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投資のリスクとリターン①

 
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今回は、「投資」を採り上げてみたいと思います。投資をする目的はそこから得られるリターンですが、だからと言っていつも期待通りのリターンが得られる訳ではありません。それは投資にはリスクが存在するからで、投資をする場合には期待するリターンと共に常にそれに伴うリスクを考えておかねばなりません。今回と次回の2回でこの投資とリスクとリターンの関係を考えてみたいと思います。 そもそも投資をするとなぜリターンが得られるのでしょうか?例えば、今年100万円を誰かに貸す場合、慈善事業でもなければ、来年その元金100万円が返ってくることだけではなくて何がしかのリターン(利息)が得られることを期待するのが普通です。では。こうしたリターンを期待する根拠は一体何なのでしょうか。答えとしては以下の3つ位が考えられると思います。 1.インフレによって今年100万円で買えたものが来年は100万円では買えないと困るので、同等のものが買えるだけのリターンを期待する 2.今年100万円を貸した(預けた)場合、来年本当に全額返ってくるか不確実なので、そのリスクの見返り。 3.今、自分で100万円を使うのを我慢して他人に使う機会を与えることの対価。或いは、同じぐらい返済が確実な他の方法で投資した場合には100万円プラスαとなり返ってくるので、その機会費用。 現状で預金という形で投資した場合を例に考えると、1のインフレの懸念はほとんどありません。また、2.についても相手が銀行ならば返済はほぼ確実と言えるでしょう。さらに金融緩和によって他の確実な方法で運用したのでは3.のαは殆ど望めません。従って皆、有るか無いかのリターンでも預金をせざるを得なくなっています。 しかし、これが株式投資の場合はどうでしょうか。1年間のリターンが1~2%程度しか見込めなくても投資するでしょうか。株式投資の場合、株価上昇で大きく儲かる可能性がある一方、株価暴落により大きな損失が出ることもあり得ます。つまり、この場合は2.の不確実性、即ちリスクが大きいことから、投資に際して相応のリターンが求められることになります。それでは、この場合の相応のリターンとはどういうものでしょうか? 話は少し変わりますが、会社からボーナスが支給されるということになった場合に、受け取り方として、①10万円をただ受け取る、②サイコロで奇数の目が出たら20万円受け取れるが、偶数だったら0になる―――のどちらかを選べと言われたら、皆さんだったらどちらを選ぶでしょうか。この場合、大方の人は単純に10万円を受け取る方を選びます。サイコロで偶数と奇数の出る確率はどちらも50%、従って、支給されるボーナスの期待値はいずれも10万円で差がありません。しかし、サイコロの方は期待値10万円を中心にプラスマイナス10万円の変動(つまりリスク)が存在します。大方の人は期待値が同じならばリスクの小さい方を選び、リスクが大きければそれに見合ったリターンを求めます。 預金の場合にはリスクが殆ど無視でき、低率であってもリターンにより元本が確実に増えていくことがイメージできるので、投資の判断はし易いと思います。つまり、将来の価値は元本を起点に期待リターン(利率)によって複利計算をすれば容易に求められます。「リターンは低率だけれども、10年預けておけばこれ位にはなる」といったことで判断可能です。 これに対して株式投資の場合、リスクが相対的に大きいことから預金のように元金から考えることは困難です。そのため、逆に1年後、2年後といった将来のキャッシュフロー(この場合は企業の利益と考えてよい)を先に想定して、それを利率に相当する割引率(リスクを反映した期待リターン)で複利の形で割引いてやることによって、その投資の「現在における価値」が求められます。この投資の現在価値と当初投資額(株式の場合は現在の株価)を比較して、投資の現在価値の方が上回っていれば投資(購入)すべきという判断をすることになります。 その際に問題となるのは、「将来の利益」や「リスクを反映した期待リターン(割引率)」を予想するのが難しいことです。企業が毎年度、1~2年先迄の業績予想を公表し、それを外部のアナリストと呼ばれる人々がチェックしていますが、企業の業績見込みは大きくぶれますし、それをチェックするアナリストの意見がほぼ揃ったとしても、それが正しいとは限りません。その上、期待リターンの計算もそんなに単純ではありません。 いずれにせよ、ここで押えておくべきなのは、(株式)投資を行う際の判断の基準は、「投資の現在価値(理論株価)」と現在の株価(当初の投資金額)の比較であり、投資の現在価値は、①投資を行った場合に期待される将来の利益(キャッシュ・フロー)と、②リスクに見合うリターンとしての割引率―――から求められるということです。そして、期待キャッシュフローが大きい程投資を正当化し易く、逆に、リスクに見合って期待されるリターンが大きい程、投資を正当化しにくくなります。 まとめ:一般的な投資の判断基準は、投資を行った場合に期待される「将来の利益」を、リスクに見合うリターンとしての「割引率」で割り引いて得られる「投資の現在価値」が、「初期投資額」を上回るか否かということです。
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今回は、「投資」を採り上げてみたいと思います。投資をする目的はそこから得られるリターンですが、だからと言っていつも期待通りのリターンが得られる訳ではありません。それは投資にはリスクが存在するからで、投資をする場合には期待するリターンと共に常にそれに伴うリスクを考えておかねばなりません。今回と次回の2回でこの投資とリスクとリターンの関係を考えてみたいと思います。 そもそも投資をするとなぜリターンが得られるのでしょうか?例えば、今年100万円を誰かに貸す場合、慈善事業でもなければ、来年その元金100万円が返ってくることだけではなくて何がしかのリターン(利息)が得られることを期待するのが普通です。では。こうしたリターンを期待する根拠は一体何なのでしょうか。答えとしては以下の3つ位が考えられると思います。 1.インフレによって今年100万円で買えたものが来年は100万円では買えないと困るので、同等のものが買えるだけのリターンを期待する 2.今年100万円を貸した(預けた)場合、来年本当に全額返ってくるか不確実なので、そのリスクの見返り。 3.今、自分で100万円を使うのを我慢して他人に使う機会を与えることの対価。或いは、同じぐらい返済が確実な他の方法で投資した場合には100万円プラスαとなり返ってくるので、その機会費用。 現状で預金という形で投資した場合を例に考えると、1のインフレの懸念はほとんどありません。また、2.についても相手が銀行ならば返済はほぼ確実と言えるでしょう。さらに金融緩和によって他の確実な方法で運用したのでは3.のαは殆ど望めません。従って皆、有るか無いかのリターンでも預金をせざるを得なくなっています。 しかし、これが株式投資の場合はどうでしょうか。1年間のリターンが1~2%程度しか見込めなくても投資するでしょうか。株式投資の場合、株価上昇で大きく儲かる可能性がある一方、株価暴落により大きな損失が出ることもあり得ます。つまり、この場合は2.の不確実性、即ちリスクが大きいことから、投資に際して相応のリターンが求められることになります。それでは、この場合の相応のリターンとはどういうものでしょうか? 話は少し変わりますが、会社からボーナスが支給されるということになった場合に、受け取り方として、①10万円をただ受け取る、②サイコロで奇数の目が出たら20万円受け取れるが、偶数だったら0になる―――のどちらかを選べと言われたら、皆さんだったらどちらを選ぶでしょうか。この場合、大方の人は単純に10万円を受け取る方を選びます。サイコロで偶数と奇数の出る確率はどちらも50%、従って、支給されるボーナスの期待値はいずれも10万円で差がありません。しかし、サイコロの方は期待値10万円を中心にプラスマイナス10万円の変動(つまりリスク)が存在します。大方の人は期待値が同じならばリスクの小さい方を選び、リスクが大きければそれに見合ったリターンを求めます。 預金の場合にはリスクが殆ど無視でき、低率であってもリターンにより元本が確実に増えていくことがイメージできるので、投資の判断はし易いと思います。つまり、将来の価値は元本を起点に期待リターン(利率)によって複利計算をすれば容易に求められます。「リターンは低率だけれども、10年預けておけばこれ位にはなる」といったことで判断可能です。 これに対して株式投資の場合、リスクが相対的に大きいことから預金のように元金から考えることは困難です。そのため、逆に1年後、2年後といった将来のキャッシュフロー(この場合は企業の利益と考えてよい)を先に想定して、それを利率に相当する割引率(リスクを反映した期待リターン)で複利の形で割引いてやることによって、その投資の「現在における価値」が求められます。この投資の現在価値と当初投資額(株式の場合は現在の株価)を比較して、投資の現在価値の方が上回っていれば投資(購入)すべきという判断をすることになります。 その際に問題となるのは、「将来の利益」や「リスクを反映した期待リターン(割引率)」を予想するのが難しいことです。企業が毎年度、1~2年先迄の業績予想を公表し、それを外部のアナリストと呼ばれる人々がチェックしていますが、企業の業績見込みは大きくぶれますし、それをチェックするアナリストの意見がほぼ揃ったとしても、それが正しいとは限りません。その上、期待リターンの計算もそんなに単純ではありません。 いずれにせよ、ここで押えておくべきなのは、(株式)投資を行う際の判断の基準は、「投資の現在価値(理論株価)」と現在の株価(当初の投資金額)の比較であり、投資の現在価値は、①投資を行った場合に期待される将来の利益(キャッシュ・フロー)と、②リスクに見合うリターンとしての割引率―――から求められるということです。そして、期待キャッシュフローが大きい程投資を正当化し易く、逆に、リスクに見合って期待されるリターンが大きい程、投資を正当化しにくくなります。 まとめ:一般的な投資の判断基準は、投資を行った場合に期待される「将来の利益」を、リスクに見合うリターンとしての「割引率」で割り引いて得られる「投資の現在価値」が、「初期投資額」を上回るか否かということです。
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