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評価における公正感②「手続きの公正」

 
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前回は、一人ひとりの仕事ぶりを的確に反映した傾斜配分をすることが評価に対する公正感を高める上で重要であるという話をしました。これは経営学では"Distributional Justice"、結果に関する公正という概念のもとに研究されています。 一方で、ヒトが組織における公正を認識するにあたっては、もう一つ、ある評価がなされるに至った経緯や手続きといったプロセスが公正なものと感じられるかどうかも、大きなポイントになってきます。これを"Procedural Justice"、手続き的公正と言います。 ある人が評価に対して不満があるとします。そこで彼女ないし彼に、何がそんなに気に入らないのですかと聞いてみると、最終的な評価や報酬の内容自体に大きな不満があるわけではないと。ただ、それらの評価や報酬が決められるに至ったプロセスに納得がいかない、と言う。この番組をお聞きいただいている方々の中にも、そういった経験が思いあたるという方もおられるのではないでしょうか。中身は良いけれど、その決め方が気に食わない、というものです。場合によっては、その伝え方が自分のスタイルに合ってない、といったこともあるかもしれません。 では、ヒトが公正だと感じる評価プロセスには、一体どんな特徴があるのでしょうか。本日は全部で5つの手続き的公正に関する主なファクターをご紹介します。 まず、「一貫性」が大事です。状況や評価者の属人性に左右されず、どんな状況であっても誰が評価する場合であっても、同じ内容の評価になる、となれば一定の納得感が得られます。逆に、同じ仕事をしたはずなのに、その時の状況によって評価がコロコロ変わる、あるいは、誰が評価するかによってその結果がまちまちであるとなれば、そこでなされる評価を公正なものだとは感じにくくなってしまいます。 二つめは「利益相反や偏見の抑制」。評価をする人に何らかの利益相反が疑われてしまうような構造は評価に関する公正感を損ねます。例えば、課長が部下の人事評価を行う、そして、課長自身もその上司である部長に評価されるという場合を考えてみてください。この時、もし部長が課長を評価する際の項目として、チーム全体のコスト効率が含まれており、その計算にチームの人件費もカウントするとしたらどうでしょうか。この場合、構造上、課長は部下のボーナス査定額を低く抑えるインセンティブがはたらきます。ボーナスの支給額を下げればチーム全体の人件費をその分カットでき、そうすれば、見かけ上はチームのコスト効率が良くなりますので、課長自身の評価が上がる可能性があります。こうした状況では、実際に課長がそのような思惑をもって評価を行ったか否かに関係なく、部下から見れば、これは本当に公正に評価されたのだろうかという疑いが出てしまうので、公正さが損なわれることになるでしょう。 三つめは「情報の妥当性」。利益相反の疑いがなく、終始一貫して評価がなされたとしても、もしそれが誤った情報あるいは適当ではない情報に基づくものだと、やはり納得感はありません。重要なのは、この場合の「妥当性」というのが、評価の受け手の観点から見たものである、ということになります。例えば、営業成績を見て評価するというのは、一見妥当に思えるかもしれませんけれども、成約件数や契約金額についての情報がいかに正確なものだとしても、Aさんは元々成約の見込みが高い優良顧客を最近異動した先輩から引き継いだ、一方でBさんは手強いライバルがひしめく激戦区を担当している、こういったことが評価の際に考慮されておらず、契約件数やその時の金額だけを見られたとなると、おそらくBさんは、それは妥当な情報に基づいて評価されたとは感じないということになります。 四つめは「修復可能性」といって、一旦なされた評価に対して、受け手の側が不満や疑問を申し立てたり、再審査を要求したりする権利が確保されているか、というものです。今の例でいくと、Bさんが「ちょっと待ってください。私の担当しているエリアには沢山ライバルがいて、その中でこれだけの数字を出しました。」というふうに言えるかどうかです。テニスでは、ボールがインかアウトかの判定に不服がある場合に、選手はビデオ審査を要求する「チャレンジ」の権利があります。あれと同じようなイメージだと考えてください。 最後は「代表性」といって、評価プロセスに自分の価値観や意見が反映されている、この評価の仕組みは自分の考えを代表するものだと感じられるかという点です。カヤックという面白い会社があるのですが、こちらでは給料の一部をサイコロを振って決めるという、ちょっとユニークな制度を導入しています。月給のベースの金額があるのですけれども、1が出たら1%増やす。6が出たら6%増やします。面白いのですが、カヤックで働く人は、元々それを分かった上で働いている、ということです。その中でこういった制度を使われているので、これがカヤックらしい、これが私らしいと感じ、そこは代表性を持って受け止められるということです。それなしでいきなり「ちょっと今月の給料決めるから、サイコロどうぞ」というふうにしても、それは公正だとは感じられないでしょう。 これらのファクターの効果は、概ね掛け合わせで効いてくると考えられています。つまり、いずれか1つが0に近いと、他がいかに良くても評価を受ける側に納得感は生まれにくいということです。例えば、一貫性があって利益相反を排除した仕組みのもとで評価が行われていたとしても、そこで検討材料にされた情報が妥当なものと思えなければ、やはり公正な評価だとは感じにくいということです。 今日のまとめ: 組織における評価を巡る公正には、評価の内容、すなわち結果に関する公正に加えて、評価がどのようになされたかに関する「手続き的公正」という側面があります。ヒトは一貫性、利益相反の抑制、情報の妥当性、修復可能性、代表性といった複数のファクターを元に手続き的公正を認識し、いずれかの要素が欠けていると感じると、最終的な評価についての納得感も損なわれてしまいます。
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前回は、一人ひとりの仕事ぶりを的確に反映した傾斜配分をすることが評価に対する公正感を高める上で重要であるという話をしました。これは経営学では"Distributional Justice"、結果に関する公正という概念のもとに研究されています。 一方で、ヒトが組織における公正を認識するにあたっては、もう一つ、ある評価がなされるに至った経緯や手続きといったプロセスが公正なものと感じられるかどうかも、大きなポイントになってきます。これを"Procedural Justice"、手続き的公正と言います。 ある人が評価に対して不満があるとします。そこで彼女ないし彼に、何がそんなに気に入らないのですかと聞いてみると、最終的な評価や報酬の内容自体に大きな不満があるわけではないと。ただ、それらの評価や報酬が決められるに至ったプロセスに納得がいかない、と言う。この番組をお聞きいただいている方々の中にも、そういった経験が思いあたるという方もおられるのではないでしょうか。中身は良いけれど、その決め方が気に食わない、というものです。場合によっては、その伝え方が自分のスタイルに合ってない、といったこともあるかもしれません。 では、ヒトが公正だと感じる評価プロセスには、一体どんな特徴があるのでしょうか。本日は全部で5つの手続き的公正に関する主なファクターをご紹介します。 まず、「一貫性」が大事です。状況や評価者の属人性に左右されず、どんな状況であっても誰が評価する場合であっても、同じ内容の評価になる、となれば一定の納得感が得られます。逆に、同じ仕事をしたはずなのに、その時の状況によって評価がコロコロ変わる、あるいは、誰が評価するかによってその結果がまちまちであるとなれば、そこでなされる評価を公正なものだとは感じにくくなってしまいます。 二つめは「利益相反や偏見の抑制」。評価をする人に何らかの利益相反が疑われてしまうような構造は評価に関する公正感を損ねます。例えば、課長が部下の人事評価を行う、そして、課長自身もその上司である部長に評価されるという場合を考えてみてください。この時、もし部長が課長を評価する際の項目として、チーム全体のコスト効率が含まれており、その計算にチームの人件費もカウントするとしたらどうでしょうか。この場合、構造上、課長は部下のボーナス査定額を低く抑えるインセンティブがはたらきます。ボーナスの支給額を下げればチーム全体の人件費をその分カットでき、そうすれば、見かけ上はチームのコスト効率が良くなりますので、課長自身の評価が上がる可能性があります。こうした状況では、実際に課長がそのような思惑をもって評価を行ったか否かに関係なく、部下から見れば、これは本当に公正に評価されたのだろうかという疑いが出てしまうので、公正さが損なわれることになるでしょう。 三つめは「情報の妥当性」。利益相反の疑いがなく、終始一貫して評価がなされたとしても、もしそれが誤った情報あるいは適当ではない情報に基づくものだと、やはり納得感はありません。重要なのは、この場合の「妥当性」というのが、評価の受け手の観点から見たものである、ということになります。例えば、営業成績を見て評価するというのは、一見妥当に思えるかもしれませんけれども、成約件数や契約金額についての情報がいかに正確なものだとしても、Aさんは元々成約の見込みが高い優良顧客を最近異動した先輩から引き継いだ、一方でBさんは手強いライバルがひしめく激戦区を担当している、こういったことが評価の際に考慮されておらず、契約件数やその時の金額だけを見られたとなると、おそらくBさんは、それは妥当な情報に基づいて評価されたとは感じないということになります。 四つめは「修復可能性」といって、一旦なされた評価に対して、受け手の側が不満や疑問を申し立てたり、再審査を要求したりする権利が確保されているか、というものです。今の例でいくと、Bさんが「ちょっと待ってください。私の担当しているエリアには沢山ライバルがいて、その中でこれだけの数字を出しました。」というふうに言えるかどうかです。テニスでは、ボールがインかアウトかの判定に不服がある場合に、選手はビデオ審査を要求する「チャレンジ」の権利があります。あれと同じようなイメージだと考えてください。 最後は「代表性」といって、評価プロセスに自分の価値観や意見が反映されている、この評価の仕組みは自分の考えを代表するものだと感じられるかという点です。カヤックという面白い会社があるのですが、こちらでは給料の一部をサイコロを振って決めるという、ちょっとユニークな制度を導入しています。月給のベースの金額があるのですけれども、1が出たら1%増やす。6が出たら6%増やします。面白いのですが、カヤックで働く人は、元々それを分かった上で働いている、ということです。その中でこういった制度を使われているので、これがカヤックらしい、これが私らしいと感じ、そこは代表性を持って受け止められるということです。それなしでいきなり「ちょっと今月の給料決めるから、サイコロどうぞ」というふうにしても、それは公正だとは感じられないでしょう。 これらのファクターの効果は、概ね掛け合わせで効いてくると考えられています。つまり、いずれか1つが0に近いと、他がいかに良くても評価を受ける側に納得感は生まれにくいということです。例えば、一貫性があって利益相反を排除した仕組みのもとで評価が行われていたとしても、そこで検討材料にされた情報が妥当なものと思えなければ、やはり公正な評価だとは感じにくいということです。 今日のまとめ: 組織における評価を巡る公正には、評価の内容、すなわち結果に関する公正に加えて、評価がどのようになされたかに関する「手続き的公正」という側面があります。ヒトは一貫性、利益相反の抑制、情報の妥当性、修復可能性、代表性といった複数のファクターを元に手続き的公正を認識し、いずれかの要素が欠けていると感じると、最終的な評価についての納得感も損なわれてしまいます。
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