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映画と文化(3):「転校生」

 
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新しく始まった、映画と文化というシリーズです。最新作もあれば、古い作品もと思っていますが、今回は私と映画との出会いをもたらしてくれた大林宣彦監督で尾道三部作の最初の作品「転校生」です。1980年代前半の作品ですが、繰り返しテレビ等で上映されているので、10年くらい前までは「ああ見たよ」という方が多かったのですが、最近はそうでもなくなってきています。 いわゆる男の子と女の子の体が入れ替わるという話です。テレビなどでもよくドラマ化されたりしています。原作は児童書です。テレビ等では、男子と女子が入れ替わったら面白いねというような、どちらかというとギャグ的なものに焦点を当てていることが多いのですが、この作品はそうではなくて、青春の非常に多感な時期に、ある男の子と女の子の体が入れ替わることによって、男をやっているというのは、あるいは女をやっているっていうのはこんなに大変なのだ、というふうに、お互いに思いやりを持つようになって惹かれていくという話ですので、いわゆるドタバタ喜劇とはちょっと違うというものです。 大林監督の簡単なプロフィールを知ると非常に興味深い作品です。大林監督は1970年代にいわゆるアンダーグラウンドのビデオを作っていて、コマーシャルで活躍していた人でした。当時、日本の映画界が斜陽になっていて、非常に大きな暗い映画しか作れないというようなレッテルを貼られて、観客の数が少なくなっていった時代があります。その時に映画会社に所属している監督ではなく、フリーの人を連れてきて自由に映画を作らせて活性化しようという動きがあり、いの一番に来たのが大林監督でした。最初は「HOUSE」という笑ってしまうホラー映画を作って、今までの伝統的な映画作りをしてきた人達から見ると、「何じゃこれ?」という作品でした。しかし一部の固定ファンがしっかり付いて、なるほどこういうこともできるのだなあということで、暫くこういう元気の出るカンフル剤的な、B級映画だけどちょっと変な映画というものを数年間作っていました。 ところがある時に、本来映画として撮りたかったのはこういうものではないということに気が付いた大林監督が、採算度外視で自分のふるさとの尾道で作りたい映画を作ってみようと思って作った作品が「転校生」なのです。しかし映画は自分で作ろうとするとお金が大変です。こういう時には大抵の映画監督は借金をして、これが当たらなかったら大変な生活になるというのを覚悟しないと、なかなか作りたい映画を撮れませんでした。それで最初に撮ったのが「転校生」で、予算は少ないし、地元の人は「何か大林君が帰ってきたけど、一体何をするのだ?」みたいな感じだったそうです。実際は、尾道の観光名所をふんだんに取り入れたPR映画になるのかと思いきや、そういうところは全く出てこず、人々が生活をしている、いわゆる足元を撮っていくようなかたちの撮り方だったので、周りの人も、ちょっとがっかりしたというところがあったようですし、それから男の子と女の子の体が入れ替わって、三谷幸喜元夫人の小林聡美さんが少し胸を出したりしているので、そこのところだけを見て「何て汚らわしい映画」というレッテルを貼られたりしました。 ところが地元の方々にも試写会でご覧になっていただいたところ、涙を流して、これは良い、ということになったという話を聞いています。今から見ると、尾道という閉じた舞台の中で展開される若い男女の物語が、今だったら非常に簡単に出会って、簡単に別れてということが繰り返されるかもしれませんが、当時は「転校生」として男の子の方は最後に転校して別れてしまうので、そこの部分が非常に切ないのです。一旦尾道から東京に行ってしまうと、もうほとんど一生会えないかもしれないというような時代でした。先程から話している話と映画と文化、異文化がキーワードですが、時代が違うということも異文化を知ることだという意味もあり、ご紹介してみたい映画なのです。 今は離れていてもスマホで繋がり、今日の収録もそうですが、ZOOMで繋がっています。夏目漱石の時代なんて、洋行するときは船でテープを切ってさようならと言って、みんなオイオイ泣いていました。今はそういうことはありません。あのテープを切るということがとても切ないのですが、そういうことなのです。そういう意味でも、そういうものが大切に行われてきた時代というのを見ることにも意味があるよね、ということなのです。 大林監督はこう仰っています。「人間はさようならの数だけ愛を知る。」なんと格好良い素敵な言葉でしょうか。 今日のまとめ: 本日は先日亡くなられた大林宣彦監督の尾道三部作の最初の「転校生」という作品を取り上げきました。昔の異時代を見るという意味でも、そして大林監督が本当に撮りたい映画を撮った最初の作品であるということ、低予算から非常に高い評価の映画が生まれたという、意味のある作品だということでご紹介をいたしました。
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