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宝島再発見 - 2022-04-02_「光-台灣文化的啓蒙與自覺(光ー台湾文化の啓蒙と自覚)」の目玉展示品-甘露水について

 
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台湾ではきょう4月2日から4連休です。きょうとあしたは土曜日と日曜日。休みです。月曜日の4日は「子供の日」、5日は「お墓参りの日」、両方とも国定休日です。ですから四日間連続で休みとなっています。せっかくの四連休ですが、初日のきょうは台北は、最高気温摂氏15度、最低気温摂氏13度の雨の日です。みんな、寒い!寒い!と言っています。日本のほうはいかがでしょうか、

さて、去る3月28日月曜日、台湾国際放送の運営母体である、中央放送局の職員たちは、頼秀如・董事長引率の下、ある展覧会を参観しました。展覧会のテーマは、「光-台灣文化的啓蒙與自覺(光ー台湾文化の啓蒙と自覚)」となっています。

展覧会を案内してくださったのは、この展覧会のチーフキュレーターを務めている、国立台北教育大学北師美術館の林曼麗・教授です。林・教授は、国家文化芸術基金会の董事長でもあります。

林曼麗・教授は、ご多忙の中、日本語課のインタビューに答え、この展覧会の目玉である、大理石の彫刻作品「甘露水」を紹介してくださいました。この作品は、戦後半世紀にわたって行方不明でしたが、昨年2021年になって発見され、昨年12月に台湾北部・台北市にある、国立台北教育大学に属する「北師美術館」で展示されており、多くの来館者を引き付けました。

半世紀も行方不明になった彫刻品、どういうきっかけで一般公開されるようになったでしょうか、早速、林曼麗・教授のご説明をお聞きいただきましょう。

(林曼麗・教授のご説明-3分20秒から)

国立台北教育大学に属する「北師美術館」で開催されている「光-台灣文化的啓蒙與自覺(光ー台湾文化の啓蒙と自覚)」では、1920年から1940年代までの台湾の芸術家の代表作300点余りが展示されています。

その中で特に注目されているのは、台湾の著名な彫刻家、黄土水氏の大理石の彫刻作品「甘露水」です。甘露煮の甘露二文字に、水と書きます。日本語の中にも甘露水という三文字がありますね。中国語では「甘露水」は、仏教用語として知られています。柳の枝を片手にする、観音菩薩がもう片方の手で持つ瓶に入っている水のことです。それを信者に撒くと、無病息災の力を与えることができるといわれています。

でも、黄土水氏の彫刻作品「甘露水」は、観音菩薩をテーマにするものではありません。この彫刻作品は、「台湾のヴィーナス」と称えられています。名前からもお分かりになるかもしれませんが、裸の女性をテーマにする彫刻作品です。

この彫刻作品をご紹介する前、まず作品を作った彫刻家の黄土水氏をご紹介しなければなりません。

1895年生まれの黄 土水(黃土水、こう どすい, Huang Tu-Shui, 1895年7月3日 - 1930年12月21日)は、日本統治時代の台湾出身の彫刻家。台湾人として初めて日本の東京美術学校に入学、また台湾人として初めて日本の官展(かんてん)に入選するなど、台湾近代美術の先駆者として活躍した方です。しかし、残念なことに、1930年、35歳という若さで亡くなりました。

黄土水氏は1919年、甘露水を作り始め、1921年それを完成しました。その前の1920年に、黄土水氏は、『蕃童』という作品で初めて当時日本最高の美術展だった「帝国美術院展覧会」に入選しました。そして翌年1921年には『甘露水』で2度目の入選を果たしました。甘露水の入選は台湾の美術のために新たな一ページを切り開いたと考えられています。

甘露水はどういう作品かといいますと、

『自信に満ちた表情の女性がわずかに上を向き、胸を張ってすっくと立っている。両手は後ろにある、腰から足元まである大きな貝殻に軽く添え、光のような向上心の精神を放っている。表情はゆったりとしながら力強く、当時日本で学んでいた黄土水氏の、大きく発展しつつあった台湾社会に対する期待と想像は、台湾の芸術史に新たなチャプターをもたらしたのである。

黄土水(1895~1930)は台湾で初めて当時日本最高の美術展だった「帝国美術院展覧会」に入選した芸術家。黄土水は1920年に『蕃童』で初めて同展覧会に入選。続く1921年には『甘露水』で2度目の入選を果たした。

『甘露水』は翌年、平和記念東京博覧会の要請に応じて同博覧会の台湾館で展示され、日本の皇室も大いに興味を示したという。黄土水の活躍は芸術がまだ根付いていなかった台湾で、芸術の道を目指す若者たちを大いに鼓舞することになった。

しかし1930年、「帝国美術院展覧会」を控えた黄土水は大型のレリーフ作品『水牛群像』の制作に没頭し、過労に腹膜炎を併発して東京で死去。翌年、台湾教育会館(現在の二二八国家紀念館)が落成するにあたり、それを祝う意味合いで『甘露水』は台湾教育会館に収蔵されることになり、同記念館の収蔵品として台湾総督府旧庁舎(現在の中山堂)で開かれた「黄土水遺作展」で展示された。

1958年、台湾省臨時省議会が台中市(台湾中部)に移転するに伴い『甘露水』も台中に運ばれたがなぜか台中駅に放置され、関心を示す者もいなかったという。

現在の『甘露水』を見ると、洗い落とすことの出来ない黒い汚れがあるが、当時誰かが墨をかけたものと推測される。幸い数日後、『甘露水』は駅の近くの張外科診所(張外科診療所)に移され、張氏の家族によって保管されることとなった。そして1974年からは張一家所有の台中市霧峰区の工場で保管されていたのである。

『甘露水』は長年「封印」されていたが、黄土水が改めて注目されるようになると、人々はこの台湾の姿を代表する作品を思い出すこととなった。そして『甘露水』を人々の眼前に登場させようと、林曼麗教授が国立台北教育大学北師美術館のチームを率いて粘り強く探し続けた結果、ついに半世紀近く姿を隠していた『甘露水』が再び日の目を見ることとなった。そして今年9月6日、蔡英文総統が立ち会う中、永久に保存する作品として文化部に収蔵されたのである。

北師美術館では、『甘露水』の台湾の美術史に対する重要性は作品そのもののみならず、その境遇と経緯が台湾における過去100年の運命と歴史を反映していることにあると指摘している。』

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さて、去る3月28日月曜日、台湾国際放送の運営母体である、中央放送局の職員たちは、頼秀如・董事長引率の下、ある展覧会を参観しました。展覧会のテーマは、「光-台灣文化的啓蒙與自覺(光ー台湾文化の啓蒙と自覚)」となっています。

展覧会を案内してくださったのは、この展覧会のチーフキュレーターを務めている、国立台北教育大学北師美術館の林曼麗・教授です。林・教授は、国家文化芸術基金会の董事長でもあります。

林曼麗・教授は、ご多忙の中、日本語課のインタビューに答え、この展覧会の目玉である、大理石の彫刻作品「甘露水」を紹介してくださいました。この作品は、戦後半世紀にわたって行方不明でしたが、昨年2021年になって発見され、昨年12月に台湾北部・台北市にある、国立台北教育大学に属する「北師美術館」で展示されており、多くの来館者を引き付けました。

半世紀も行方不明になった彫刻品、どういうきっかけで一般公開されるようになったでしょうか、早速、林曼麗・教授のご説明をお聞きいただきましょう。

(林曼麗・教授のご説明-3分20秒から)

国立台北教育大学に属する「北師美術館」で開催されている「光-台灣文化的啓蒙與自覺(光ー台湾文化の啓蒙と自覚)」では、1920年から1940年代までの台湾の芸術家の代表作300点余りが展示されています。

その中で特に注目されているのは、台湾の著名な彫刻家、黄土水氏の大理石の彫刻作品「甘露水」です。甘露煮の甘露二文字に、水と書きます。日本語の中にも甘露水という三文字がありますね。中国語では「甘露水」は、仏教用語として知られています。柳の枝を片手にする、観音菩薩がもう片方の手で持つ瓶に入っている水のことです。それを信者に撒くと、無病息災の力を与えることができるといわれています。

でも、黄土水氏の彫刻作品「甘露水」は、観音菩薩をテーマにするものではありません。この彫刻作品は、「台湾のヴィーナス」と称えられています。名前からもお分かりになるかもしれませんが、裸の女性をテーマにする彫刻作品です。

この彫刻作品をご紹介する前、まず作品を作った彫刻家の黄土水氏をご紹介しなければなりません。

1895年生まれの黄 土水(黃土水、こう どすい, Huang Tu-Shui, 1895年7月3日 - 1930年12月21日)は、日本統治時代の台湾出身の彫刻家。台湾人として初めて日本の東京美術学校に入学、また台湾人として初めて日本の官展(かんてん)に入選するなど、台湾近代美術の先駆者として活躍した方です。しかし、残念なことに、1930年、35歳という若さで亡くなりました。

黄土水氏は1919年、甘露水を作り始め、1921年それを完成しました。その前の1920年に、黄土水氏は、『蕃童』という作品で初めて当時日本最高の美術展だった「帝国美術院展覧会」に入選しました。そして翌年1921年には『甘露水』で2度目の入選を果たしました。甘露水の入選は台湾の美術のために新たな一ページを切り開いたと考えられています。

甘露水はどういう作品かといいますと、

『自信に満ちた表情の女性がわずかに上を向き、胸を張ってすっくと立っている。両手は後ろにある、腰から足元まである大きな貝殻に軽く添え、光のような向上心の精神を放っている。表情はゆったりとしながら力強く、当時日本で学んでいた黄土水氏の、大きく発展しつつあった台湾社会に対する期待と想像は、台湾の芸術史に新たなチャプターをもたらしたのである。

黄土水(1895~1930)は台湾で初めて当時日本最高の美術展だった「帝国美術院展覧会」に入選した芸術家。黄土水は1920年に『蕃童』で初めて同展覧会に入選。続く1921年には『甘露水』で2度目の入選を果たした。

『甘露水』は翌年、平和記念東京博覧会の要請に応じて同博覧会の台湾館で展示され、日本の皇室も大いに興味を示したという。黄土水の活躍は芸術がまだ根付いていなかった台湾で、芸術の道を目指す若者たちを大いに鼓舞することになった。

しかし1930年、「帝国美術院展覧会」を控えた黄土水は大型のレリーフ作品『水牛群像』の制作に没頭し、過労に腹膜炎を併発して東京で死去。翌年、台湾教育会館(現在の二二八国家紀念館)が落成するにあたり、それを祝う意味合いで『甘露水』は台湾教育会館に収蔵されることになり、同記念館の収蔵品として台湾総督府旧庁舎(現在の中山堂)で開かれた「黄土水遺作展」で展示された。

1958年、台湾省臨時省議会が台中市(台湾中部)に移転するに伴い『甘露水』も台中に運ばれたがなぜか台中駅に放置され、関心を示す者もいなかったという。

現在の『甘露水』を見ると、洗い落とすことの出来ない黒い汚れがあるが、当時誰かが墨をかけたものと推測される。幸い数日後、『甘露水』は駅の近くの張外科診所(張外科診療所)に移され、張氏の家族によって保管されることとなった。そして1974年からは張一家所有の台中市霧峰区の工場で保管されていたのである。

『甘露水』は長年「封印」されていたが、黄土水が改めて注目されるようになると、人々はこの台湾の姿を代表する作品を思い出すこととなった。そして『甘露水』を人々の眼前に登場させようと、林曼麗教授が国立台北教育大学北師美術館のチームを率いて粘り強く探し続けた結果、ついに半世紀近く姿を隠していた『甘露水』が再び日の目を見ることとなった。そして今年9月6日、蔡英文総統が立ち会う中、永久に保存する作品として文化部に収蔵されたのである。

北師美術館では、『甘露水』の台湾の美術史に対する重要性は作品そのもののみならず、その境遇と経緯が台湾における過去100年の運命と歴史を反映していることにあると指摘している。』

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