０１最後の誓い

まさくんの音楽会 「にこにこ新聞」

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01) 最後の誓い〜お母さんへ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　作詞、作曲　奥野勝利
今僕はここにいる　今君はこれを聞いている　今について考える
今は過去があっての今なのか　それとも今は未来に向かう為の今なのか
ふ、そんな事を考えているうちに　さっきの今はすべて過去になっている
お母さん、今日僕は、えーと、ガンになりました。前から気になってた胃の痛み、やっぱりガンでした。スキルス性胃がん、腹膜転移、ステージ４、余命がどうこうは先生は言いませんでした。正直まったく実感が沸きません。僕は死んじゃうんですか？僕が何をしたんですか？これからどうなるのか、いつまで生きれるのか。。何もかもが不安です。今の僕の頭の中は、悪魔と天使がいます。
「お前はもうすぐ死ぬよ」　いやいや、こんなに元気さ、死ぬわけない
「体中がガン細胞だらけ」　いや、僕だけは特別すぐに治る　
「何やっても手遅れじゃろう」絶対大丈夫大丈夫
「ガンには勝てない諦めろ」　やだ、やだ、やだ！！
命の大切さなんてさ、自分ではずっとちゃんと知ってると思ってた
けど死というもの初めて目の前にして分かった
僕はなんも分かってなかった　命大事にしてこなかった
ごめんなさいお母さん　僕は真の愚か者です
「あは、なんてあなたは親不孝ものなんでしょう」
「これこそ自業自得！因果応報！」
「抗がん剤なんて毒やで」「私の知り合いキノコで治ったんだって！！」
「この水必ずガンが治りますよ！」
お母さん、ガンで死ぬ前にノイローゼで死にそうです
「お前はもうすぐ死ぬよ」　えー僕やっぱり死んでしまうんだろうか？
「体中がガン細胞だらけ」　ガンにはやっぱり勝てないんだろうか？　
「何やっても手遅れじゃろう」　絶対大丈夫大丈夫？
「ガンには勝てない諦めろ」　何を根拠に大丈夫と言うのか？？
あなたの人生これでおしまいです　もっと前から気付くべきでした　
命の大切さ　ありがたさ　けどごめんなさい　さようなら　あなたはもう手遅れです
僕は泣いた。子供の様に泣いた。いつも独りで泣いた。病院からの帰り道。空を見上げながら独りで泣いた。ある時、竿の先に赤とんぼを見つけた。そのたくましい姿に涙がこぼれ落ちた。夕焼け小焼けの赤とんぼ。とまっているよ竿の先。僕は心から思った。生きたい。生きたい。生きたい。死にたくない。
お母さん。手術も終わり、まだ、僕、生きてます！僕はもう決めました！
死にたくないです。だから夢の為に生きるのをやめて、生きるために夢を見ます！これからが、本当の人生になるような気がします。
あなたの人生これが始まりです。もっと先にはさらに輝く時　
命を大切に笑いましょう　今のあなたが大好きです　
これからずっと見守ってます
今僕は生きている　そして今きみはこれを聞いている
過去があって今があるのであれば　過去で僕は何をしたんだろう
どの過去が今の僕を作っているんだろう
お母さん、正直言うと、今、とても苦しいです
このままずっと苦しみながら生きて行けるのかどうか
本当は不安です。だけど、きっと大丈夫、絶対大丈夫。
あなたが産んでくれた子だから