Artwork

コンテンツは 中央廣播電臺 RTI Radio Taiwan International and 王 淑卿 , Rti によって提供されます。エピソード、グラフィック、ポッドキャストの説明を含むすべてのポッドキャスト コンテンツは、中央廣播電臺 RTI Radio Taiwan International and 王 淑卿 , Rti またはそのポッドキャスト プラットフォーム パートナーによって直接アップロードされ、提供されます。誰かがあなたの著作権で保護された作品をあなたの許可なく使用していると思われる場合は、ここで概説されているプロセスに従うことができますhttps://ja.player.fm/legal
Player FM -ポッドキャストアプリ
Player FMアプリでオフラインにしPlayer FMう!

宝島再発見 - 2022-05-07_新型コロナってそんなに怖くない、でもまたかかりたくはない

 
シェア
 

Manage episode 327805123 series 2545202
コンテンツは 中央廣播電臺 RTI Radio Taiwan International and 王 淑卿 , Rti によって提供されます。エピソード、グラフィック、ポッドキャストの説明を含むすべてのポッドキャスト コンテンツは、中央廣播電臺 RTI Radio Taiwan International and 王 淑卿 , Rti またはそのポッドキャスト プラットフォーム パートナーによって直接アップロードされ、提供されます。誰かがあなたの著作権で保護された作品をあなたの許可なく使用していると思われる場合は、ここで概説されているプロセスに従うことができますhttps://ja.player.fm/legal

今週は、ちょっと趣を変えて、台湾の10歳の新型コロナウイルス感染者、レニーちゃんへのインタビュー内容をご紹介いたします。今週のご案内は、風間 みなみです。

タイトルは、「新型コロナってそんなに怖くない、でもまたかかりたくはない」。

これは、台湾国際放送の運営母体、中央放送局と台湾のオンラインメディア、「報道者 ザ・レポーター」とのコラボによるものです。一回目はきょう放送しますが、二回目以降は、日曜日に放送されています、「台湾お気楽レポート」で不定期にご紹介いたします。

「報道者 ザ・レポーター」は、2015年に台湾で初めて公益基金会によって設立されたオンラインメディアです。公式サイト、各SNS、ポッドキャストなどで情報を発信しています。

10歳のレニーは4月中旬に新型コロナウイルス陽性となりました。彼女は今でもどうして感染したのか分かりません。自分では「もしかしたら綺麗に手を洗わなかったから」かもしれないと考えています。

彼女の看病をし一緒に寝たお母さんが感染した他は、一緒に住んでいるおじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、弟、それに先生や同級生は感染した人はいませんでした。

お母さんと一緒に隔離施設に行ったレニーは、発病して4日間は、高熱と喉の痛みで辛かったものの、「前にお腹を壊した時ほど辛くない」と思いました。

彼女は毎日隔離施設でオンライン授業を受け、中間試験の再試験の準備をしました。

これは、レニーが新型コロナになった時の気持ちを語ったものです。

最初は、疲労感と胃が張った感じがした

4月15日金曜日、朝起きた後、私は喉がちょっと痛いと思いました。でもお母さんが準備してくれた朝ごはんを食べたら良くなりました。いつものように学校に行きました。私たちのクラスは身体能力があまりよくないので、先生から朝の自習時間にフィジカルトレーニングをするよう言われ、バスケットコートに沿って走りました。その時、私は具合が悪いなんてことはなく、みんなと一緒に走りました。

その後教室に戻ってから疲れを感じ始めました。私は先生に2回疲れていると伝え、先生は机に突っ伏して休むよう言いました。そしてその日、私は1日中机に突っ伏して休みました。お昼に胃が張った感じがし、食欲もなく、お昼ご飯を食べませんでした。

最後の授業になった時、先生が「お母さんに電話して早く帰りなさい」と言いました。私は小学校に入学して以来初めて、泣きながらお母さんに電話しました。その時、本当に具合が悪かったのですが、保健室で熱を測ったら36.2度しかありませんでした。保健室の看護師さんは「熱がないから帰らなくていい」と言い、私はまた教室に戻って休むしかなく、放課後、クラスメイトが遊びに行くのを見ていました。

お母さんは午後4時になってすぐに迎えにきてくれました。夜には救急外来に行きましたが、私が陽性者との接触歴がなかったので、お医者さんは新型コロナの検査をする必要はないと考え薬を出してくれました。その後、私たちは家に帰りました。

39.6度の高熱。陽性だ!

私の家は、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、弟と私の6人家族です。

いつもは自分の部屋で寝ていますが、具合が悪かったので、お母さんと一緒に寝ました。

次の日、私は朦朧としていました。お母さんが39.6度の熱があると言い、簡易検査キットで確認したところ、陽性でした。夜に私たちはまた救急外来に行き、昨日と同じお医者さんが対応してくれました。私とお母さんは陰圧室に入ることになり、PCR検査を受けるよう言われました。

陰圧室に入ると、とても新鮮な感じがしました。トイレさえも仕切られていませんでした。お医者さんは、「もしもトイレに行きたくなれば、病室の中のカーテンを閉めてください」と言い、また「そうすると、勝手に入ることはありません」と言いました。

PCR検査は鼻の奥をぬぐうので多くの人が怖がっていると思いますが、私は大丈夫だと思いました。その救急のお医者さんの腕が良く、綿棒を鼻の中に入れて素早く拭ってくれました。少し痛かったとはいえ、あっという間に終わりました。後々隔離施設でもPCR検査を受けましたが、その時の方が痛かったです。涙も鼻血も出ました。でも、私はよく鼻血が出るので怖いとは思いませんでした。

私は新型コロナ陽性と診断確定されました。不安に思ったかというと、そうでもありません。なぜならお母さんが以前、新型コロナ感染者の多くが重症ではなく、治療さえすれば良くなると教えてくれていたからです。それに私にはやることがたくさんありました。例えば、朗読コンテストの準備や、ピアノにバイオリンの練習、中間テストの準備などです。起きていないことを心配する時間はありませんでした。

唯一好きじゃなかったのは、救急車に乗ること

陽性だと診断された後、私はお母さんと一緒に隔離施設で隔離措置を受けました。救急車に乗って行ったのですが、これが感染してから一番嫌なことでした。救急車は、重症の患者を乗せるものじゃありませんか?私は重症じゃないのに、どうして救急車に乗らなければならないのでしょう?近所の人やクラスメイトに救急車に乗る姿を見られたくありませんでした。

でもお母さんが、ちょっと視点を変えてみようと言いました。救急車に乗って高速道路を走るなんて特別な経験じゃない?と。私は初めて、救急車の中のものが全てビニールで覆われているのを見つけ、面白いと思いました。

隔離施設には、いつも一緒にいる柴犬のぬいぐるみ、虎の起き上がり小法師、それにお母さんが用意してくれた2冊の歴史マンガ「東アジア文化の盛衰」、「イスラム世界の興隆と発展」を持っていきました。お母さんが、隔離期間は数日間になるから歴史書も長く読むことができるでしょうと言いました。私は他に、物語を話してくれる人形と学習ハンドブックも持っていきました。病気になって唯一「お得な」ことは、中間テストを受けなくて良いことです。でも学校に戻ってからは再試験を受けなければなりません。

お父さんは、隔離施設に泊まることはホテルでゆっくりすることみたいなものだと言いました。でもそこではバイオリンとピアノの練習ができませんでした。それに、私は5月に朗読コンテストに学校の代表として参加する予定で、本来なら先生が、6年生の国語の教科書の文章を読む特訓をしてくれるはずでした。でも特訓もできず、コンテストの準備はまだまだで、少し心配でした。

この病気になっても、腹痛より辛くない

この数日、クラスメイトがメールを送ってくれ、私も彼らに、大丈夫?とメールしました。クラスメイトも先生も誰も感染しておらず、私はあまり”罪悪感”がありませんでした。

でもこんなふうにも思います。どうしてクラスメイトは誰も感染していないのに、私だけが感染したの?と。もしかすると、私が手を綺麗に洗えてなかったから?でもそれも違うと思う。毎日お昼ご飯の時、クラスメイトの多くが手を洗ってないじゃない?私には本当に理解できません。

新型コロナに感染して一番具合が悪かったのは、前半の4日間でした。でも熱が出て寝ていたので、特別な感覚もありませんでした。お医者さんが出してくれた解熱剤と咳止めの薬を飲んだら、すぐに良くなりました。私は、前に胃腸炎になった時の痛みと比べれば大したことはないと思いました。

「新型コロナは怖くない?」と聞かれましたが、私は怖くないと思います。新型コロナと私は友達になって、体も慣れました。39度の高熱が出ること、喉の痛みや咳が出ることを知っています。しばらく私は感染しないと思います。また感染したとしても、私は経験者で体もどんな感じになるのか知っています。体に気をつければ怖がることはありません。

私はワクチンを打つべき?

私は5月5日に学校に戻りました。待ち遠しかったです。一番受けたかったのは自然課です。動物、それに実験が好きで、将来なりたいものの一つが、獣医なんです。

私は今家に帰ることができますが、お母さんが私の看病をした後、新型コロナに感染してしまいました。前にお母さんが付き添ってくれたように、今は私がお母さんの隔離に付き添っています。最近話しているのは、「私はワクチンを打つべきかどうか」です。私はすでに感染したことがあるので抗体ができていれば、もちろん打つ必要はないと思います。でも、また感染するかもしれないと思うと、打ちたいと思います。新型コロナがそんなに怖くないとはいえ、またかかりたいとは思いません。

私は幸いなことに、軽い症状ですみました。でも重症化する子供もいます。でもワクチンを接種して心筋炎になる子もいるみたいです。ワクチンを打つか打たないか、どちらが怖いんでしょうか。私は答えが知りたいです。

【レニーのお母さんの話】

レニーが新型コロナ陽性と診断されても私たち家族は冷静でした。彼女が高熱を出した時、私たち家族の普段の生活がシンプルで感染者との特別な接触歴がないとしても、私は心の中で、彼女は新型コロナに感染したと思いました。彼女を安心させるため、私は彼女に付き添って眠りましたが、他の家族とは接触しないようにしました。

隔離施設についてから2日目、私も症状が出始めました。夜中に高熱が出たのです。この時、私は一番緊張しました。自分が熱で倒れ、誰にも発見されないのではないかと心配しました。隔離施設のスタッフは皆帰宅しており、夜中12時に、私はただ1922(防疫専用電話)に電話することしかできませんでした。彼らは私に緊急専用電話をくれ、いつでも連絡できるようにしてくれたので、少し安心しました。

レニーは最初、取材に応じるのをためらっていました。私は彼女に、一生のうちで自分の気持ちを話せる機会は多くないと言いました。もし誰かがレニーを気にかけて質問したいというのなら、共有することは悪いことではない、とも。レニーは朗らかな子供です。隔離施設で、私は日本のドラマ「のだめカンタービレ」やアニメ「Dr.Stone」を話してきかせ、ピアノを習うモチベーションを高めてもらいたいと思いました。私が好きなものを彼女と共有し、彼女が受け入れられれば共有し続けようと思います。隔離が解除されてから彼女が一番したいことは、家に帰ってピアノを練習すること、誠品書店で本を買うこと、そして好きなカレーを食べに行くことです。

もちろん、新型コロナがロングコビットのような長期的な後遺症を引き起こすことを知っています。私も手放しで安心はできませんし、引き続き彼女と私の体の変化に注意するつもりです。でも多くの情報があり、私は要点さえ知ることができれば良いと思います。そうでなければ余計な心配が増えるだけです。

【医師の回答】

北部・桃園市にある林口長庚(りんこう ちょうこう)記念医院・児童感染科の黃玉成(こう・ぎょくせい)主治医がレニーの質問に答えます。

黄・医師は、小児科学、感染症、疫学が専門。長庚大学中医学科の教授を兼任し、衛生福利部感染症予防・治療ネットワークの北部地区指揮官を務めています。

新型コロナに感染した子供は、確かにレニーのように軽症の場合がほとんどです。もし本当に感染したら医師に診てもらってください。怖がりすぎることはありません。でも重症化する子供も稀にいます。ワクチン接種は、大勢の人を守ることができ、心筋炎など重い疾患を引き起こす危険性を減少させることができます。

感染したことのある子供がワクチンを打つ必要があるかどうかについてですが。1回接種することを勧めています。感染したことがあっても、再び感染する可能性はあるからです。子供たちのワクチン接種は一般的に2回と言われています。感染したことがある人は、1回目のワクチンを打ったことと同じようなものなので、1回のみの接種で良いと思います。大人における報告で、感染したことのある人が再びワクチンを接種すると、免疫保護力が上がるということが分かっています。子供における報告がないとはいえ、大人の状況と大きな差はないと考えます。感染したことのある人は、回復後3ヶ月経ってからワクチン接種が可能です。

アメリカの小児科医学会が2022年4月に発表した統計によりますと、全米で1,200万人あまりの子供たちが新型コロナに感染し、1,050人が亡くなりました。新型コロナに感染すると、心筋炎になるリスクが17倍となります。一方ワクチン接種のリスクはというと、アメリカの例を見るに、全米でファイザー製ワクチンを接種した5歳〜11歳の子供は800万人あまりで、うち12人のみが心筋炎を引き起こす重大な副反応を発症しました。このことから、ワクチンは子供にとって安全なものであり、ワクチンを打つと重大な副反応が出る可能性があるものの、重症になる確率は低いことが分かります。モデルナ製ワクチンに関する統計資料はそこまで多くありませんが、副反応はファイザー製と大きな差はなく、安全性も問題ないと考えます。

このインタビューは、作者:楊恵君(よう・けいくん)、デザイン:黄禹禛(こう・うしん)、編集責任者:陳韻如(ちん・いんじょ)、そして林口長庚(りんこう ちょうこう)記念医院・児童感染科の黃玉成(こう・ぎょくせい)医師の協力により制作されました。

宝島再発見、今週は、台湾のオンラインメディア「報道者 ザ・レポーター」とのコラボレーションで、ザ・レポーターの記事を元に、「新型コロナってそんなに怖くない、でも再び出くわしたくない」と題する、10歳の感染者のインタビュー内容をお伝えいたしました。

1回目の今回は土曜日のこの時間にお送りしましたが、2回目からは日曜日の「お気楽レポート」で不定期にご紹介する予定です。

  continue reading

291 つのエピソード

Artwork
iconシェア
 
Manage episode 327805123 series 2545202
コンテンツは 中央廣播電臺 RTI Radio Taiwan International and 王 淑卿 , Rti によって提供されます。エピソード、グラフィック、ポッドキャストの説明を含むすべてのポッドキャスト コンテンツは、中央廣播電臺 RTI Radio Taiwan International and 王 淑卿 , Rti またはそのポッドキャスト プラットフォーム パートナーによって直接アップロードされ、提供されます。誰かがあなたの著作権で保護された作品をあなたの許可なく使用していると思われる場合は、ここで概説されているプロセスに従うことができますhttps://ja.player.fm/legal

今週は、ちょっと趣を変えて、台湾の10歳の新型コロナウイルス感染者、レニーちゃんへのインタビュー内容をご紹介いたします。今週のご案内は、風間 みなみです。

タイトルは、「新型コロナってそんなに怖くない、でもまたかかりたくはない」。

これは、台湾国際放送の運営母体、中央放送局と台湾のオンラインメディア、「報道者 ザ・レポーター」とのコラボによるものです。一回目はきょう放送しますが、二回目以降は、日曜日に放送されています、「台湾お気楽レポート」で不定期にご紹介いたします。

「報道者 ザ・レポーター」は、2015年に台湾で初めて公益基金会によって設立されたオンラインメディアです。公式サイト、各SNS、ポッドキャストなどで情報を発信しています。

10歳のレニーは4月中旬に新型コロナウイルス陽性となりました。彼女は今でもどうして感染したのか分かりません。自分では「もしかしたら綺麗に手を洗わなかったから」かもしれないと考えています。

彼女の看病をし一緒に寝たお母さんが感染した他は、一緒に住んでいるおじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、弟、それに先生や同級生は感染した人はいませんでした。

お母さんと一緒に隔離施設に行ったレニーは、発病して4日間は、高熱と喉の痛みで辛かったものの、「前にお腹を壊した時ほど辛くない」と思いました。

彼女は毎日隔離施設でオンライン授業を受け、中間試験の再試験の準備をしました。

これは、レニーが新型コロナになった時の気持ちを語ったものです。

最初は、疲労感と胃が張った感じがした

4月15日金曜日、朝起きた後、私は喉がちょっと痛いと思いました。でもお母さんが準備してくれた朝ごはんを食べたら良くなりました。いつものように学校に行きました。私たちのクラスは身体能力があまりよくないので、先生から朝の自習時間にフィジカルトレーニングをするよう言われ、バスケットコートに沿って走りました。その時、私は具合が悪いなんてことはなく、みんなと一緒に走りました。

その後教室に戻ってから疲れを感じ始めました。私は先生に2回疲れていると伝え、先生は机に突っ伏して休むよう言いました。そしてその日、私は1日中机に突っ伏して休みました。お昼に胃が張った感じがし、食欲もなく、お昼ご飯を食べませんでした。

最後の授業になった時、先生が「お母さんに電話して早く帰りなさい」と言いました。私は小学校に入学して以来初めて、泣きながらお母さんに電話しました。その時、本当に具合が悪かったのですが、保健室で熱を測ったら36.2度しかありませんでした。保健室の看護師さんは「熱がないから帰らなくていい」と言い、私はまた教室に戻って休むしかなく、放課後、クラスメイトが遊びに行くのを見ていました。

お母さんは午後4時になってすぐに迎えにきてくれました。夜には救急外来に行きましたが、私が陽性者との接触歴がなかったので、お医者さんは新型コロナの検査をする必要はないと考え薬を出してくれました。その後、私たちは家に帰りました。

39.6度の高熱。陽性だ!

私の家は、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、弟と私の6人家族です。

いつもは自分の部屋で寝ていますが、具合が悪かったので、お母さんと一緒に寝ました。

次の日、私は朦朧としていました。お母さんが39.6度の熱があると言い、簡易検査キットで確認したところ、陽性でした。夜に私たちはまた救急外来に行き、昨日と同じお医者さんが対応してくれました。私とお母さんは陰圧室に入ることになり、PCR検査を受けるよう言われました。

陰圧室に入ると、とても新鮮な感じがしました。トイレさえも仕切られていませんでした。お医者さんは、「もしもトイレに行きたくなれば、病室の中のカーテンを閉めてください」と言い、また「そうすると、勝手に入ることはありません」と言いました。

PCR検査は鼻の奥をぬぐうので多くの人が怖がっていると思いますが、私は大丈夫だと思いました。その救急のお医者さんの腕が良く、綿棒を鼻の中に入れて素早く拭ってくれました。少し痛かったとはいえ、あっという間に終わりました。後々隔離施設でもPCR検査を受けましたが、その時の方が痛かったです。涙も鼻血も出ました。でも、私はよく鼻血が出るので怖いとは思いませんでした。

私は新型コロナ陽性と診断確定されました。不安に思ったかというと、そうでもありません。なぜならお母さんが以前、新型コロナ感染者の多くが重症ではなく、治療さえすれば良くなると教えてくれていたからです。それに私にはやることがたくさんありました。例えば、朗読コンテストの準備や、ピアノにバイオリンの練習、中間テストの準備などです。起きていないことを心配する時間はありませんでした。

唯一好きじゃなかったのは、救急車に乗ること

陽性だと診断された後、私はお母さんと一緒に隔離施設で隔離措置を受けました。救急車に乗って行ったのですが、これが感染してから一番嫌なことでした。救急車は、重症の患者を乗せるものじゃありませんか?私は重症じゃないのに、どうして救急車に乗らなければならないのでしょう?近所の人やクラスメイトに救急車に乗る姿を見られたくありませんでした。

でもお母さんが、ちょっと視点を変えてみようと言いました。救急車に乗って高速道路を走るなんて特別な経験じゃない?と。私は初めて、救急車の中のものが全てビニールで覆われているのを見つけ、面白いと思いました。

隔離施設には、いつも一緒にいる柴犬のぬいぐるみ、虎の起き上がり小法師、それにお母さんが用意してくれた2冊の歴史マンガ「東アジア文化の盛衰」、「イスラム世界の興隆と発展」を持っていきました。お母さんが、隔離期間は数日間になるから歴史書も長く読むことができるでしょうと言いました。私は他に、物語を話してくれる人形と学習ハンドブックも持っていきました。病気になって唯一「お得な」ことは、中間テストを受けなくて良いことです。でも学校に戻ってからは再試験を受けなければなりません。

お父さんは、隔離施設に泊まることはホテルでゆっくりすることみたいなものだと言いました。でもそこではバイオリンとピアノの練習ができませんでした。それに、私は5月に朗読コンテストに学校の代表として参加する予定で、本来なら先生が、6年生の国語の教科書の文章を読む特訓をしてくれるはずでした。でも特訓もできず、コンテストの準備はまだまだで、少し心配でした。

この病気になっても、腹痛より辛くない

この数日、クラスメイトがメールを送ってくれ、私も彼らに、大丈夫?とメールしました。クラスメイトも先生も誰も感染しておらず、私はあまり”罪悪感”がありませんでした。

でもこんなふうにも思います。どうしてクラスメイトは誰も感染していないのに、私だけが感染したの?と。もしかすると、私が手を綺麗に洗えてなかったから?でもそれも違うと思う。毎日お昼ご飯の時、クラスメイトの多くが手を洗ってないじゃない?私には本当に理解できません。

新型コロナに感染して一番具合が悪かったのは、前半の4日間でした。でも熱が出て寝ていたので、特別な感覚もありませんでした。お医者さんが出してくれた解熱剤と咳止めの薬を飲んだら、すぐに良くなりました。私は、前に胃腸炎になった時の痛みと比べれば大したことはないと思いました。

「新型コロナは怖くない?」と聞かれましたが、私は怖くないと思います。新型コロナと私は友達になって、体も慣れました。39度の高熱が出ること、喉の痛みや咳が出ることを知っています。しばらく私は感染しないと思います。また感染したとしても、私は経験者で体もどんな感じになるのか知っています。体に気をつければ怖がることはありません。

私はワクチンを打つべき?

私は5月5日に学校に戻りました。待ち遠しかったです。一番受けたかったのは自然課です。動物、それに実験が好きで、将来なりたいものの一つが、獣医なんです。

私は今家に帰ることができますが、お母さんが私の看病をした後、新型コロナに感染してしまいました。前にお母さんが付き添ってくれたように、今は私がお母さんの隔離に付き添っています。最近話しているのは、「私はワクチンを打つべきかどうか」です。私はすでに感染したことがあるので抗体ができていれば、もちろん打つ必要はないと思います。でも、また感染するかもしれないと思うと、打ちたいと思います。新型コロナがそんなに怖くないとはいえ、またかかりたいとは思いません。

私は幸いなことに、軽い症状ですみました。でも重症化する子供もいます。でもワクチンを接種して心筋炎になる子もいるみたいです。ワクチンを打つか打たないか、どちらが怖いんでしょうか。私は答えが知りたいです。

【レニーのお母さんの話】

レニーが新型コロナ陽性と診断されても私たち家族は冷静でした。彼女が高熱を出した時、私たち家族の普段の生活がシンプルで感染者との特別な接触歴がないとしても、私は心の中で、彼女は新型コロナに感染したと思いました。彼女を安心させるため、私は彼女に付き添って眠りましたが、他の家族とは接触しないようにしました。

隔離施設についてから2日目、私も症状が出始めました。夜中に高熱が出たのです。この時、私は一番緊張しました。自分が熱で倒れ、誰にも発見されないのではないかと心配しました。隔離施設のスタッフは皆帰宅しており、夜中12時に、私はただ1922(防疫専用電話)に電話することしかできませんでした。彼らは私に緊急専用電話をくれ、いつでも連絡できるようにしてくれたので、少し安心しました。

レニーは最初、取材に応じるのをためらっていました。私は彼女に、一生のうちで自分の気持ちを話せる機会は多くないと言いました。もし誰かがレニーを気にかけて質問したいというのなら、共有することは悪いことではない、とも。レニーは朗らかな子供です。隔離施設で、私は日本のドラマ「のだめカンタービレ」やアニメ「Dr.Stone」を話してきかせ、ピアノを習うモチベーションを高めてもらいたいと思いました。私が好きなものを彼女と共有し、彼女が受け入れられれば共有し続けようと思います。隔離が解除されてから彼女が一番したいことは、家に帰ってピアノを練習すること、誠品書店で本を買うこと、そして好きなカレーを食べに行くことです。

もちろん、新型コロナがロングコビットのような長期的な後遺症を引き起こすことを知っています。私も手放しで安心はできませんし、引き続き彼女と私の体の変化に注意するつもりです。でも多くの情報があり、私は要点さえ知ることができれば良いと思います。そうでなければ余計な心配が増えるだけです。

【医師の回答】

北部・桃園市にある林口長庚(りんこう ちょうこう)記念医院・児童感染科の黃玉成(こう・ぎょくせい)主治医がレニーの質問に答えます。

黄・医師は、小児科学、感染症、疫学が専門。長庚大学中医学科の教授を兼任し、衛生福利部感染症予防・治療ネットワークの北部地区指揮官を務めています。

新型コロナに感染した子供は、確かにレニーのように軽症の場合がほとんどです。もし本当に感染したら医師に診てもらってください。怖がりすぎることはありません。でも重症化する子供も稀にいます。ワクチン接種は、大勢の人を守ることができ、心筋炎など重い疾患を引き起こす危険性を減少させることができます。

感染したことのある子供がワクチンを打つ必要があるかどうかについてですが。1回接種することを勧めています。感染したことがあっても、再び感染する可能性はあるからです。子供たちのワクチン接種は一般的に2回と言われています。感染したことがある人は、1回目のワクチンを打ったことと同じようなものなので、1回のみの接種で良いと思います。大人における報告で、感染したことのある人が再びワクチンを接種すると、免疫保護力が上がるということが分かっています。子供における報告がないとはいえ、大人の状況と大きな差はないと考えます。感染したことのある人は、回復後3ヶ月経ってからワクチン接種が可能です。

アメリカの小児科医学会が2022年4月に発表した統計によりますと、全米で1,200万人あまりの子供たちが新型コロナに感染し、1,050人が亡くなりました。新型コロナに感染すると、心筋炎になるリスクが17倍となります。一方ワクチン接種のリスクはというと、アメリカの例を見るに、全米でファイザー製ワクチンを接種した5歳〜11歳の子供は800万人あまりで、うち12人のみが心筋炎を引き起こす重大な副反応を発症しました。このことから、ワクチンは子供にとって安全なものであり、ワクチンを打つと重大な副反応が出る可能性があるものの、重症になる確率は低いことが分かります。モデルナ製ワクチンに関する統計資料はそこまで多くありませんが、副反応はファイザー製と大きな差はなく、安全性も問題ないと考えます。

このインタビューは、作者:楊恵君(よう・けいくん)、デザイン:黄禹禛(こう・うしん)、編集責任者:陳韻如(ちん・いんじょ)、そして林口長庚(りんこう ちょうこう)記念医院・児童感染科の黃玉成(こう・ぎょくせい)医師の協力により制作されました。

宝島再発見、今週は、台湾のオンラインメディア「報道者 ザ・レポーター」とのコラボレーションで、ザ・レポーターの記事を元に、「新型コロナってそんなに怖くない、でも再び出くわしたくない」と題する、10歳の感染者のインタビュー内容をお伝えいたしました。

1回目の今回は土曜日のこの時間にお送りしましたが、2回目からは日曜日の「お気楽レポート」で不定期にご紹介する予定です。

  continue reading

291 つのエピソード

すべてのエピソード

×
 
Loading …

プレーヤーFMへようこそ!

Player FMは今からすぐに楽しめるために高品質のポッドキャストをウェブでスキャンしています。 これは最高のポッドキャストアプリで、Android、iPhone、そしてWebで動作します。 全ての端末で購読を同期するためにサインアップしてください。

 

クイックリファレンスガイド