです。

この「交趾陶(交趾焼)」とは、釉薬をかけて低温で焼成した京焼・清水焼のような陶磁器で、台湾の廟の装飾などで見かけたことがあるかもしれませんね。主に嘉義で生産されることから「嘉義焼」とも呼ばれたりするそうです。

「剪黏」は、陶磁器を特殊な工具で「剪(切って)」、必要な形にした後、粘土で成形した形に素材を「黏(くっつける)」ことから「剪黏」と呼ばれています。廟の屋根などにカラフルな龍や、細かな装飾が施されているのを見たことがあるのではないでしょうか。あの多くは「剪黏」芸術です。

でも花や鳥、神獣といった伝統的な作品だけでなく、現代的なモチーフの作品や、モザイクアート作品もあります。

嘉義はその「交趾陶(交趾焼)」と「剪黏」が有名で、中でもこの新港郷板頭社區はその工芸村として知られています。

そのため、あちらこちらで驚くような美しい作品を目にすることができます。このエリアのおうちは住所のプレートも全て陶磁器で作られていますよ。

これまでもそれら民族工芸を楽しみに板頭社區を訪れる人も多かったのですが、蘇蔡おばあちゃんの家の庭のユリが今、板頭社區の新たなスポットとなっています。

今年は雨があまり降らなかったことから、例年より開花が少し遅かったそうで、毎年4月中旬から咲き始め1か月くらいは楽しめるそうですよ。

そして、板頭社區に来たら、ユリだけを見て帰るのはもったいない!ぜひ陶磁器の街も楽しんでください。

この新港郷板頭社區に「板陶窯交趾陶剪黏工業園区(板陶窯交趾陶剪黏工業パーク)」というところがあるんですが、ここは「交趾陶(交趾焼)」と「剪黏」の展覧館、体験工房、工芸品販売エリア、レストラン、屋外庭園エリアの5つのエリアがあって、「交趾陶(交趾焼)」と「剪黏)」のことを知る事ができるだけでなく、面白さも堪能できます!

この屋外庭園エリアでは、東洋の庭園スタイルと付近の嘉南平原の田畑の風景を結び付けていて、工芸品と共に嘉義の自然も楽しめる庭園となっています。

中でも体験工房では、陶器のお皿への絵付け体験や、モザイクタイルコースターづくり、陶器の人形や陶器のプレートへの絵付けといったDIY体験ができます。体験料金は120台湾元(日本円およそ480円)から250元(およそ1000円)です。なお、モザイクタイルコースターづくりと、陶器の人形や陶器のプレートへの絵付け体験では、出来上がった作品は当日持って帰ることができますよ。好きな体験を選んでやってみてくださいね。

「板陶窯交趾陶剪黏工業園区(板陶窯交趾陶剪黏工業パーク)」の営業時間は午前9時から午後5時半まで入園料は100元(およそ400円)です。

アクセスは、在来線台湾鉄道「嘉義」駅もしくは台湾新幹線こと台湾高速鉄道「嘉義」駅から台灣好行(台湾トリップ)の「故宮南院線」のバスに乗って「板陶窯」バス停下車すぐです。

また、このエリアには台湾最大の堤防大壁画もあります。

ご当地の芸術家が、台湾原生種の「苦楝樹(せんだんの樹)」を題材として、「交趾陶(交趾焼)」や「剪黏」で制作。無機質なグレーのコンクリートの堤防に立体的で美しく巨大な樹が描かれ、しかも春夏秋冬、四季の移ろいも表現した巨大芸術作品となっています。

板頭社區は田んぼに囲まれた小さな町ですが、街中がアートに包まれているので、時間を忘れて楽しめると思いますよ。

トーク③:桃園市の“鉄砲ユリの秘境”、大台北エリア北海岸≫

台湾のユリスポット、まだまだありますよ。

台湾北部の空の玄関口、桃園市觀音區に“鉄砲ユリの秘境”と呼ばれる場所があります。畑に囲まれた場所に突如ユリの花畑が登場するのですが、実はこのユリの花畑は、李萬益さんのお母さんへの無限の愛と思いがこもった花畑なんです。

李萬益さんは中学生の時にお父さんを病気で亡くしていて、以降、お母さんが6人の兄弟を女手一つで育て上げたそうです。ところが8年前にお母さんがリンパの癌に。治療の期間、お世話になっている病院の人たちに感謝の気持ちを込めて花を贈りたいというお母さんの思いに応え、お母さんの大好きな鉄砲ユリを自宅の裏庭で育て始めました。しかし、お母さんはそのユリの花の開花を見ること無く亡くなってしまいました。

しかし、李萬益さんはお母さんとの約束をはたしたいと、毎年ユリの花が咲いたら、お母さんがお世話になった病院の看護師さんたちにユリの花を贈り、母の日には99本のユリの花をお母さんの墓前に供えているんだそうです。

そのために毎年、丁寧に育てている李さんのユリ。近年はどんどん栽培面積も拡大。地元の人のみならず、多くの人から注目を集め、今年はのべ6000人もの人が花を見に訪れたそうです。もちろん、花を見るだけでなく、一緒に写真を撮ることもできますし、購入して帰る人もいます。今年は母の日を過ぎてもまだたくさんのユリが咲き続けそうだとして、販売をストップし、訪れた多くのお母さんに無料で百合の花を贈っていたそうです。

ちなみに、李萬益さんは「ユリの達人」と呼ばれていて、昨年、1株から51もの花を咲かせたそうです!ユリって一株からそんなにたくさんの花を咲かせたりするんですね!なお、その51もの花をつけたユリは「ユリの王様」として、赤いリボンの目印を付けて非売品にしていたそうです。

李萬益さんが育てる“ユリの花の秘境”は桃園市觀音區の廣清路と福新路の小さな交差点傍にあります。台湾高速鉄道の「桃園」駅からタクシーで「白千層林道」を目印に向かってください。

そして最後にもう一か所。基隆市、台北市、新北市から成る「大台北エリア」の北部、このコーナーでも度々紹介している、台湾最北端の灯台「富貴角灯台」や金山エリア、そして野柳地質公園へと続く北海岸。ここでも4月から5月にかけてたくさんのユリを楽しむことができます。

この北海岸のユリは、花畑があって一か所にギュッと咲いているわけでなく、この北海岸ルートに自生しているので、ドライブで、サイクリングで、歩いて(…はちょっときついかな)、ゆっくりと景色と共に楽しんでみてくださいね。

北海岸エリアへは、台北新交通システムMRT(台北メトロ)レッドライン「淡水」駅下車。駅前のバス停から「台灣好行(台湾トリップ)」バスの「皇冠北海岸線」に乗ってください。このバスは北海岸ルートをずっと通って、野柳地質公園まで行きますので、好きなところで途中下車して楽しんでくださいね。

なお、「白沙灣」バス停で降りると、近くにレンタサイクルのUbikeのステーションがありますので、そこから自転車でサイクリング!という楽しみ方もできますよ。ただ、台北市内のように近くにいっぱいUbikeのステーションがあるわけではないので、同じ場所に戻って来られるだけの時間と体力は計算しておいてくださいね。

台湾の5月は既に30℃前後の暑い日になっていますが、この時期に台湾に来られたら、ちょっと郊外まで出かけてユリの花の香りを風と共に楽しんでください。

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