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GO GO台湾 - 2021-04-24_バードウォッチングスポット

 
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トーク①:台北植物園≫

今週、台湾でこんなニュースが流れていました。

「目覚めたらスターになっていた!」

先日、オーストラリアのブリスベンの港で、1羽の台湾のスズメが見つかり、その姿を一目見たいと現地の愛鳥家からの問い合わせが殺到しているそうです。

なんでも、このスズメは貨物船に紛れ込んでオーストラリアまで来てしまったそうですが、台湾でよく見かけるスズメと、オーストラリアにいるイエスズメとは種類が違うそうで、オーストラリアの愛鳥家たちが大興奮しているそうです。

ただ、港は管制区域であることから自由に見に行くことができないため、港の事務所に問い合わせが殺到しているんだそうです。

このニュースに台湾のネットでは、「ウケる!毎日見ているものが突然珍しいものになった」、「伝統市場の鳥が海を渡るとスターに!」、「寝て起きたら人気者になっていた!」というコメントや、スズメの気持ちとして「ここはどこ?私は誰?私に会いたい人は誰?」なんていう書き込みも。そして、「オーストラリアの愛鳥家の皆さん、コロナ後にはぜひ台湾に撮影に来てください」とコメントしています。

まさか毎日近くで見かけるスズメが、海を渡るとこんなに人気になるなんて面白いですね。

このスズメの他にも、台湾にはいろんな種類の鳥がいて、日本では見たことのない鳥もたくさん見かけます。

そんな台湾を代表する鳥が「台灣藍鵲(ヤマムスメ)」。頭部は黒でくちばしと足は赤色、身体と羽は濃い青で尾っぽが長いのが特徴の台湾固有種の美しい鳥で、台湾の“国鳥”とされています。

羽を広げて飛んでいる姿も美しいんですよ。ちなみに、雄でも“ヤマムスメ”と呼ばれています。

その「ヤマムスメ」、普段は海抜の低い広葉樹林に住んでいて、台北だと北部の陽明山でよく見かけます。

陽明山は花だけでなく、鳥の鑑賞スポットとしても人気です。「ヤマムスメ」の姿を一目見たい!という方は、ぜひ陽明山へ行って探してみてくださいね。

ただ2014年には台北市の南西部、小南門にある「台北植物園」で「ヤマムスメ」のつがいが子育てをしているのが確認され注目を集めました。そして近年、「ヤマムスメ」が市街地に飛んできている姿もたびたび確認されていて、陽明山まで行かずとも街中で見かけることがあるかもしれません。

RTIのスタジオがある圓山にも表れることがあるんですよ!

でも「ヤマムスメ」を探すときには一つ注意が必要です。「ヤマムスメ」は4月から8月が繁殖シーズンで、この時期は自分たちのテリトリーに入ってきたものを攻撃したり威嚇したりする習性があるそうです。今年も、市街地の樹の上で雛を育てている「ヤマムスメ」が通りかかった人の頭を攻撃してきたというニュースもありますので、もし「ヤマムスメ」を見かけても遠くからそっと見守るようにしてくださいね。

ちなみに、この「ヤマムスメ」が子育てしているのが確認されたことのある「台北植物園」は、日本統治時代の1896年に日本人によって創設された「台北苗圃」と呼ばれる植物の研究拠点が前身で、台湾初の植物園とされています。およそ8ヘクタールの敷地内には、台湾、日本、中国大陸、東南アジアなどから集めた試験研究植物の種が保存されていて、現在も研究や植物の保護、展示や教育の場とされています。園内は蓮の池や、十二支エリア、多肉植物エリア、民族植物エリアなど…テーマごとに分かれていて、植物の種類も数も豊富で、中に入るとここが台北市内の街の中だということを忘れてしまいます。

それだけ豊富な植物にあふれていますので、この「台北植物園」にはたくさんの種類の鳥たちもやってきます。そのため、バードウォッチャーにも人気のスポットとなっているんですよ。都会のオアシスである「台北植物園」、もしかしたらここで「ヤマムスメ」と出会えるかもしれません。

「台北植物園」までのアクセスは、台北新交通システムMRT(台北メトロ)グリーンラインに乗って「小南門」駅下車、3番出口を出て左にまっすぐ5分ほど歩くと「台北植物園」の入り口に突き当たります。

なお、この「台北植物園」の園内には、2級国定古跡に認定されている「欽差行臺」という建物もあります。この建物は、清朝時代の台北府の迎賓館で、その後、台湾総督府としても使用されていました。後に解体される予定となっていたのですが、その建物の構造の美しさから残されたものです。

植物や鳥たちを楽しみつつ、その建物にもぜひ足を運んでみてください。

「台北植物園」は入園無料。しかも営業時間は、朝5時半から夜10時までと、早朝から遅い時間まで開いているので、日中はもちろん、朝、鳥のさえずりを楽しみながら園内を散歩するのもよし、夜の静かな植物園を楽しむのもよし。どの時間帯に行っても、時間ごとに違う顔を見せてくれますよ。月曜日はお休みです。

なお、2級国定古跡の「欽差行臺」は毎週火曜日から日曜日の午前9時から午後4時半までの開放となっています。

トーク②:關渡自然公園≫

そして、台北エリアで最も有名な“バードウォッチングスポット”と言えば、「關渡自然公園」。

ここは、基隆河と淡水河が交わる場所で、古くから渡り鳥たちの重要な生息地となっていました。

ただ、時代の変化や近代化の発展に伴い、工業廃水や家庭排水などにより水が汚染されるなど、湿地生物の生息環境が大きく損なわれていました。

そこで1981年から環境保護を求める人たちが政府にこの場所の豊富な生態系を保護するよう保護区の設立を求めました。そして1996年に台北市が、台北市内で最後の湿地を保護するために「關渡自然公園」を設立。2001年12月1日から、「關渡自然公園」の管理者として、「社団法人 台北市野鳥学会」を任命し、今もこの自然を守っています。

この環境保護の取り組みがあったからこそ、今、台北でもたくさんの鳥たちを鑑賞することができるんですね。

この「關渡自然公園」の園内は、メイン施設エリア、自然保護エリア、屋外観察エリア、サステナブル経営エリア、立ち入り制限湿地と、大きく5つのエリアに分かれていて、「關渡自然公園」のオフィシャルサイトによると、これまでに300種近い鳥を観測していて、国際的な鳥類保護団体であるバードライフ・インターナショナルが認める重要鳥類地域(IBA)となっています。

「關渡自然公園」は、マングローブ湿地とその他の湿地付近にあるため、例えば、日本でもおなじみのコガモや、白い体に黒い羽根、ピンクの長い脚と細長いくちばしでスラッとした印象のセイタカシギ、キリッと立つアオサギなど、様々な水鳥が集まります。

保護エリアなどは立ち入りが制限されているので、ここは少し離れた場所から双眼鏡などを使って観察をするという楽しみ方です。

この公園では、たくさんの鳥たちを鑑賞できるだけでなく、湿地公園を歩いていると、水牛が遊んでいる様子なども近くで見ることができたりします。台北エリアでこんな自然を楽しむことができるなんてびっくりしますよ。

「關渡自然公園」は、季節によって開放時間が異なりますのでオフィシャルサイトでチェックしてから出かけてくださいね。なお、月曜日はお休みです。入園料は一人60台湾元(日本円およそ230円)です。

「關渡自然公園」までのアクセスは、台北新交通システムMRT(台北メトロ)レッドラインに乗って、「關渡」駅下車、1番出口から出て徒歩およそ10分。もしくは駅前から「紅35」番のバスか、「小23」番のバスに乗って3つ目、「關渡自然公園」バス停下車すぐです。

トーク③:台北の街中のバードウォッチングスポット≫

この他にも、台北の街中でもいろんな種類の鳥を見ることができますよ。

人気観光スポットである「中正紀念堂」の敷地内や、“台北の肺”こと、都会のオアシス「大安森林公園」、そして台湾大学をはじめとした敷地の広い大学のキャンパスでよく見かけるのが「ズグロミゾゴイ」。

ラグビーボールサイズの中型サイズの鳥で、茶色の羽に、頭の部分が冠をかぶったように黒っぽいのが特徴です。本当に結構そこら辺を歩いている鳥なので、見かけたことある方も多いのではないでしょうか。

あまり俊敏ではなく、ぬぼ~っとそこらへんに立っていたりして、びっくりすることがあります。

語学学校に通っていた時、言語交換をしていた大学生から、「この鳥の名前知ってる?『大笨鳥』って呼ばれているんだよ」って教えてもらったんですけど、そのあだ名の意味は「大バカ鳥」!なんでも、ぼーっと突っ立っていたり、近寄って行ってもすぐに飛んで逃げずに歩いていたりする姿からそう呼ばれているそうです。なんかちょっと気の毒なあだ名をつけられていますが…ただそのぼーっとした姿に癒されるという人もいるようです。

でも実は、いざとなったら俊敏に動いたり、ちゃんと飛んだりするんですよ。

街中で見かけても本当にのんびり歩いているので、写真にはおさめやすい鳥です。

ちなみに、この「ズグロミゾゴイ」は日本では沖縄県の石垣島や西表島、黒島に生息しているものの、絶滅危惧Ⅱ類となっているのですが、台湾では街中でスズメと同じくらい、いや、もしかしたらスズメよりもよく見かけるかもしれません。

ちなみに、台湾大学のキャンパス内で鳥たちを探すなら、キャンパス内にある池、「醉月湖」を目指してください。ここは大、中、小の3つの池から成っていて、水質や周辺緑地の環境改善を行っていて、多くの鳥や魚が集まっているんです。池の周りにはウッドデッキが整備されていて、のんびりお散歩にもいいですよ。

街中で珍しい鳥を探したいなら、「大安森林公園」がおススメ。ここには、コサギやゴイサギをはじめ、たくさんの種類の鳥たちがいるんですが、その名の通り5色のカラフルな羽根を持つ「ゴシキドリ」や、「シロガシラクロヒヨドリ」といった珍しい鳥も観ることができますよ。私も「ゴシキドリ」をこの「大安森林公園」で見ました。体は抹茶のような緑で、顔周りがカラフルな本当にかわいい鳥ですよ。

台湾は本当にいろんな種類の鳥がいます。実は台湾は、世界に9つある渡り鳥ルートの一つ、東アジア-オーストラリア間の渡り鳥ルートのちょうど真ん中に位置していて、アジアでも有名な「出会いの場」なんだそうです。

バードライフ・インターナショナルによると、台湾には379種の鳥がいて、これは世界で95位なんだそうです。更にすごいのは、そのうちの27種が世界で台湾でしか見ることのできない「台湾固有種」なんだそうです。

ちなみに、台湾の200倍以上の面積を持つ中国大陸でも固有種は67種類、面積が10倍以上の日本で20種類だそうです。

九州ほどの面積にギュッと集まっているんですね。そのため、海外のバードウォッチャーたちは、「台湾はバードウォッチングのパラダイスだ」としています。

どおりで、わざわざ山まで行かずとも、私の家の近所にもいろんな種類の鳥がやってきます。最近は黒くてちっちゃい、オレンジのくちばしの「八哥鳥」がよくやってきますし、頭の部分が白くてかわいらしい「シロガシラ」が高い透き通った鳴き声で鳴くのをよく聞きます。ただ、素敵な鳴き声なんですが、毎朝5時頃、とっても通る声で鳴くので、できればもう少し遅い時間に鳴いてくれるといいのに…と思うこともあります(笑)。

ちょっと意識を向けてみると、街中でもいろんな種類の鳥たちと出会えますよ。台湾に遊びに来たら、鳥たちの声や姿にも触れてみてくださいね。

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トーク①:台北植物園≫

今週、台湾でこんなニュースが流れていました。

「目覚めたらスターになっていた!」

先日、オーストラリアのブリスベンの港で、1羽の台湾のスズメが見つかり、その姿を一目見たいと現地の愛鳥家からの問い合わせが殺到しているそうです。

なんでも、このスズメは貨物船に紛れ込んでオーストラリアまで来てしまったそうですが、台湾でよく見かけるスズメと、オーストラリアにいるイエスズメとは種類が違うそうで、オーストラリアの愛鳥家たちが大興奮しているそうです。

ただ、港は管制区域であることから自由に見に行くことができないため、港の事務所に問い合わせが殺到しているんだそうです。

このニュースに台湾のネットでは、「ウケる!毎日見ているものが突然珍しいものになった」、「伝統市場の鳥が海を渡るとスターに!」、「寝て起きたら人気者になっていた!」というコメントや、スズメの気持ちとして「ここはどこ?私は誰?私に会いたい人は誰?」なんていう書き込みも。そして、「オーストラリアの愛鳥家の皆さん、コロナ後にはぜひ台湾に撮影に来てください」とコメントしています。

まさか毎日近くで見かけるスズメが、海を渡るとこんなに人気になるなんて面白いですね。

このスズメの他にも、台湾にはいろんな種類の鳥がいて、日本では見たことのない鳥もたくさん見かけます。

そんな台湾を代表する鳥が「台灣藍鵲(ヤマムスメ)」。頭部は黒でくちばしと足は赤色、身体と羽は濃い青で尾っぽが長いのが特徴の台湾固有種の美しい鳥で、台湾の“国鳥”とされています。

羽を広げて飛んでいる姿も美しいんですよ。ちなみに、雄でも“ヤマムスメ”と呼ばれています。

その「ヤマムスメ」、普段は海抜の低い広葉樹林に住んでいて、台北だと北部の陽明山でよく見かけます。

陽明山は花だけでなく、鳥の鑑賞スポットとしても人気です。「ヤマムスメ」の姿を一目見たい!という方は、ぜひ陽明山へ行って探してみてくださいね。

ただ2014年には台北市の南西部、小南門にある「台北植物園」で「ヤマムスメ」のつがいが子育てをしているのが確認され注目を集めました。そして近年、「ヤマムスメ」が市街地に飛んできている姿もたびたび確認されていて、陽明山まで行かずとも街中で見かけることがあるかもしれません。

RTIのスタジオがある圓山にも表れることがあるんですよ!

でも「ヤマムスメ」を探すときには一つ注意が必要です。「ヤマムスメ」は4月から8月が繁殖シーズンで、この時期は自分たちのテリトリーに入ってきたものを攻撃したり威嚇したりする習性があるそうです。今年も、市街地の樹の上で雛を育てている「ヤマムスメ」が通りかかった人の頭を攻撃してきたというニュースもありますので、もし「ヤマムスメ」を見かけても遠くからそっと見守るようにしてくださいね。

ちなみに、この「ヤマムスメ」が子育てしているのが確認されたことのある「台北植物園」は、日本統治時代の1896年に日本人によって創設された「台北苗圃」と呼ばれる植物の研究拠点が前身で、台湾初の植物園とされています。およそ8ヘクタールの敷地内には、台湾、日本、中国大陸、東南アジアなどから集めた試験研究植物の種が保存されていて、現在も研究や植物の保護、展示や教育の場とされています。園内は蓮の池や、十二支エリア、多肉植物エリア、民族植物エリアなど…テーマごとに分かれていて、植物の種類も数も豊富で、中に入るとここが台北市内の街の中だということを忘れてしまいます。

それだけ豊富な植物にあふれていますので、この「台北植物園」にはたくさんの種類の鳥たちもやってきます。そのため、バードウォッチャーにも人気のスポットとなっているんですよ。都会のオアシスである「台北植物園」、もしかしたらここで「ヤマムスメ」と出会えるかもしれません。

「台北植物園」までのアクセスは、台北新交通システムMRT(台北メトロ)グリーンラインに乗って「小南門」駅下車、3番出口を出て左にまっすぐ5分ほど歩くと「台北植物園」の入り口に突き当たります。

なお、この「台北植物園」の園内には、2級国定古跡に認定されている「欽差行臺」という建物もあります。この建物は、清朝時代の台北府の迎賓館で、その後、台湾総督府としても使用されていました。後に解体される予定となっていたのですが、その建物の構造の美しさから残されたものです。

植物や鳥たちを楽しみつつ、その建物にもぜひ足を運んでみてください。

「台北植物園」は入園無料。しかも営業時間は、朝5時半から夜10時までと、早朝から遅い時間まで開いているので、日中はもちろん、朝、鳥のさえずりを楽しみながら園内を散歩するのもよし、夜の静かな植物園を楽しむのもよし。どの時間帯に行っても、時間ごとに違う顔を見せてくれますよ。月曜日はお休みです。

なお、2級国定古跡の「欽差行臺」は毎週火曜日から日曜日の午前9時から午後4時半までの開放となっています。

トーク②:關渡自然公園≫

そして、台北エリアで最も有名な“バードウォッチングスポット”と言えば、「關渡自然公園」。

ここは、基隆河と淡水河が交わる場所で、古くから渡り鳥たちの重要な生息地となっていました。

ただ、時代の変化や近代化の発展に伴い、工業廃水や家庭排水などにより水が汚染されるなど、湿地生物の生息環境が大きく損なわれていました。

そこで1981年から環境保護を求める人たちが政府にこの場所の豊富な生態系を保護するよう保護区の設立を求めました。そして1996年に台北市が、台北市内で最後の湿地を保護するために「關渡自然公園」を設立。2001年12月1日から、「關渡自然公園」の管理者として、「社団法人 台北市野鳥学会」を任命し、今もこの自然を守っています。

この環境保護の取り組みがあったからこそ、今、台北でもたくさんの鳥たちを鑑賞することができるんですね。

この「關渡自然公園」の園内は、メイン施設エリア、自然保護エリア、屋外観察エリア、サステナブル経営エリア、立ち入り制限湿地と、大きく5つのエリアに分かれていて、「關渡自然公園」のオフィシャルサイトによると、これまでに300種近い鳥を観測していて、国際的な鳥類保護団体であるバードライフ・インターナショナルが認める重要鳥類地域(IBA)となっています。

「關渡自然公園」は、マングローブ湿地とその他の湿地付近にあるため、例えば、日本でもおなじみのコガモや、白い体に黒い羽根、ピンクの長い脚と細長いくちばしでスラッとした印象のセイタカシギ、キリッと立つアオサギなど、様々な水鳥が集まります。

保護エリアなどは立ち入りが制限されているので、ここは少し離れた場所から双眼鏡などを使って観察をするという楽しみ方です。

この公園では、たくさんの鳥たちを鑑賞できるだけでなく、湿地公園を歩いていると、水牛が遊んでいる様子なども近くで見ることができたりします。台北エリアでこんな自然を楽しむことができるなんてびっくりしますよ。

「關渡自然公園」は、季節によって開放時間が異なりますのでオフィシャルサイトでチェックしてから出かけてくださいね。なお、月曜日はお休みです。入園料は一人60台湾元(日本円およそ230円)です。

「關渡自然公園」までのアクセスは、台北新交通システムMRT(台北メトロ)レッドラインに乗って、「關渡」駅下車、1番出口から出て徒歩およそ10分。もしくは駅前から「紅35」番のバスか、「小23」番のバスに乗って3つ目、「關渡自然公園」バス停下車すぐです。

トーク③:台北の街中のバードウォッチングスポット≫

この他にも、台北の街中でもいろんな種類の鳥を見ることができますよ。

人気観光スポットである「中正紀念堂」の敷地内や、“台北の肺”こと、都会のオアシス「大安森林公園」、そして台湾大学をはじめとした敷地の広い大学のキャンパスでよく見かけるのが「ズグロミゾゴイ」。

ラグビーボールサイズの中型サイズの鳥で、茶色の羽に、頭の部分が冠をかぶったように黒っぽいのが特徴です。本当に結構そこら辺を歩いている鳥なので、見かけたことある方も多いのではないでしょうか。

あまり俊敏ではなく、ぬぼ~っとそこらへんに立っていたりして、びっくりすることがあります。

語学学校に通っていた時、言語交換をしていた大学生から、「この鳥の名前知ってる?『大笨鳥』って呼ばれているんだよ」って教えてもらったんですけど、そのあだ名の意味は「大バカ鳥」!なんでも、ぼーっと突っ立っていたり、近寄って行ってもすぐに飛んで逃げずに歩いていたりする姿からそう呼ばれているそうです。なんかちょっと気の毒なあだ名をつけられていますが…ただそのぼーっとした姿に癒されるという人もいるようです。

でも実は、いざとなったら俊敏に動いたり、ちゃんと飛んだりするんですよ。

街中で見かけても本当にのんびり歩いているので、写真にはおさめやすい鳥です。

ちなみに、この「ズグロミゾゴイ」は日本では沖縄県の石垣島や西表島、黒島に生息しているものの、絶滅危惧Ⅱ類となっているのですが、台湾では街中でスズメと同じくらい、いや、もしかしたらスズメよりもよく見かけるかもしれません。

ちなみに、台湾大学のキャンパス内で鳥たちを探すなら、キャンパス内にある池、「醉月湖」を目指してください。ここは大、中、小の3つの池から成っていて、水質や周辺緑地の環境改善を行っていて、多くの鳥や魚が集まっているんです。池の周りにはウッドデッキが整備されていて、のんびりお散歩にもいいですよ。

街中で珍しい鳥を探したいなら、「大安森林公園」がおススメ。ここには、コサギやゴイサギをはじめ、たくさんの種類の鳥たちがいるんですが、その名の通り5色のカラフルな羽根を持つ「ゴシキドリ」や、「シロガシラクロヒヨドリ」といった珍しい鳥も観ることができますよ。私も「ゴシキドリ」をこの「大安森林公園」で見ました。体は抹茶のような緑で、顔周りがカラフルな本当にかわいい鳥ですよ。

台湾は本当にいろんな種類の鳥がいます。実は台湾は、世界に9つある渡り鳥ルートの一つ、東アジア-オーストラリア間の渡り鳥ルートのちょうど真ん中に位置していて、アジアでも有名な「出会いの場」なんだそうです。

バードライフ・インターナショナルによると、台湾には379種の鳥がいて、これは世界で95位なんだそうです。更にすごいのは、そのうちの27種が世界で台湾でしか見ることのできない「台湾固有種」なんだそうです。

ちなみに、台湾の200倍以上の面積を持つ中国大陸でも固有種は67種類、面積が10倍以上の日本で20種類だそうです。

九州ほどの面積にギュッと集まっているんですね。そのため、海外のバードウォッチャーたちは、「台湾はバードウォッチングのパラダイスだ」としています。

どおりで、わざわざ山まで行かずとも、私の家の近所にもいろんな種類の鳥がやってきます。最近は黒くてちっちゃい、オレンジのくちばしの「八哥鳥」がよくやってきますし、頭の部分が白くてかわいらしい「シロガシラ」が高い透き通った鳴き声で鳴くのをよく聞きます。ただ、素敵な鳴き声なんですが、毎朝5時頃、とっても通る声で鳴くので、できればもう少し遅い時間に鳴いてくれるといいのに…と思うこともあります(笑)。

ちょっと意識を向けてみると、街中でもいろんな種類の鳥たちと出会えますよ。台湾に遊びに来たら、鳥たちの声や姿にも触れてみてくださいね。

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