宝島再発見 - 2020-06-06韓国瑜・高雄市長のリコール成立など
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きょうは6月6日です。きょうの台湾で最も注目を集めている話題は何と言っても台湾南部の大都市、高雄市の韓国瑜・市長の解職請求の賛否を問う住民投票の投票結果でしょう。
韓国瑜・高雄市長は、台湾の民主政治において初めて解職請求に関する住民投票の対象となった行政院直轄市の市長ですが、解職請求に関する住民投票の対象となったのは二回目です。1994年、当時立法委員(国会議員)だった韓国瑜氏は、第四原子力発電所の建設に賛同したことから、ほかの国民党の立法委員3人と共に、原子力の使用に反対する民間団体が提案した住民投票の解職請求の対象となりました。
即日投開票ですので、もう結果が出ています。6日午後5時12分時点で、賛成票は60万票を超えていることから、韓国瑜・高雄市長の解職請求に関する住民投票が成立することになりました。韓国瑜・高雄市長は、台湾の自治体政治史上で初めて罷免された行政院直轄市の市長となりました。
中央選挙委員会は、6月12日に投票の結果を正式に公表します。満20歳で、6月5日まで高雄市に戸籍を設けて連続4ヶ月以上経った高雄市民は、みな投票することが出来ます。このたびの住民投票は、高雄市長選挙の規模とほぼ同様です。高雄市全域に投票所が1823ヶ所設けられ、スタッフが2万人を超え、高雄市選挙委員会は、関連経費はおよそ台湾元1億1000万元あまり(約日本円4億円)必要だと見積もっています。
高雄市選挙委員会は5月21日に、6月6日の住民投票の有権者数は、230万362人と発表しましたが、中央選挙委員会が6月1日に発表したところによりますと、有権者数は229万9981人です。中央選挙委員会は6月2日にすでにこの数字を正式に公告しました。
この数字を基準に計算すれば、韓国瑜・高雄市長の解職請求に関する住民投票の成立には57万4996票が必要です。この住民投票の成立には二つの用件があります。
一つ目は、賛成者の有効投票数が反対者より多いこと。
二つ目は、賛成票が有権者数の25%以上に達すること。(約57万5000票)
台湾の「公職人員選挙罷免法」の規定によれば、解職請求に関する住民投票が成立した公職者は、解職された日から4年以内に同一公職者の候補者になってはいけません。解職請求に関する住民投票が進められている期間中に自ら辞任した人も同様です。しかし、解職請求に関する住民投票が成立しない場合、その公職者の任期中に再度解職請求に関する住民投票を行ってはいけないということです。
それではなぜ、民間団体が韓国瑜・高雄市長を対象とする解職請求に関する住民投票を発起したのでしょうか、原因は三つあります。
一つ目は、第15代正副総統選挙に立候補し、高雄市の施政に専念していないこと。2018年の高雄市長選挙で当選を果たした韓国瑜・市長は、市長在任中の2020年1月に第15代正副総統選挙に立候補し、物議を醸しています。
二つ目は、高雄市長選挙の公約を守らなかったこと。
三つ目は、不適切な言論を繰り返したこと。
2018年に行われた高雄市長選挙で韓国瑜氏は、89万票を獲得し、ライバルの民進党の公認候補、陳其邁氏をはるかに上回りました。しかし、2020年1月に行われた第15代正副総統選挙で韓国瑜氏の得票数はわずか61万票で、前回の選挙に比べて28万票も少なくなりました。今回の解職請求に関する住民投票で賛成票を入れた有権者は6日午後5時過ぎ時点では60万人を超え、2018年の高雄市長選挙での得票数89万票に接近しています。
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