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GO GO台湾 - 2021-05-01_圓山エリア歴史散策

 
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トーク①:台北市孔廟、大龍峒保安宮≫

先週の「Go!Go!台湾」では、台北のバードウォッチングスポットをご紹介しましたが、このRTI台湾国際放送がある圓山エリアは広い公園や緑も多く、たくさんの鳥たちを観ることができるんですよ。

でもそれだけでなく、この圓山エリアは歴史・文化の街でもあるんです。

台北新交通システムMRT(台北メトロ)レッドラインの「圓山」駅から歩いて行ける範囲に歴史的、文化的なスポットが色々あります。

まずは、「圓山」駅の2番出口を出て「康倫街」という道を西に向かって真っすぐ10分ほど歩いていくと、赤レンガの長い塀で囲まれた広い敷地の建物が見えてきます。そこは「台北市孔廟」。つまり学問の神様として有名な“孔子廟”です。

“孔子廟”と言えば、台南が有名ですが、台北にもあるんです。そして台北市内にも数々の廟がありますが、この「台北市孔廟」は、台北市内で唯一の“孔子廟”です。

「台北市孔子廟」は、清の時代1881年から建築が始まったとされています。台北の城壁の修復後、余った材料を使って作られました。

最初は、孔子を祀った正殿である「大成殿」とその後方の「崇聖祠」、門の「儀門」だけでしたが、その後、民間からの寄付によって、増築され、1884年に完成しました。

日本統治時代にこの「台北市孔子廟」は、一度は取り壊されましたが、1925年に民間の寄付による再建を決め、1927年に再建がスタート。1930年に、「大成殿」、「崇聖祠」、「儀門」といった主要の建物が次々と完成しました。

この「台北市孔子廟」、駅から歩いていくと、先ほども言ったように赤レンガの長い壁が見えてくるのですが、それに沿って入り口に向かって歩いていくと、途中、赤レンガではなく、赤褐色の大きな壁となって、そこには金色の文字で大きく「萬仭宮牆」と書かれています。

これは論語から来ていて、「学問に近道はなし、一生懸命に努力しなさい」という意味なんだそうです。

その壁を通り過ぎて、さらに壁伝いに進んでいき、角を右へ曲がると入り口に到着します。

入り口の屋根は赤褐色をベースに青やエメラルドグリーン、オレンジなどカラフルで、屋根の端が燕の尾っぽのようにシュッと空に向かって伸びていて貫禄ある造りです。

台北の街中には、大規模なでこのような建物は少ないので、ここに来るとなんだか古都・台南に飛んで行ったような気分になります。

中に入るとすぐにトラベルサービスセンターがあるので、ここに日本語のパンフレットもありますし、日本語の音声ガイドも借りることができますよ。

建物や敷地の雰囲気を楽しむのもいいですが、ちょっと詳しく知りたいなという場合は、やはり音声ガイドを借りてから巡るとより深く楽しめると思います。

建物の壁、屋根、柱、一つ一つの装飾がとても緻密で美しいので、じっくりと楽しんでください。10角形が幾重にも重なった大成殿の天井も圧巻ですよ。ぜひ天井も見上げてみてくださいね。

また学問の神様ということで、観光客だけでなく、台湾の学生さんも多く訪れるようで、合格祈願の絵馬もかかっています。ただ日本とはちょっと違った感じで樹に吊り下げるような形でかかっていますよ。

敷地内には学校として使われていた「明倫堂」という建物があって、その1階にはお土産屋さんもあります。お守りも売っているので、受験生の知り合いへのお土産にもいいかもしれませんね。

この「台北市孔子廟」の敷地内には緑も多いので、のんびりとめぐってみてください。

「台北市孔子廟」は入園無料。開放時間は朝8時30分から夜9時まで。月曜日はお休みです。

そして、「台北市孔子廟」のお隣にあるのが「大龍峒保安宮」。

こちらは“医学の神様”と呼ばれる「保生大帝」を主神として祀っている廟で、その歴史は長く、この「大龍峒保安宮」は、「艋舺龍山寺」、「艋舺清水巖」とあわせて“台北三大廟”と呼ばれています。

「大龍峒保安宮」は、1742年に台湾で疫病が流行っていたため、中国大陸の福建省同安から台湾に移民してきた人たちが、故郷である白礁郷の慈濟宮から分霊を授かり、この大龍峒に祀ったのがはじまりだとされています。当初は木造づくりの簡素な廟でしたが、神のご加護に感謝して、1755年から正式な廟を建てはじめ、5年後の1760年に完成しました。

最近では、1995年に大規模な修復作業が行われ、その後、2003年にユネスコの「アジア太平洋文化遺産保全賞」を受賞しています。

こちらも建物の精密な装飾があちらこちらに施されていますよ。柱に巻き付く龍の彫刻は迫力があります。また、正殿の壁には中国古代神話や歴史の物語が描かれています。

「大龍峒保安宮」は、全体の色味も雰囲気も重厚感があり、2018年に国定古跡に指定されています。

主神の「保生大帝」の他にも、「三十六神將」や「黑虎將軍」、「關聖帝君(関羽)」、「神農大帝」、「玄天上帝」など、様々な神様も祀られていますので、色々な目的のお参りもできますね。

なお、「大龍峒保安宮」では、毎年旧暦の3月15日の「保生大帝」の誕生日に合わせ、大規模な生誕祭「保生文化祭」が行われます。「保生大帝」の生誕祭典や、「神農大帝」の生誕祭典、「天上聖母」の生誕法会といった伝統的な祭典だけでなく、音楽会や学術研究討論会といったイベントなど、伝統と現代、生活美学や人文芸術といったものも融合し、およそ2か月間に渡って盛り上がります。

そして3年に一度、「保生大帝」の生誕パレードが行われます。

今、ちょうど「大龍峒保安宮」の「保生文化祭」の真っ最中です。今年がパレードの年ですので、より盛り上がりを見せていますよ。

普段は台北の街中であることを忘れてしまうくらいに静かでゆっくりとお参りができる「大龍峒保安宮」。賑やかで熱気あふれる雰囲気を楽しみたいという方は旧暦3月15日の生誕祭に合わせて、ゆっくりお参りや建物を楽しみたいという方はそれ以外のタイミングに訪れるといいかもしれません。

トーク②:臺北臨濟護國禪寺≫

今度は台北メトロMRT「圓山」駅の東側のスポットをご紹介しましょう。

駅の東側には今度は日本人にはちょっと馴染みのある建物があります。それは、「台北臨済護国禅寺」。そう、お寺です。

これは日本の仏教、臨済宗鎮南山護国寺の分院で、日本統治時代の1900年に建設が開始、1911年に完成した台湾で唯一「護国」と名付けられた仏教寺院だそうです。

日本統治時代には、台北市に善道寺、東和禅寺、臨済護国禅寺の3つの日本式の大型仏教「本堂」があったそうです。

「善道寺」は駅の名前にもなっているので有名ですよね。ただこの「善道寺」は1981年にビルに建て替えられ、「東和禅寺」は1993年に取り壊されて鐘楼だけが残されています。

唯一残されたのがこの「臨済護国禅寺」の本堂で、台湾の現存する日本統治時代の木造建築の中で、もっとも初期に建てられた代表的な建物だとされています。

2007年に修復工事が行われた際には、本堂を元の外観に復元するために、日本から黒瓦と筒瓦を取り寄せ、台湾北東部・宜蘭のヒノキを使って復元工事を行ったんだそうですよ。

本堂そばの旧鐘楼の屋根には日本でも最近ではなかなか見かけることが少なくなった立派な鬼瓦が見られますよ。

本堂や旧鐘楼は日本の雰囲気を感じますが、入口や他の建物は日本ではあまり見かけない色合いで、日本と台湾の文化が融合した、日本のお寺とはまた違った雰囲気を感じることができますよ。

場所は、台北メトロMRT「圓山」駅、2番出口を出て右側すぐです。

ここも普段はとても静かで、ゆっくりと見学やお参りすることができます。

なお、開放時間は朝7時30分から夕方4時までとなっています。

トーク③:圓山考古遺址≫

そして、台北メトロMRT「圓山」駅の東側にあるもう一つのスポットが「圓山考古遺址」。

1953年に10日間のテスト発掘を行ったのが最初で、翌1954年台湾大学の考古人類学部と、台北市文献委員会が協力して発掘を始めました。

1987年には縄文時代の土器の文化層が発見されたり、大量の貝殻や獣の骨、石器などが出土し、「圓山考古遺址」は国家文化資産とされています。

そのため、公開されていない部分も多くありますが、「百藝廣場」というエリアがあって、その入ってすぐのところに「圓山遺址展示室」があって、そこでは説明のパネルや出土した時の状況、発掘されたものなどを見ることができます。

この「百藝廣場」にはステージがあって、そこでは伝統的な歌や踊りなどのパフォーマンスイベントが不定期的に行われたりします。

しかもこの「百藝廣場」から奥に入っていくと、赤レンガや赤い瓦で作られた昔ながらの建物がたくさん建てられているエリアがあって、なんだかタイムスリップしたような気分になりますよ。この建物を背景に写真を撮っている台湾人もよく見かけます。

この周辺は実は、台北市立動物園の前身である「圓山動物園」があった場所で、併せて1934年に台湾で最初の公営遊園地「児童遊園地」ができた場所です。

台北で育った人たちにとっては懐かしい思い出の場所とされています。

「圓山考古遺址」内のこの懐かしいエリアは、2019年に「圓山自然景観公園」として生まれ変わり、今ではハイキングや自然を楽しみに訪れる人が多くいます。

遺跡というはるか昔の歴史から、数十年前の懐かしい雰囲気までを楽しめるスポットとなっています。

そうそう、以前、MRTで圓山駅を通る際、近くにいた日本人の2人が「そういえば圓山に小さな観覧車あるよね。あそこの遊園地はやっているのかな?」と話しているのが聞こえてきたことがあります。

実は、遊園地は先ほど“生まれ変わり”と言ったように、2014年に閉園しているのですが、観覧車とメリーゴーランドはそのまま残されていて、それがライトアップされていたりするので、きっと今も営業しているのかな?と思ったんでしょうね。

今は、この観覧車やメリーゴーランドに乗ることはできませんが、周辺はきれいに整備されていて、懐かしい!と親子で写真を撮りに訪れる人も多くいます。

この圓山周辺は歴史も自然も豊富なエリアです。

とても広いので、のんびり過ごそうと思ったら、圓山エリアだけで丸一日過ごせますよ。

皆さんも圓山エリアに来るときは時間をたっぷり見て、ゆっくり楽しんでくださいね。

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トーク①:台北市孔廟、大龍峒保安宮≫

先週の「Go!Go!台湾」では、台北のバードウォッチングスポットをご紹介しましたが、このRTI台湾国際放送がある圓山エリアは広い公園や緑も多く、たくさんの鳥たちを観ることができるんですよ。

でもそれだけでなく、この圓山エリアは歴史・文化の街でもあるんです。

台北新交通システムMRT(台北メトロ)レッドラインの「圓山」駅から歩いて行ける範囲に歴史的、文化的なスポットが色々あります。

まずは、「圓山」駅の2番出口を出て「康倫街」という道を西に向かって真っすぐ10分ほど歩いていくと、赤レンガの長い塀で囲まれた広い敷地の建物が見えてきます。そこは「台北市孔廟」。つまり学問の神様として有名な“孔子廟”です。

“孔子廟”と言えば、台南が有名ですが、台北にもあるんです。そして台北市内にも数々の廟がありますが、この「台北市孔廟」は、台北市内で唯一の“孔子廟”です。

「台北市孔子廟」は、清の時代1881年から建築が始まったとされています。台北の城壁の修復後、余った材料を使って作られました。

最初は、孔子を祀った正殿である「大成殿」とその後方の「崇聖祠」、門の「儀門」だけでしたが、その後、民間からの寄付によって、増築され、1884年に完成しました。

日本統治時代にこの「台北市孔子廟」は、一度は取り壊されましたが、1925年に民間の寄付による再建を決め、1927年に再建がスタート。1930年に、「大成殿」、「崇聖祠」、「儀門」といった主要の建物が次々と完成しました。

この「台北市孔子廟」、駅から歩いていくと、先ほども言ったように赤レンガの長い壁が見えてくるのですが、それに沿って入り口に向かって歩いていくと、途中、赤レンガではなく、赤褐色の大きな壁となって、そこには金色の文字で大きく「萬仭宮牆」と書かれています。

これは論語から来ていて、「学問に近道はなし、一生懸命に努力しなさい」という意味なんだそうです。

その壁を通り過ぎて、さらに壁伝いに進んでいき、角を右へ曲がると入り口に到着します。

入り口の屋根は赤褐色をベースに青やエメラルドグリーン、オレンジなどカラフルで、屋根の端が燕の尾っぽのようにシュッと空に向かって伸びていて貫禄ある造りです。

台北の街中には、大規模なでこのような建物は少ないので、ここに来るとなんだか古都・台南に飛んで行ったような気分になります。

中に入るとすぐにトラベルサービスセンターがあるので、ここに日本語のパンフレットもありますし、日本語の音声ガイドも借りることができますよ。

建物や敷地の雰囲気を楽しむのもいいですが、ちょっと詳しく知りたいなという場合は、やはり音声ガイドを借りてから巡るとより深く楽しめると思います。

建物の壁、屋根、柱、一つ一つの装飾がとても緻密で美しいので、じっくりと楽しんでください。10角形が幾重にも重なった大成殿の天井も圧巻ですよ。ぜひ天井も見上げてみてくださいね。

また学問の神様ということで、観光客だけでなく、台湾の学生さんも多く訪れるようで、合格祈願の絵馬もかかっています。ただ日本とはちょっと違った感じで樹に吊り下げるような形でかかっていますよ。

敷地内には学校として使われていた「明倫堂」という建物があって、その1階にはお土産屋さんもあります。お守りも売っているので、受験生の知り合いへのお土産にもいいかもしれませんね。

この「台北市孔子廟」の敷地内には緑も多いので、のんびりとめぐってみてください。

「台北市孔子廟」は入園無料。開放時間は朝8時30分から夜9時まで。月曜日はお休みです。

そして、「台北市孔子廟」のお隣にあるのが「大龍峒保安宮」。

こちらは“医学の神様”と呼ばれる「保生大帝」を主神として祀っている廟で、その歴史は長く、この「大龍峒保安宮」は、「艋舺龍山寺」、「艋舺清水巖」とあわせて“台北三大廟”と呼ばれています。

「大龍峒保安宮」は、1742年に台湾で疫病が流行っていたため、中国大陸の福建省同安から台湾に移民してきた人たちが、故郷である白礁郷の慈濟宮から分霊を授かり、この大龍峒に祀ったのがはじまりだとされています。当初は木造づくりの簡素な廟でしたが、神のご加護に感謝して、1755年から正式な廟を建てはじめ、5年後の1760年に完成しました。

最近では、1995年に大規模な修復作業が行われ、その後、2003年にユネスコの「アジア太平洋文化遺産保全賞」を受賞しています。

こちらも建物の精密な装飾があちらこちらに施されていますよ。柱に巻き付く龍の彫刻は迫力があります。また、正殿の壁には中国古代神話や歴史の物語が描かれています。

「大龍峒保安宮」は、全体の色味も雰囲気も重厚感があり、2018年に国定古跡に指定されています。

主神の「保生大帝」の他にも、「三十六神將」や「黑虎將軍」、「關聖帝君(関羽)」、「神農大帝」、「玄天上帝」など、様々な神様も祀られていますので、色々な目的のお参りもできますね。

なお、「大龍峒保安宮」では、毎年旧暦の3月15日の「保生大帝」の誕生日に合わせ、大規模な生誕祭「保生文化祭」が行われます。「保生大帝」の生誕祭典や、「神農大帝」の生誕祭典、「天上聖母」の生誕法会といった伝統的な祭典だけでなく、音楽会や学術研究討論会といったイベントなど、伝統と現代、生活美学や人文芸術といったものも融合し、およそ2か月間に渡って盛り上がります。

そして3年に一度、「保生大帝」の生誕パレードが行われます。

今、ちょうど「大龍峒保安宮」の「保生文化祭」の真っ最中です。今年がパレードの年ですので、より盛り上がりを見せていますよ。

普段は台北の街中であることを忘れてしまうくらいに静かでゆっくりとお参りができる「大龍峒保安宮」。賑やかで熱気あふれる雰囲気を楽しみたいという方は旧暦3月15日の生誕祭に合わせて、ゆっくりお参りや建物を楽しみたいという方はそれ以外のタイミングに訪れるといいかもしれません。

トーク②:臺北臨濟護國禪寺≫

今度は台北メトロMRT「圓山」駅の東側のスポットをご紹介しましょう。

駅の東側には今度は日本人にはちょっと馴染みのある建物があります。それは、「台北臨済護国禅寺」。そう、お寺です。

これは日本の仏教、臨済宗鎮南山護国寺の分院で、日本統治時代の1900年に建設が開始、1911年に完成した台湾で唯一「護国」と名付けられた仏教寺院だそうです。

日本統治時代には、台北市に善道寺、東和禅寺、臨済護国禅寺の3つの日本式の大型仏教「本堂」があったそうです。

「善道寺」は駅の名前にもなっているので有名ですよね。ただこの「善道寺」は1981年にビルに建て替えられ、「東和禅寺」は1993年に取り壊されて鐘楼だけが残されています。

唯一残されたのがこの「臨済護国禅寺」の本堂で、台湾の現存する日本統治時代の木造建築の中で、もっとも初期に建てられた代表的な建物だとされています。

2007年に修復工事が行われた際には、本堂を元の外観に復元するために、日本から黒瓦と筒瓦を取り寄せ、台湾北東部・宜蘭のヒノキを使って復元工事を行ったんだそうですよ。

本堂そばの旧鐘楼の屋根には日本でも最近ではなかなか見かけることが少なくなった立派な鬼瓦が見られますよ。

本堂や旧鐘楼は日本の雰囲気を感じますが、入口や他の建物は日本ではあまり見かけない色合いで、日本と台湾の文化が融合した、日本のお寺とはまた違った雰囲気を感じることができますよ。

場所は、台北メトロMRT「圓山」駅、2番出口を出て右側すぐです。

ここも普段はとても静かで、ゆっくりと見学やお参りすることができます。

なお、開放時間は朝7時30分から夕方4時までとなっています。

トーク③:圓山考古遺址≫

そして、台北メトロMRT「圓山」駅の東側にあるもう一つのスポットが「圓山考古遺址」。

1953年に10日間のテスト発掘を行ったのが最初で、翌1954年台湾大学の考古人類学部と、台北市文献委員会が協力して発掘を始めました。

1987年には縄文時代の土器の文化層が発見されたり、大量の貝殻や獣の骨、石器などが出土し、「圓山考古遺址」は国家文化資産とされています。

そのため、公開されていない部分も多くありますが、「百藝廣場」というエリアがあって、その入ってすぐのところに「圓山遺址展示室」があって、そこでは説明のパネルや出土した時の状況、発掘されたものなどを見ることができます。

この「百藝廣場」にはステージがあって、そこでは伝統的な歌や踊りなどのパフォーマンスイベントが不定期的に行われたりします。

しかもこの「百藝廣場」から奥に入っていくと、赤レンガや赤い瓦で作られた昔ながらの建物がたくさん建てられているエリアがあって、なんだかタイムスリップしたような気分になりますよ。この建物を背景に写真を撮っている台湾人もよく見かけます。

この周辺は実は、台北市立動物園の前身である「圓山動物園」があった場所で、併せて1934年に台湾で最初の公営遊園地「児童遊園地」ができた場所です。

台北で育った人たちにとっては懐かしい思い出の場所とされています。

「圓山考古遺址」内のこの懐かしいエリアは、2019年に「圓山自然景観公園」として生まれ変わり、今ではハイキングや自然を楽しみに訪れる人が多くいます。

遺跡というはるか昔の歴史から、数十年前の懐かしい雰囲気までを楽しめるスポットとなっています。

そうそう、以前、MRTで圓山駅を通る際、近くにいた日本人の2人が「そういえば圓山に小さな観覧車あるよね。あそこの遊園地はやっているのかな?」と話しているのが聞こえてきたことがあります。

実は、遊園地は先ほど“生まれ変わり”と言ったように、2014年に閉園しているのですが、観覧車とメリーゴーランドはそのまま残されていて、それがライトアップされていたりするので、きっと今も営業しているのかな?と思ったんでしょうね。

今は、この観覧車やメリーゴーランドに乗ることはできませんが、周辺はきれいに整備されていて、懐かしい!と親子で写真を撮りに訪れる人も多くいます。

この圓山周辺は歴史も自然も豊富なエリアです。

とても広いので、のんびり過ごそうと思ったら、圓山エリアだけで丸一日過ごせますよ。

皆さんも圓山エリアに来るときは時間をたっぷり見て、ゆっくり楽しんでくださいね。

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