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多角化戦略と資源配分(その1)

 
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今日は、多角化企業における経営資源の配分問題についてお話したいと思います。複数の事業を束ねて会社全体の進むべき方向性を示す、これが全社戦略の役割でした。会社が進むべき方向性はもちろん経営方針としても示されるわけですが、ここに予算や人の配置といった経営資源の配分が伴うと、より会社の方針が明確になってきます。もう一つ問題なのは、ある事業部門において経営資源が不足しているかどうか、更なる経営資源の投入が必要かどうかは、実は、当の事業部門には判断しがたい所がある点です。事業部門よりも一つ上の階層である全社レベルで見てあげないとなかなか判断出来ないわけです。 その為、全社戦略において経営資源を事業間でどう配分するかは大変古くて、かつ、今でも重要な問題ということになります。こうした多角化企業における経営資源の配分問題に関しては、実務的観点から大きな影響を与えてきた会社があります。それがアメリカのコンサルティング会社、ボストン・コンサルティンググループ、通称BCGです。BCGはマッキンゼーと並ぶ世界最大のコンサルティング会社の一つで、ビジネス界に非常に大きな影響を与えてきた会社です。アメリカの大企業は戦後の経済成長の波に乗って、様々な形で事業を多角化してきています。例えば、ゼネラルエレクトリック社は元々発明王のトーマス・エジソンが照明を事業化するためにつくられた会社ですが、この会社は照明器具からはじまって、テレビ・冷蔵庫・エアコンといった電気機器、エレクトロニクス、航空機エンジン、原子力、金融、放送といった具合に実に様々な分野に多角化していきました。あの有名な経営者であるジャック・ウェルチがゼネラルエレクトリックの社長に就任した1981年には、約350の事業があったと言われています。それも大きくまとめて350ですから、細かく言うともっとあった筈です。 これだけ事業が膨らんでくると、どこにどれだけの経営資源を配分すべきかはなかなか難しい話になってきます。この様に、企業が成長して事業の数も膨れあがっていくと、事業間の経営資源の配分は非常に複雑な分析と判断が求められるようになるわけです。そこで、BCG社は、1970年代から多角化企業における各事業の経営資源のニーズを分析して、資源配分のある種のガイドラインを提案しました。それがBCGマトリックスと呼ばれるフレームワークです。 BCGマトリックスでは、多角化企業が抱える様々な事業を成長性や競争力に応じて分類しています。どうやって分類しているかといいますと、縦軸と横軸をまず書きます。縦軸はその事業の成長率、出来れば今後どれぐらい伸びそうかという将来の成長率をとるのが一番いいのですが、それはちょっとわからないので大体過去数年間にどれ位市場が伸びたかを縦軸にとります。横軸には相対市場シェアをとります。要するに市場シェアが高いということは競争力が強いということを意味するわけです。縦軸に市場成長率、横軸に競争力の尺度である相対市場シェアをとると、それぞれが高い・低い、高い・低いと分けることができますので、都合四つの組合せが出来ます。 このそれぞれの組み合わせには名前が付けられています。例えば一つ目、市場成長率が高くて相対市場シェアも高い事業グループには、花形という名前が付けられています。二番目は、市場成長率は低いけれども相対市場シェアは高い、これを金のなる木といいます。競争力は高いので収入は多い、でも、成熟化が進んでいるのであまり出費がない、ということで金のなる木です。三つ目が、市場成長率は高いけれど相対市場シェアは低い、つまり競争力は現状では低い事業グループを問題児と名付けています。どっちにいくかわからない訳です。最後が、市場成長率が低くて相対市場シェアも低い事業グループは負け犬という名前が付けられています。 教科書的に言うと、これらの事業グループの間で経営資源を次のような形で配分するのが良いと言われています。まず、花形事業については、非常に高い成長性のある事業領域ですので、更に自己投資をしていきそれによって更に競争力を高めていきましょうと言われています。次に、金のなる木の事業はもう既に市場の成熟化が進んでいるために、出来るだけ投資は控えて稼いだ分は問題児事業に再配分することで、問題児事業を出来るだけ早く花形へと成長させる。そして三番目は負け犬事業に関してですが、出費を出来るだけ抑えて、事業の撤退や売却を図ることで資金の回収を図りましょうというガイドラインが示されています。 では今日のまとめです。ボストン・コンサルティンググループが考案したBCGマトリックスは、非常に多角化が進み、事業構成が複雑化し、企業の全体像を把握することが困難になった企業に対して、効果的な資源配分を実現するためのフレームワークを提案しました。このBCGマトリックスはそのシンプルさに魅力があるわけですが、複雑な物事を単純化しすぎているという批判も多くあります。そこで次回以降は、BCGマトリックスの背後にある論理や前提条件を読み解き、押さえておくべき注意点について考えていきたいと思います。
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